- 続・きちがいクレーマーの安淳徳
299 :傍聴席@名無しさんでいっぱい[sage]:2015/12/23(水) 21:38:37.03 ID:FMr9vYOV0 - 総選挙は二週間後の、四月十四日、日曜日だった。今日は三日である。
亮は塩谷に遺体と対面して、そのあとすぐに、北海道に飛んだ。そして、あの自衛隊員・川崎隆治に面会に行った。 川崎は、非常に喜んだ。 「どうしたんですか! わざわざ来てくれるなんて!」 大はしゃぎだった。亮は、大樹の下に二人で座った。 「川崎くん」 「はい・・・まさか告白じゃないでしょうね。でも、いいですよ!」 亮は可笑しかった。「ははは」と笑い、 「実は、頼みがある」 「はい。いいですよ」 「まだ言ってない・・・頼みとは、夜に相当な距離から、正確に射撃できるように、準備しておいて欲しいんだ」 サッと、川崎の顔色が変わった。何かを悟ったらしい。 「ええ・・・距離は、一〇〇〇メートルまでです。夜間なら。で・・・誰を、撃つんです?」 亮は、凄い形相で睨んだ。 「これは犯罪になる。しかも、死刑だ」 川崎は、ニコ、と、笑った。 「いいですよ。そんなに凄いターゲットなら、光栄です」 「もちろん本当の話だが、実は、まだターゲットは、決めてない。でも、必ず、夜、遠い距離の射撃になる。しかも、チャンスは、一発だけ・・・」 「分りました。その一発に、命を賭けましょう。ターゲットが決まったら、携帯にメールをください」 「すまない・・・できれば、そんな事をしなくて済むように、願っている」 「僕は、神谷さんの役に立てて死ねるなら、いいですよ。遠慮なく」 「ああ」 手を握った。川崎は、若い頬を赤らめていた。
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