- 日中同盟で、反アングロ・サクソン ★26
643 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/05/02(月) 13:35:43.56 ID:hyV2eyJZ0 - つまんない話なので終わりにしようかと思ったのですが、>>477を見て目が点になったので思わず
<1、同盟と協商の定義問題> 477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/26(金) 17:37:03 ID:iZvhP1Vf0 協商=二国または数国が同盟関係に至らぬ経済的関係などで協定を結ぶこと 同盟国=互いに同盟関係にある国家。即ち同盟条約の当事国。 同盟条約=第三国に対する攻撃または防御のために相互援助の共同防衛を約した条約 ええっ!?だとすると日本はアメリカと同盟条約を結んでいないから、同盟国ではなくなりますよ。 なぜなら日米安全保障条約は「日本の施政権下の領域に対する」攻撃への共同対処を定めたもので、 「相互援助の共同防衛」を定めていない。ここが世にいわゆる「片務性」なので、 つまり日米同盟は存在していないことになる。 こんな定義がどこの辞書に載ってたんだ?辞書の間違いを指摘すると寸志がもらえますので、教えて下さい。 それと「協商」ententeはどうも誤解されがたちだな。訳語で「商」の字が入ってるからでしょうか。 経済的関係への言及は、同盟だろうが協商だろうがなされます。 日米安全保障条約の第2条は「平和友好と経済関係の促進」を定めている。 allianceとententeの違いは、実際問題ニュアンスの差に過ぎません。 例えば第1次大戦では「三国同盟」の当事者であるイタリアは、同盟を無視して連合国側で参戦しているし、 「三国協商」の当事者であった(英仏協商の当事者であった)フランスは参戦している。 同盟と協商は、このように、経済的関係への言及の差異でもないし、外交政策に直結するものでもない。 まず「同盟は排他的であり択一的である」と言う頭を捨てないと、話が始まらない。 国際関係は対立関係ではなく、相互補完関係でもある。 一国の同盟関係がタテに、もしくはヨコに、共存していてもちっともおかしくない。 ましてや米中関係は対立関係どころか、今や最も重要な二国間関係なんだから… 米中は既に人的関係、経済的関係だけ取っても、1回や2回の軍事衝突では絶対に壊れない。 アメリカが恐れているのは、2002年にパウエル、あるいはアーミテージが釘を刺した通り、 「日中韓+ASEAN」で独自の地域システムが完成されてしまい、米国の関与の度合が低くなること。 しかし、時代はその後、中東の泥沼とリーマンショックでの協調を介して、着実にその方向に進んでいる。
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644 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/05/02(月) 13:36:48.91 ID:hyV2eyJZ0 - <2、地域集団安全保障体制は全て反共同盟?>
もちろんそんなことはない。 アメリカ自身が作った地域安全保障の例を選んで挙げたら、世界史の教科書を読んでない誰かが勘違いしただけで。 古くは反イスラエル同盟として機能したアラブ連盟あり、反西側同盟として結成されたワルシャワ条約機構あり、 あるいは先輩もよくご存じの上海条約機構あり、今回のリビア空爆で思わぬ注目を浴びたアフリカ連合あり… 小さい所まで数え上げていったら大変な数になる。 ここで着目すべきなのは、産みの親が不純な動機であっても、 反共同盟は現代にあっては地域集団安全保障としての本来の役割に立ち返っている例が多いこと。 反共から一転して、95年にバリバリの共産主義国家ベトナム、 さらに97年にミャンマー・ラオスを迎え入れた東南アジア諸国連合が良い例でしょう。 日中韓米も、拡大ASEANに相乗りして次々と協定・会議を積み重ね、現在の重複的な地域秩序に発展している。 米州機構も2002年のチャベス政権を正当と認め、2005年にはインスルサ事務総長誕生で脱米が明確になった。 2009年にはついにキューバ追放決議を取り消し、「反共の砦」と言うイメージをきちんと清算している。 逆に言えば、「衣替え」が出来なかった単なる傀儡同盟は機能しなくなる。 SEATOはベトナム戦争で脱退国が相次ぎ、1977年に解散しているし、CENTOはイラン革命で崩壊している。 米側同盟の総本山NATOですら、対テロ戦争を最後に、加盟国をまとめ上げるのは困難になってしまった。 リビア空爆でも、トルコ、フランス、アメリカ、ドイツ、まったくバラバラの対立を露呈している。
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645 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/05/02(月) 13:38:05.79 ID:hyV2eyJZ0 - <3、国連は実質的に集団安全保障としての機能を果たしていない?>
