- s章恭
288 :名無しの笛の踊り[]:2013/12/11(水) 21:39:33.71 ID:Oy3FO6un - 私の人生にとって、この全集は大きな意味を持つ。というのも、80年代にカペレ・レーベルで初CD化された際(分売)、その感想や意見を学研宛てに送ったところ、
白柳さんより面会を求められ、 当時の私には高嶺の花の高級ステーキをご馳走になった。 否、大きな意味とは、その事ではない。そのとき、「何か希望はあるか?」と訊ねられ、「宇野功芳に会いたい」と答えると、それを叶えて頂いたからある。 「宇野先生監督の草野球チーム、ワルキューレに参加」する、という夢のような(笑)形で! チームメイトには、いまは盤鬼で知られる平林直哉氏が居たのも懐かしい。 ここで、簡単なライト・フライを悉く落球する宇野先生の野球のヘッポコぶりについては語らないが、そのご縁から、宇野先生に私の合唱指揮や文章を評価して頂くこととなり、やがて文春新書共著者への起用と繋がった。という意味から、 今日の私はこの全集なしにはなかったのである。 因みに、私はよく宇野先生の弟子と言われるが、ただの一度も文章の指南を受けたことも、合唱指揮のレッスンを受けたこともない。駆け出しの売れなかった頃の私が、少しでも世間から注目されるように「僕の弟子」と紹介して くださったのが、その謂われだろう。有り難いことである。多分、いまでは、そう言ったことを後悔されているに違いないのだが・・。 今回の全集には、ブックレットに私の名前がクレジットされている20代の私が学研宛てに送った意見が、編集に採用されたからである。白柳さんも私の意見をずっと気にされており、今回の完成を心より喜んでおられるとのこと。 音質は過去のCDとは較べものにならないほど改善されている。ハイレゾのマスターからCD用にダウンサイジングしてこれなのだから、元は相当に良い筈だ。 演奏自体、後年のような円熟味には欠けるかも知れないが、「第九」以外の8曲がスタジオ録音であることが幸いして、落ち着いたキズの少ない演奏となっているのが好ましい。 個人的な思い入れとは別に、今の耳で聴いても、優れたベートーヴェン交響曲全集であると思う。
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