トップページ > 映画作品・人 > 2018年02月14日 > 1wyTrFxF

書き込み順位&時間帯一覧

21 位/1042 ID中時間01234567891011121314151617181920212223Total
書き込み数0010000030000000000000015



使用した名前一覧書き込んだスレッド一覧
名無シネマ@上映中
【世界の巨匠】黒澤明 4【最高傑作】 [無断転載禁止]©2ch.net

書き込みレス一覧

【世界の巨匠】黒澤明 4【最高傑作】 [無断転載禁止]©2ch.net
864 :名無シネマ@上映中[]:2018/02/14(水) 02:49:18.88 ID:1wyTrFxF
以下「映画についての雑談」(1975)より
(『THE KUROSAWA黒澤明全作品集 姿三四郎から乱まで』1985、
『大系黒澤明 第4巻』2010に再録)

 《本当に映画を愛している若い人たちの、映画に対している姿勢は、僕が接しているかぎり
ではみんなそれなりに正しいと思う。ただ、一人前になるためには、僕個人の力ではどうに
もならない。
 これは政治の責任なんだ。政治が映画を無視しているかざり、僕にはどうしようもない。
だから僕は、いつもはっきり言うんだが――しかし、 これは新聞記者諸君は絶対書いて
くれない――要するに自衛隊の戦闘機2機ぶんをよこせ、1機ぶんでもいいっていうこと
です。そうしたら、この人たちの映画学校も出来るし、作品を作らせることも出来る。僕
はもっと激烈なことをいつも言ってるんだけれど、それがいつも無視されている。編集長が
削るのかその前に削ってしまっているのかわからないけれど。だから書いても刺身のツマ
みたいに書くだけ。政府がほんとうに日本文化を大切にするというのなら、 日本映画も
大切にしてほしい。戦闘機の1機や2機多くたって少なくたって大した事はないじゃない
か。その予算をくれたら、日本映画は立ち直ります。僕は責任を持つ。日本映画を立ち直ら
せるには、現実的に金が無きゃだめです。映画学校もつくれない。もちろんそこで優秀な
人が育つとは限らないけれど、とにかく実験させるだけのものを作ってやらせてみなけれ
ばどうしようもない。不幸にして、この年代では僕一人生き残ってすごくらいけれど、何
とかしなきゃ死にきれない思いなんだ。》
【世界の巨匠】黒澤明 4【最高傑作】 [無断転載禁止]©2ch.net
868 :名無シネマ@上映中[]:2018/02/14(水) 08:05:53.50 ID:1wyTrFxF
《『天国と地獄』で使った煙突の煙のぼたん色、これもプリントによって一つ一つ違う。
ぼたん色がよく出ているのもあれば、そうでないのもある。しかし、これからは部分着色
のテクニックも、もっと効果的に出来るようになるのじゃないかな。映画のカラーはこれ
からです。事実、フランスのシネマテークで、エイゼンシュタインの『イワン雷帝』、
これは20年以上も前のものだけれど、宴会のシーンですばらしい色を使っていた。彼は
使いたい色を使いたいように使っていた。今だって難しいのだから、当時は大変だった
と思う。僕が、カラーをほとんどやってこなかったというのも、色〈カラー・フィルム〉
っていうのは統率がきかない。こちらの意思のままにならないということで。それがイヤ
だなと思って。『どですかでん』は、それだったら地面でも、人間でも、何でもいいから
染めちまえっていうことになった。最初は人間も染めようかと思ったくらい。それに今
のカラー撮影は、照明が間違っている。色を出すために、総べてに光を当てようとする。
僕はそうじゃなくて、照明は白黒と同じでいい、色が出ないでもいい、むしろもっと黒
を出せ、出せって言ったのが『デルス・ウザーラ』の月、あそこでは黒がよく出てい
ます。ほんとうの黒というのは、赤が下地になっていないと出ない。黒の紋付、あれ
などは赤で下染めしないとすぐ陽にやけて、羊羹色になってしまう。だから、セットを
作る場合でも、もっと下塗りを研究する必要があると思う。》
【世界の巨匠】黒澤明 4【最高傑作】 [無断転載禁止]©2ch.net
869 :名無シネマ@上映中[]:2018/02/14(水) 08:11:33.74 ID:1wyTrFxF
(>>864の続き)

