オールコック(山口光朔訳)『大君の都』岩波文庫,1962. [初出=1863年] かれらには建築と呼びうるようなものはない。……したがって、世界最大の都市のひとつである江戸の街路ほど、むさくるしくみすぼらしいものはない。大名の屋敷でさえ、同じような建て方の低い一列のバラックにすぎず、ただ屋根が高いだけだ。(下巻, p. 176)
グスタフ・クライトナー(小谷裕幸・森田明)『東洋紀行』平凡社東洋文庫,1992-93. [初出=1881年] 実際に眺めてみると、期待した程のものではなかった。東京は大きな村という感じだった。そして、町の無数の貧弱な木造家屋の中に高々と聳え立っている帝の居城さえも、宮殿というよりもむしろバラックといった趣であった。(1巻, p. 289)