- 【大編成】オーマンディ10【上等】
978 :名無しの笛の踊り[]:2013/01/29(火) 00:12:49.58 ID:jAOOXeTj - オーマンディは叩き上げで、いつも恥をかきながら大きくなった。
ストコフスキーがフィラデルフィアの常任から名誉指揮者になる時、 すでにオーマンディの就任は決まっていたが、ストコは幅広く若い指揮者たちに 勉強させるために、ベートーヴェンの交響曲を一つずつ割り当てて振らせた。 オーマンディには2番が当たったが、今までに全くスコアも見たことがなく、ビビッて 辞退。学生時代から9曲全部を暗譜していた近衛秀麿が2番を指揮した。 最初から、どこかぎこちないスタートだったが、日米関係が悪化し、近衛がヨーロッパに去ったので 邪魔者はいなくなり、無事にバトンタッチ。 戦後、オーボエのタビュトーとの軋轢が生じ、タビュトーは遂に辞めてフランスに帰る事になった。 最後のリハーサルで、タビュトーが異例ながらお別れのスピーチをしたいと申し出て、 皮肉に満ちた長いスピーチをした。オーマンディは途中でそっと抜け出し、 終わるまで別室で耳をふさぎ、じっと我慢の子であった。 こうした試練をくぐり抜け、決して怒らず、日本の評論家にデクノボウと呼ばれ、 それでも愚直にオーケストラ音楽の王道を歩み遂げた指揮者、それがオーマンディだ。
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