《 ソ連へ行って来たからと言うわけではないが、話があってから『デルス・ウザーラ』
が完成するまで4年かかっています。その間、ソビエト映画の製作上悪いと思ったところ
があったらと、映画の副大臣以下、モス・フィルムの首脳部が集まって、長時間僕の意見
を聞いてくれました。その後、一たん帰国する前に映画大臣に会ったら、「クロサワさんの
意見は正しいと思う。それを直すだけの用意はある。予算もある。ただ、来年また来た時
に、ちっとも直ってないと怒られても困る。 しかし、 5ヵ年計画でやる」と向こうは真剣
です。
 そういう土壌から、アンドレ・タルコフスキーその他、若い才能がぞくぞく生まれて来
ている。『僕の村は戦場だった』は大学の卒業作品だったのじゃないかな。ああいうもの
を卒業作品につくれるということは、彼自身が大変なやつだと思うけれど、それが可能だ
というソ連の文化をもっと足元から見直さなければいけない。ソビエトの映画が『チャイ
コフスキー』や『アンナ・カレーニナ』で代表されると思ったら大間違いだ。
 話はそれたけれど、日本政府の文化政策なんて無いに等しいといってもいいくらいだ
から、若い人たちもそこのところをよく見つめて対処してもらいたいわけです。
 最後に―――
 「悪魔のように細心に! 天使のように大胆に!」というのは誰の言葉か忘れたけれ
ど、僕の好きな言葉でね。
 これを僕は、仕事をする時のモットーにしている。》
【世界の巨匠】黒澤明 4【最高傑作】 [無断転載禁止]©2ch.net
870 :名無シネマ@上映中[]:2018/02/14(水) 08:31:13.85 ID:1wyTrFxF
2018/02/14
プレミアムシネマ「奇跡の丘」<字幕スーパー>
2/14 (水) 13:00 〜 15:18 (138分)
NHK BSプレミアム(Ch.3)
番組概要
イタリアの鬼才ピエル・パオロ・パゾリーニ監督が、マタイによる福音書をもとに、
キリストの生涯をリアリズムと詩情豊かに描いた、ベネチア映画祭審査員特別賞受賞の傑作。

《白井(佳夫) パゾリーニはお好きですか。
黒澤 好きですよ。だんだん難解になってきたけれどもね。
山田(宏一) どの辺がお好きなんですか。
黒澤 ぼくはやっぱり一番好きなのは『奇跡の丘』〔一九六四年〕かな。その後は、変った
ことをしなければいけない、という風になっちゃった気がするね。どうも、そういう変な風潮が
世界全体にあるね。そうじゃなくて、もっとわかりやすくて、ちゃんとしたことをいえて、いいん
だと思うんだ。あまりにも、みんな異様なことをすることによって自己主張しようとする傾向
が、映画だけじゃなくて一般に、出てきている。これはぼくは本道じゃないと思う。自然に
異様なものが当然生まれてくる場合もありますがね。そうじゃなくて、無理をして、わからな
く、不可解にしているような感じがしますね。》


大系黒澤明第2巻518頁
どですかでん公開時の座談会より
(初出「キネマ旬報』一九七〇年九月下旬号)



もちろん『奇跡の丘』は傑作だが最高傑作は『豚小屋』だ。
荒野、砂漠の描写が『乱』と相通じる。
【世界の巨匠】黒澤明 4【最高傑作】 [無断転載禁止]©2ch.net
882 :名無シネマ@上映中[]:2018/02/14(水) 23:20:38.16 ID:1wyTrFxF
三島由紀夫が黒澤明の思想性を中学生程度といったそうだが
悪口とは思えない
三島由紀夫は彼自身その自分の中学生時代の思想に殉じたからだ
『乱』の顧問弁護士が製作裏話を書いているが、
その乗杉弁護士は三島由紀夫とも面識があったそうだ
https://www.amazon.co.jp/dp/B00ANW5OBA


※このページは、『2ちゃんねる』の書き込みを基に自動生成したものです。オリジナルはリンク先の2ちゃんねるの書き込みです。
※このサイトでオリジナルの書き込みについては対応できません。
※何か問題のある場合はメールをしてください。対応します。