- 祭の後のさびしさ〜コミケが終わるたびに悲しい16 [無断転載禁止]©2ch.net
275 :カタログ片手に名無しさん[sage]:2023/05/14(日) 14:39:05.89 ID:EiugdT0o - ビッグサイトの外周で、花壇に咲いた水仙の蕗を引きちぎる。弾みで尻餅をつく。
「ハハハ。ねえ、そろそろ本気になってきた? やめてよ、そんな顔。女くさいの、やめない? ほら、こいつの何が一番イカすか知ってる?この可憐な花、三つ。知ってる? 香りだよ。ラムネに似てる」 「ごめん、アハハハ。○○くん、ごめん。私、解っちゃった」 「いいねえ。いい笑い方だ。やっと本気かよ。馬鹿のフリすんの、やめた?」 「うん。私ダメだ。ちょっと、ついてけない。解るんだ。子供じゃないよ。 馬鹿じゃない。今更、そういうの、勘弁。それ、キツいよ。絶対、無理」 「うん。そんなこと、最初から解ってたじゃん? だけど、いい謝り方だね。きみがどんだけ優しくて知性的か よくわかる。謝る必要があるって、感じられたなんて、たぶん天才。こうして、嘘っこの翼で力強く…. それで間抜けな目に? ハハハハ。冗談じゃねえってな。ね、悲しいことなんか、一つもない。ついでにきみに 必要なものも、コミケには一つもない。わかったろ? 俺が何か。俺はね、目玉の形に似た小さな神様。 誰の頭の隅にもいる。人にとって一部であるものが、俺には全部。結晶だよ。俺はそういう種類の新しい神様。 何処にでもいる。ねえ、泣かないで。すごく可愛いのに。ねえ。お願いだから笑ってよ。俺、まだあんたの名字も知らない」
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