- クラシックギター総合スレPart69
336 :名無しの笛の踊り[sage]:2013/03/29(金) 00:35:42.99 ID:rTA5gSnB - >>269
「音」は「音圧(db)」「音高(Hz)」「音色(波形分布)」の3つの要素から構成されている。 このうち音高は(ギターの場合)弦のテンションを変える、または弦長を変える、 具体的には糸巻きで弦の張りを変えたり、左手の押弦で振動する弦長を変えることでコントロール するが、ここでのテーマから外れるので割愛する事にしよう。 「音の粒が揃う」とはすなわち、音圧・音色が一定であるべき範囲で一定に揃っている事と解釈 出来よう。 この「一定であるべき範囲」について、音圧は通常楽譜にp,f等の強弱記号で記載されていることが 多いが、前古典の作品では記載が無い事もあり、クレッシェンド・デクレッシェンドの処理、 或いはピアニシモからフォルテシモまでのダイナミックレンジをどの程度の幅に設定するかなど 奏者の感性に任される部分も多い。 音色について、楽譜に直接の記載があることは少ないが発想記号が指定されている場合は その発想記号に適した音色を選択するべきだろう。ただしこれも発想記号の記載が無い場合、 或いは「発想記号に適した音色」の解釈など奏者の判断に委ねられる部分も大きい。 音圧はギターの場合、弦の振動幅で決まる。すなわち弦の振動幅が大きければ音圧が高くなり 振動幅が小さければ音圧の低い音となる。 音色はギターの場合、 1) 弾弦位置(サドルから弾弦位置までの距離)、 2) 弾弦方向(表面板と平行、ima指の場合真下から真上へ弾くか、リリース後表面板に 近づく方向に押し込む様に弾くか、はたまたリリース後表面板から離れる方向へめくり 気味・バルトークピチカート気味に弾弦するか) 3) 弦と指の角度(弦と指が直角か、ヘッドよりに傾けるかサドルよりに傾けるか) である程度コントロールすることが出来る。ある程度というのは音色のコントロールには限界が あり、ギターで音叉のような正弦波に近い倍音構成の音色を発音することは物理的に不可能だったり、 どんなに上記1)〜3)を工夫したところで量産ギターで名器のごとき音色を得ることは出来ないし、どれだけ 「セゴビアトーン」を追求したところで指や爪の形・質が違う他の奏者が(例えセゴビアが使った楽器を借り 受けたとしても)セゴビアトーンそのものを発音する ことは不可能であるなど、様々な制約が存在するからだ。
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