- さて未聴CDの山を観て人生の残り時間を考えるA
286 :名無しの笛の踊り[sage]:2020/11/22(日) 14:38:12.88 ID:dOCeyWPM - 昨日の日経新聞に、ウィーンフィル来日公演の記事が載ってた
コロナ下で異例の来日 ウィーン・フィルが示した気概 新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が5〜14日、来日公演を開いた。 特例で入国が認められ、感染対策のために団員の行動は厳しく制限される異例のツアーだ。 「音楽、芸術の力を示す」という気概のこもった演奏を繰り広げた。 東京公演初日の9日、コロナ下で初めて満員となったサントリーホール(東京・港)は熱気に満ちていた。 団員が姿を現すと、熱演を確信するように拍手が上がった。 この日の演目は指揮者ワレリー・ゲルギエフの母国のロシアもの。 プロコフィエフのピアノ協奏曲第2番は20世紀前半の難曲だが、格闘家のような風貌のデニス・マツーエフは軽々弾きこなす。 最後の音を強烈な一打で鳴らすとその勢いで跳びはねるように立ち上がり、喝采に応えた。 続くチャイコフスキーのロココ風の主題による変奏曲は、ソリストとしてチェロの堤剛が登場。 堤は時折、笑みをたたえゲルギエフらと視線を交わしながら朗らかに音楽を紡ぐ。 「一丸になって素晴らしい音楽を創り、心から楽しんでいた。 その大きな輪に温かく迎え入れてもらい、至福の時を過ごした」。堤は感慨深げに振り返った。 ストラビンスキーのバレエ音楽「火の鳥」では、ゲルギエフ・マジックと称される多彩な音色を引き出した。 導入部の低弦は地の底から湧き出すように。「王女たちのロンド」は優美で艶もある。 「地獄の踊り」はジェットコースターのようなスリルを楽しませた。大団円は圧巻だった。 全力で鳴らす金管に負けじと弦も力奏するが、決してバランスを崩さない。 アンコールに添えたウィンナ・ワルツまで、曲名通りに洒脱(しゃだつ)な「ウィーン気質」に聴衆は酔いしれた。 コロナで国際的な往来が制限されるなか、14日間の待機措置もない特例での来日だった。 「オーストリア政府からの強い要請、両国間の文化交流の重要性にもかんがみ、厳格・適切な防疫措置の確保を条件に入国を認めた」 (加藤勝信官房長官、4日の記者会見)。クルツ首相から公演を求める親書があったことなどを考慮したという。
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287 :名無しの笛の踊り[sage]:2020/11/22(日) 14:39:54.18 ID:dOCeyWPM - 感染対策は徹底した。来日の際はファンと密に交流するのが常だが、今回は接触禁止。
外食はおろか買い物さえ行けない。出入国時には検査で陰性を確認し、チャーター機で来日した。 国内の移動は新幹線の車両を借り切るなどして、ホテルもフロアごと押さえる。追加費用だけで1億5千万円を超えるもようだ。 音楽界にはウィーン・フィルが来日する11月、入国規制が大幅に緩和されるとの期待があった。 今回あくまで特例にとどまったことで、外国人指揮者がポストを持つ楽団などには落胆が広がる。 しかし日本クラシック音楽事業協会の入山功一会長は「ウィーン・フィルが満員の会場で迎えられたことで『ファンは待ってます』と、 規制緩和を働きかけやすくなった」と前向きに捉える。 特例で公演が実現したことを最も重く受け止めていたのはウィーン・フィルにほかならない。 楽団長のダニエル・フロシャウアーは日本に降り立った4日、「私たちにとり音楽や文化がどれほど大切か、皆さんと共有したい。 未来に向け、文化的な生活を取り戻すためのビジョンを示すチャンスだ」と強調した。
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288 :名無しの笛の踊り[sage]:2020/11/22(日) 14:40:12.42 ID:dOCeyWPM - ゲルギエフもツアー中、思いを語った。「強い意志と音楽を愛する心を持ち、この勇敢なアクションに臨んでいる。
(コロナという)今年生じてしまった様々な問題よりも、音楽や芸術の力がいかに強いかということを私たちは示したい」 心意気は音楽に表れる。伝統の響きを守るため奏者間の距離は密で、ソーシャルディスタンスはなし。 大編成を要するR・シュトラウス「英雄の生涯」などを演奏した13日の公演を聴いた音楽評論家の山崎浩太郎氏は「密集してこその音楽だと感じさせた。 帰国後の公演が不透明な中での演奏に、普段以上に集中していた」と語る。 とりわけ思いがこもっていたのがチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴(ひそう)」だった。 10日にはコロナに苦しむ世界中の人に向けて献奏。音楽が静かに閉じるとともに、黙とうをささげた。 音楽評論家の江藤光紀氏は「終楽章はすさまじく、本当にもがき苦しむような苦悶(くもん)の表情が感じられた。 コロナで芸術界は本当に苦しい思いをしているが、それを代弁するような意味合いがあったのでは」と指摘する。 「世界中で音楽家が演奏できない状態が続くが、その方々のためにも代表してコンサートができた」。 最終公演を終え、フロシャウアーは語った。音楽の都の誇りと伝統を背負う彼らにとってツアー完遂は「ノブレスオブリージュ(高貴なるものの義務)」だった。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66276920W0A111C2BC8000
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