- フレデリック・フランソワ・ショパン 14
758 :749[]:2012/06/30(土) 07:14:14.86 ID:BYDgxskj - >>754
>人間はとても嫌がるというとき、そこにとても大きな理由があるからだ これは、ショパンに関して言えば、彼とベートーヴェンとの関係がちょっと これに近いのじゃないかと思ったりもします。こういう考え方はあまり書物でも 見たことがありませんが。 ショパンは一般的にはバッハやモーツァルトへの盲目的崇拝に比べ、ベートーヴェン からは距離を置いています。 ただし、それなりに大きな存在であることはもちろん言明もしています。 若いころベートーヴェンのピアノ三重奏「大公」を聴いて偉大だと言ってますし、 初期を中心にピアノソナタを人前で何度か演奏もしています。特に作品26の 変イ長調のソナタの演奏はそれを評した人が複数いて、素晴らしい演奏だったそうです。 ショパンはこの作品26のソナタからかなりの影響を受けて「葬送」ソナタを 作曲したのは間違いないところでしょう。 ただ、ショパンはベートーヴェンの中期以降の曲についてはほとんど興味を示して いないばかりか、批判もしています。 私が見るに、これはある種の近親憎悪もあったのじゃないかと。すなわち、中期ベートーヴェン のいくつかの曲の持つ激しさ、この雰囲気を受け継いだのがショパンのある種の曲なん じゃないかと思うんですよ。革命のエチュードや、葬送ソナタのむき出しのような 激しい感情表現は、それ以前にはベートーヴェンの作品ぐらいしか前例がないように 思うのです。 ショパンのこの表現はベートーヴェンからの影響ではないようには思うのですが、 自分の中になる荒れ狂う表現にはショパン自身少し自己嫌悪の情を持っていて、 だからそれに近いベートーヴェンの中期作品も遠ざけていたのじゃないかな、と 感じているのです。
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- 【А.Н.】スクリャービン7【Скрябин】
59 :名無しの笛の踊り[]:2012/06/30(土) 07:32:21.05 ID:BYDgxskj - >>54
聴かせていただきました。印象深い演奏でした。 若干楽譜の解釈について異議をはさみますね。 2ページ目後半から出てくる低音部の前打音は、もっと鋭くしたほうがよいと 思います。上声部の16分音符と同時に聞こえますが、16分音符はあくまで 16分音符であって、前打音のほうが後でしょう。 また2つの前打音がほとんど同時に重なって聞こえますが、下から上へ明確に ずらして打鍵したほうがいいんじゃないかな。2ページ目2段目最後のように 前打音で記譜しているところと16分音符のシンコペーションで記譜しているところの 区別が明確でなくなりますし、またsfの指定はおそらく最低音だけにかかるの じゃないかとも思うんですよ。 そうするとこの中間部の盛り上がりがよりずっしりとした山場になるのじゃないかと。 スクリャービンの5番ソナタはとてもかなわないけど、この曲ならスクオと勝負できる かもしれないな。ラフマニノフの前奏曲嬰ハ短調とか、わりと得意なんですよ。
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- フレデリック・フランソワ・ショパン 14
761 :名無しの笛の踊り[]:2012/06/30(土) 09:55:37.61 ID:BYDgxskj - >>760
ショパンがモーツァルトのほうを目指していたことは間違いがないと思います。 ドラクロアとショパンがモーツァルトとベートーヴェンを比較して論じ、 ショパンはベートーヴェンには統一性が欠けているということを言っています。 ただ、どこかにベートーヴェン的気性が出てしまうということなのでしょう。
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- フレデリック・フランソワ・ショパン 14
765 :749[]:2012/06/30(土) 13:30:38.67 ID:BYDgxskj - >>764
別に教育は関係ないです。 作曲家の深層を探ることが、作品の理解につながるし、演奏する立場 からも意味のあることだと思いますよ。 美術や文学だって、前人の影響は研究テーマですよね?
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- フレデリック・フランソワ・ショパン 14
766 :名無しの笛の踊り[]:2012/06/30(土) 13:32:55.55 ID:BYDgxskj - >>762
先にあげたドラクロアの日記もそうですし、ほかにもレッスンのときに 弟子に言っていたように思います。
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- フレデリック・フランソワ・ショパン 14
767 :名無しの笛の踊り[]:2012/06/30(土) 13:35:54.17 ID:BYDgxskj - >>759
ものすごく丹念にショパン、ドラクロアらの心理を描写していて文学作品 としてはおもしろいと思いますが、伝記ではないですね。
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