- モーツァルトの交響曲全集Part3
279 :名無しの笛の踊り[]:2020/03/30(月) 13:30:28.98 ID:p4pgWil2 - アリゴーニのモーツァルト
この演奏は、モーツァルトの音楽の急所を押さえてしまっている。 チェリビダッケやヴァントの上出来の演奏のように「なんて立派な仕事を しているんだろう!」と感心させるような演奏ではないにしても、日本や アメリカのオーケストラより根本的にずっとよい。演奏にふくらみがある。 陰影がある。杓子定規にきっちりしているだけという味気なさとは無縁だ。 テンポは遅いが、クレンペラーのような無機質的建築志向に行かない。 はっきりしていることは、私はこの演奏を聴いていると、ささいな不都合が 全然気にならない。大きな音楽の懐にいるような気がする。 音楽そのものの美しさに面と向かっているような気がする。 古楽器でなければもはやまともな演奏ではないような風潮はおかしい。 このようなモーツァルトが今も生き延びていることを言祝ぐべきだろう。 言い切ることができる。やっぱりこの演奏は美しい。 評論家 許光俊
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