- 無限の住人 沙村広明総合スレ 第二十八幕
167 :考察1[sage]:2008/10/18(土) 16:12:56 ID:GlKVihBc0 - 尸良がある意味最重要人物になった理由は
物語の構造から見るとよく理解できる。 物語序盤で凛は両親を惨殺され復讐を決意する。 逸刀流の剣士を一人また一人と倒してゆくが その過程で凛は自分の復讐の暴力性に深く悩むようになる。 新夜を倒す理由はあっても、練造を孤児にする理由はない。 自分のしていることはあの晩天津がしたこととは同じではないか?
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168 :考察2[sage]:2008/10/18(土) 16:13:29 ID:GlKVihBc0 - 無骸流の尸良と出会った当初凛は特にそのメンタルな強さに憧れる。
この強さが自分に備われば迷わずに復讐を遂げられるのではないか。 しかし尸良が無抵抗の女郎を強姦し 瀕死の重傷を負わせたのを目の当たりにして その残虐こそ自分が憎んでいるものであると知る。 加賀行きに際して天津を倒す絶好の機会が凛に到来する。 ひょんなことから同行した天津が破傷風にかかり 立って歩くのがやっとになった。 物語中凛が自力で天津を倒すことのできた唯一の場面であった。 凛は弱った天津を殺さない。 私怨により刀を振るうことを放棄したのである。
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169 :考察3[sage]:2008/10/18(土) 16:15:02 ID:GlKVihBc0 - 加賀篇の最後、天津は心形唐流の一党により殺されそうになる。
自分には天津を助ける理由などない。天津は両親の仇だ。 しかし無抵抗の人間が殺されるのを傍観することはできない。 万次に向かって凛は涙を流しながら心形唐流の剣士たちを殺すように頼む。 物語の劇的な転換点である。 まとめると、凛は最初のうちは両親の仇討ちをしようとしていたのだけれど、 途中から私怨のレベルを超えて、何の罪もない人間を損ない不幸にする暴力、 無抵抗の人間に暴力を振るうことを楽しむ嗜虐性を心底憎むようになったようだ。 これは凛の精神的な成熟である。 天津に対する仇討ちを一時保留しているのは 自分の両親を殺すに至った天津の思想が究極において 暴力の非人道性とどのような決着をつけるのかを見届けようとしているからだろう。
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170 :考察3[sage]:2008/10/18(土) 16:15:54 ID:GlKVihBc0 - 物語が進むにつれて逸刀流の非人間的な面が後景に退くのとは逆に
非人間性に磨きをかけて焦点を当てられたのが尸良だ。 この男は十六のころから人を殺すことを生業にしてきた。 他人は自分が生きるための手段だと純粋に考えている。 誰に愛されることもなく誰を愛することもない。 誰かを尊敬することもなく、赦すこともない。 性的な快感を最大にするために簡単に相手を殺す。 他人を責め苛むことに無上の喜びを見出す。 精神的な強さは狂気に裏打ちされている。 凛が親の仇よりも憎む暴力、非人間性、残虐性、嗜虐性を一身に帯びるのが この男、尸良なのだ。人性の暗部の権化である。純粋な悪。 万次対尸良は無限の住人の一方の決着だといっても過言ではないだろう。 連投スマソ
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171 :名無しんぼ@お腹いっぱい[sage]:2008/10/18(土) 16:16:37 ID:GlKVihBc0 - 170は考察4です。
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- ヒストリエ - 岩明均38
105 :名無しんぼ@お腹いっぱい[sage]:2008/10/18(土) 16:20:40 ID:GlKVihBc0 - んだんだ
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173 :名無しんぼ@お腹いっぱい[sage]:2008/10/18(土) 16:36:39 ID:GlKVihBc0 - ノベライズされてるしね…
このスレだけでもないんじゃないかな?
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177 :名無しんぼ@お腹いっぱい[sage]:2008/10/18(土) 21:00:08 ID:GlKVihBc0 - そうですか…読んでないもので。スマソ
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