- 【アリスとモナちゃん】 オット姉妹
119 :in the wind[]:2012/09/09(日) 06:00:49.48 ID:sh/KSwJo -
確か、吉田さんの書かれた本だったと思うけど、次のような話を読んだこと がある。 昔、ゼルギンが日本に来てベートーヴェンの曲の録音をしたことがある、そ してそのころは、まだ録音技術や録音機器の発展段階のころで、日本の技術者 たちは自分たちの録音技術や録音機器のことがとても気になっていた。 で、一曲録音し終わった後、みんな、期待感と不安の入り交じった気持ちで、 ゼルギンにどうですか、と聞いたらしい、すると、ゼルギンはこのように言っ たらしい、これはベートーヴェンの音ではない。 で、この答えには、日本の技術者たちにとって、この答えは、全くの予想外の 答えで、これにはどのように反応していいか困ってしまったらしい。 ベートーヴェンの 音 と言われても、音は音、そんなことを言われても、あの、 その、誰それさんの音ってあるの、この答えには、本当に困ってしまったらし い。 (つづく)(copied here, 2012.9.9(sun) 5:59am MTT)
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120 :in the wind[]:2012/09/09(日) 06:07:47.23 ID:sh/KSwJo -
また、昔、新橋に時々会社を抜け出して行った本屋があるのだけど、その本 屋の2階にはたくさんの文庫本が並んでいて、誰の本だったか忘れてしまった けど、もしかするとこれも吉田さんの著書だったかもしれないけど、ほんの数 行だけ立ち読みしたところに作曲家の音について書かれていた部分があって、 その内容は僕もえらく感銘を受けて、その後何度もこのことについて考えてみ たので、今ではどこまでが本に書かれていた内容か、どこからが僕がその後考 えた内容か分からなくなってしまったのだけど、いろいろな作曲家の音、例え ば、何人かの作曲家のピアノの音については次のように言えるように思う。 (つづく)(copied here, 2012.9.9(sun) 6:06am MTT)
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121 :in the wind[]:2012/09/09(日) 07:27:40.98 ID:sh/KSwJo -
まず、ベートーヴェン。 とにかく、意志、この 意志 というものを感じさせる音でなければならない、 彼の、強大な意志を感じさせる音でないと、これはやはりベートーヴェンの音 ではないと思う。 で、次に、ショパン、時に甘美ながらも、人を寄せつけない 孤高 感がない とならない。こうでないと彼ではない。 そして、シューベルトは、 夢を見ているようでなければならない。 そして、この夢を見ているよう、は、もちろん夢を見ているような演奏とか、 夢を見ているような感じ、とかいうものではない、音そのものが、夢を見てい るようでなければならない。ピアノの音、ポーンと鳴らしたピアノの音、その 音 が、夢を見ているようでなければならない。僕としては、これができない ピアニストにはシューベルトを弾いて欲しくはない。 (つづく)(copied here, 2012.9.9(sun) 7:26am MTT)
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122 :in the wind[]:2012/09/09(日) 07:34:44.77 ID:sh/KSwJo -
そして、モーツァルト。 確かこの本でも、この著者もモーツァルトの音というのは決めることはでき ない、と言っていたように思うけど、僕は、このように考えた、モーツァルト は最強、音を選ばない、いかなる音もモーツァルトの音に成りえる、そして、 敢えて言えば、趣味のよいピアニストが弾けば、それがいかなる音であっても、 モーツァルトの音に成りえる、そして趣味の悪いピアニストが弾けば、それが 例えいかに綺麗な音であっても、それはモーツァルトの音ではない。 ところで、ルービンシュタインの弾く、ラ・カンパネラ、たくさんの鐘の音。 この音に表情を感じませんか。一つ一つの音に表情があって、心があって、こ の音たちが、あなたに語りかけてくるように感じませんか。あーあ、芸の道は 険しい。 敢えてその道を進もうとする人、この道を敢えて進もうとするお嬢ちゃんは、 頑張ってね。 ------ wrote in the wind at 6:03am, Tuesday September 4, 2012 ------ (copied here, 2012.9.9(sun) 7:31am MTT)
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