先輩、今回のリビア空爆は何の根拠に基づいて行われているでしょうか。国連安保理決議1973です。 中ロが決議1973に反対しなかったために、アジュダビヤ陥落寸前に決議が通り、反体制派が息を吹き返した。 私は今回の決議1973にはそもそも反対で、その履行に至ってはもはや脱法行為、違法行為としか評価できないが、 しかしリビア東部をぎりぎりで救ったのは決議1973であることは論を俟ちません。 イラク戦争の大義名分を失わせたのは何でしょうか?決議1441の内容では授権条件が不十分だったため、 米英が新決議を求めたのに、これが通らなかったことです。 コソボ独立承認が思うように広がらなかったのはなぜか?決議1244で認められたはずの旧ユーゴ及び他地域の領土主権、 これを侵害するとスペイン以下が猛反対したためです。 湾岸戦争は言うに及びませんね。決議660に始まり、最後通告である決議678があったからこそ、 多国籍軍は圧倒的な正統性を勝ち得てイラク進攻を円滑にやってのけた。 アメリカが湾岸戦争の戦費130億ドルを日本から、さらに70億ドルをドイツからふんだくって平然としているのは、 この決議があったればこそです。一連の国連決議がなければ、いくら何でも、もうちょっと安かったでしょう。 逆にイスラエルは決議181でその存立を認められながら、決議242をガン無視して今日に至る。 これが中東の反イスラエル世論を支える「大義名分」であるのは言うを俟たない。 あるいは先輩の好きな例を挙げましょうか。 いま米国が、韓国の頭越しで交渉を急いでいる北朝鮮の核実験について、 2006年の決議1718、さらに2009年の決議1874は経済制裁と禁輸品目の検査取締実施権限を付与している。 いま思いつく限り並べただけでも、これだけある。 ここで分かる通り、安保理決議は冷戦終結後に急速に頻発されている。 湾岸戦争以前の半世紀で600の決議しか通過しなかったが、以後20年で実に1400の決議が通過している。 国際連合は確実に集団安全保障の議論の場としての重要性を増している。 一時は「もう国連は終わった」と嘯いた米国も、イラクで泥沼に嵌まって最後に頼りにしたのは、 やはり国連と言う場だったのです。軍事力をもはや行使できない米国は、国連に戻ってこざるを得なかった。
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646 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/05/02(月) 13:39:41.76 ID:hyV2eyJZ0 - <4、余力たっぷりのアメリカ?>
今回もアメリカはリビアに対して極めて消極的だった。「見通しが持てない」と国防長官、軍部が公言した。 人道危機が切迫していても、もはやアメリカにない袖は振れない。 わずか70億円のトモダチ作戦の半分を日本に負担させるとか、させないとか言うほどケチなのは変わってませんね。 それどころか、アメリカは歳出削減と金融緩和停止、国債の格付け引き下げで、今後、極めて厳しい局面に入っていく。 私はこれを非常に憂慮している…、いま世界で起きているいかなる問題よりもです。もちろん日本の震災よりも。 おそらく、これは米国経済の予兆に過ぎないでしょう。そしてこれに匹敵する衝撃は近い将来、3つしかないでしょう。 湾岸王政の弱体化とエジプトの混乱、それによるイスラエルの暴発、 北朝鮮の内紛激化と事態収拾のための非常手段、さらに中国経済の失速です。 今年はその3つが同時に起きる可能性がある、極めて恐ろしい年になってしまった。 バーナンキ戦法は、中東の米とパンの価格を上昇させ、原油価格を高騰させ、ついに自国の家計をも襲って、 限界に達した。 ましてや自国利益への切迫した侵害がない限り、アジアの細かい問題をアメリカが肩代わりするわけがない。 ではどうするか。先の対北朝鮮決議が要求する通り、六か国協議その他、地域安全保障の場を設けるしかない。 国連が認め、アメリカも利用したがるものを作って、なぜ日米同盟が危殆に瀕するのでしょうね。 私は国連United Nations は、幕末政治における朝廷と酷似している、とよく例に挙げる。 最近は幕末政治における朝廷とくに天皇・公卿+その他大勢の諸藩の役割に焦点を当てた書籍が一般向けにも刊行され、 幕末政治が単純な権力闘争や武力革命の歴史ではなかったことが周知されているので、とても説明がしやすい。 しかし、政治的駆け引きの部分は面倒だからすっ飛ばして、坂本竜馬がどうしたとか、高杉晋作がこうしたとか、 そんな所ばっかり読んでるような人には受けが悪いです。 >しかし、国連による安全保障体制は、常任理事国の利害対立によって阻害され、機能しない場合があります。 >実例として海賊退治や対テロ戦争の名を借りた少数民族や独立派弾圧に利用されています。 機能しないのであれば、利用されることはありません。利用されると言うことは、機能していると言うことです。 先輩のは、あとは反論じゃないですね。
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647 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/05/02(月) 13:42:29.13 ID:hyV2eyJZ0 - <5、二股三股は国際政治と資産運用の基本>
>>626 >トリプルブッキング〜 の部分だけど、そんな器用な国ってあったのかい? >同盟先がいがみあったら日本はどうすればいいのかしらん? 米英仏ロはトリプルどころの騒ぎじゃない。東南アジアなんて国境紛争や少数民族問題、ムスリム問題は日常茶飯事です。 日本ではスプラトリー諸島とタイ・カンボジアが時々話題になるくらいだが、ほかにもシパダン、ペドラ・ブランカ、各国ムスリム… ずっと続いてる問題がたくさんある。シンガポール、マレーシア、インドネシア絡みでもいくつあるだろう。 同盟先がいがみ合うのは至って普通です(戦後アジア太平洋世界を想起されたい) 米中和解なんて日本は全く知らされていなかった。竹島はどさくさに紛れて取られたが、アメリカはどう処理しています? 何も処理していないでしょう。同盟を絶対視するほうが馬鹿げている。 大国日本と、反共反日の韓国と、ロビー活動がすさまじい台湾と、毛沢東の中国なんて義理堅かったらとうていブッキングできない。 日本はちょっと異常だね。少しは選択肢を多く持っておくべきです。 「同盟先がいがみ合ったら日本はどうすれば…」なんて言ってたら、 そりゃ中東や東南アジアやアフリカの外交戦で中国に負けてしまう。 日本だって中東でイランに対して独自外交をやったじゃないですか。
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