- なろう系小説 保存、オススメ、評価スレ in Download その28
55 :[名無し]さん(bin+cue).rar[sage]:2019/03/07(木) 10:29:36.24 ID:9RAhPR50 - 前と後ろと真上から同時にアンナの剣が迫ってきた。
そんな錯覚を受けるほど彼女の動きは速く、そして不規則だった。 体の耐久度を無視して強化魔法を使っている。なおかつ電流で筋肉を強制可動させている。 魔法剣の助けがあるとはいえ、剣士であるアンナがこれほど長時間に渡り、多大な魔力を制御し続けているというのは瞠目に値する。というより信じがたい。集中のしすぎで脳が沸騰したりしないのか。 肉体への負担は輪を掛けて冗談じみている。もちろん、電撃で筋肉を限界以上に酷使するという発想は、シャーロットの中にもあった。 しかしそれは一瞬だけの技だろう。普通なら避けられない攻撃を緊急回避するとか、二度とないチャンスを狙って最大の一撃を打ち込むとか、そういう使い方をするべきだ。 でなければ痛みで戦いどころではないし、自分で自分を攻撃しているのと同じだから自滅の危険がつきまとう。 だがアンナはもう十秒以上も今の戦闘スタイルを維持しており、その間に数百の斬撃を放ってきた。 シャーロットは空間を歪めてその尽くを反射し、アンナは尽くを躱して次の斬撃を振り下ろし、薙ぎ払い、突き刺す。 それらは天井知らずに加速して加速して、剣が百本に見えて、そして世界が万華鏡になった。真実、シャーロットにはそう見えた。 斬撃――斬撃――斬撃――。 薙払――薙払――薙払――。 刺突――刺突――刺突――。 斬撃、斬撃、斬撃、斬撃、斬撃――薙払、薙払、薙払、薙払、薙払――刺突、刺突、刺突、刺突、刺突――。 斬斬斬斬斬斬斬斬薙薙薙薙斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬突突斬斬斬斬斬薙薙薙斬斬斬斬斬斬斬斬突突突突突斬斬斬斬斬斬斬薙薙 斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺刺斬斬斬斬斬斬斬斬斬薙斬薙斬薙斬薙斬薙斬薙斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬ッッッ!
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