- 【コナン】越水七槻専用スレ【ボクっ娘】
31 :新幹線内[sage]:2009/10/22(木) 12:47:39 ID:XX+tLcvH0 - 白馬が、胸ポケットから手帳を取り出し話し始めた。
「殺されたのは、南九州女子学院の家庭科教師、飯山町子さん。52才」 「え〜!!あの鬼ババとうとう殺されちゃったの!!やっぱりね〜」 ほおばりかけた弁当を下に置いて七気は思わず大声を出した。 「やっぱりって、えらいいいようやな。おまえ被害者を知っとるんか?」 あわてて七槻の口を手で押さえた平次が、周りの見回しながら小声で言った。 「知ってもなにも。私がいたころから、鬼の生活指導で有名だった鬼ババよ。私なんかこの天然茶髪のせいで目をつけられて何度注意されたか! しまいには目障りだから黒く染めろとか無茶苦茶言うし・・彼女にいじめられて学校をやめた生徒は何人もいるのよ。たた厳しいだけじゃなくて神経質で、 異常な潔癖症!人の過ちを容赦しない冷血な女なのよ。生徒だけじゃなく先生達からも嫌われていたけど、理事長の親戚とかで大きな顔してたわ。まあ 彼女が殺されたとしたら容疑者は、全校生徒と教職員全員ね」 赤くなってあわててふさいだ平次の手を唇からひき離しながら七槻も小声で答えた。
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32 :新幹線内[sage]:2009/10/22(木) 12:49:08 ID:XX+tLcvH0 - 「まあ。警察の調べでも評判の良くない女性ではあったようですね」
「うん・・で、どんな状況で殺されたの?」「 「十日前の午後6時頃、南九州女子学院の高等部校舎、3階の被服準備室で胸をナイフで一突きにされて倒れている 所を見回りの守衛が発見しました。検視の結果、死因は出血多量でほぼ即死でした。死亡推定時刻は、午後3時から発見される6時頃まで、 手に被服室に来るようにという印字された呼び出しの紙が握られていました。当日は、開校記念日の前日で式典の準備のため授業は午前中 で終わり、式典の準備も終わり夕方には、生徒も教職員もほとんど下校して、残っていたのは十数人程度だったようですね」 「被服室か・・鬼バ・・飯山先生の城ね、彼女は家庭科の先生だったから。指紋などは?」 「被服室には、ありすぎるくらい指紋が出ました。少なくとも百人以上」 「当たり前じゃない。南九州女子では、家庭科が必修なの。全校生徒の指紋があるはずだわ。呼び出しの紙の方は?」 「こちらは、まったくなし」 「ふうん・・部屋の様子は?」
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33 :新幹線内[sage]:2009/10/22(木) 12:52:20 ID:XX+tLcvH0 - 「部屋には争ったような形跡はなく、被害者は、被服準備室の中央で仰向けに倒れていました」
「犯人は先生の正面に立っていた・・顔見知りの犯行ってことね・・・あ・・そういえば連続殺人っていってたね。二人目は?」 「こちらは、学院の高等部二年生、結城良美さん。16才。事件の翌日登校したクラスメイトが、最初の犯行現場とは別な 校舎の自分の教室で倒れているのを発見しました。死因は絞殺。素手で前から首を締められていました。教室内には机やイスが ひっくり返りかなり抵抗した様子がありました。」 「こちらは知らない子ね・・・死亡推定時刻は?」 「同じ日の午後8時から12時頃」 「飯山先生が殺された夜ね・・・先生の死体が6時に発見されていたのならちょうど警察が来ていたでしょうに気がつかなかったの」 「まさか現場検証の真っ最中に別な部屋で第二の殺人があるなんて誰も思わんやろ」 七槻は、無意識に自分の茶髪を指で引っ張りながら考え込んだ。 「そうね・・もし同じ犯人の仕業だとしたら・・・最初の犯行は、被服室には大型のハサミや、カッターもあるのに、わざわざ事前にナイフを用意して心臓を一突きにしているのに、次の犯行では素手で首を締めて激しく抵抗されている・ 犯人は計画的に飯山先生を殺した後、なにかのアクシデントで突発的に二人目を殺さなければならなくなった・・おそらく最初の犯行を目撃されたから・・・」 「まあ。そう考えるのが妥当やな」
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34 :新幹線内[sage]:2009/10/22(木) 12:59:37 ID:XX+tLcvH0 - 「それでその良美って生徒はどんな子だったの?」
「それがちょっと変わった子でしてね。写真が趣味で、新聞部の写真班の班長として色々スクープを撮っていたようです。 あまりやりすぎて飯山先生からきびしく注意されていたとか」 「へえ・・最初の被害者と接点があるわけね・・やりすぎって?」 「人気のある生徒や先生のプライベートな写真を撮ったり・・尾行や盗撮などストーカーじみた行為をしたり」 「なんやそいつ?女子校なんやろ?女同士で盗撮するんか?」 「女子校にはいるんだよね〜。そういう子・・ボクなんか男っぽかったから大変だった。下級生の時は、更衣室で上級生に言い寄られたり、 上級生になると下級生からラブレターもらったり・・」 「更衣室で・・い・・言い寄る?ラブレター?」 「・服部君・・鼻血がでてるよ」 白馬探が、苦笑してハンカチを差し出した。 「よけいなおせわじゃ!はよう続きを話さんかいアホ!」 「はいはい。で?被害者は何か持っていたの?」 ちらっとかわいい笑顔を平次に見せて七槻は尋ねた。 「犯行現場に被害者の指紋のついたデジタルカメラが落ちていました」 「カメラね・・もちろん・・データは・・」 「メモリーは抜き取られていました。被害者以外の指紋もありませんでした」
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35 :新幹線内[sage]:2009/10/22(木) 13:02:55 ID:XX+tLcvH0 - 「やっぱりね・・つまり、その子は、そのカメラで犯人に都合悪い何かを撮影していた。そしてその場にいた犯人をそっと呼び出したか、
呼び出されて、口をふさぐために殺された・・というわけね。犯行は同じ夜だったのだから、犯人はその時残っていた人たちの中にいる。 最初の犯行と次の犯行は同一犯の仕業ね」 七槻は、白く細い指先に茶髪をからめながらつぶやいた。 「容疑者は、その時校内にいた生徒か教職員ね・・でもやっかいね・・あの鬼ババを殺したいと思ってた人だけならボクも含めて何千人もいると思うよ・ ってボクのお弁当は?」 「あん?なんやいらんのかと思ったで」 唖然とする七槻の前に、モグモグと口を動かしながら平次は、平然とカラの弁当箱をよこした。 「ごっそさん」 「ああ・・夢にまで見た一年ぶりの白いごはんだったのに・・」 七槻は本気で泣きべそをかいた。 「ほら僕のは手つかずですから・・どうもこの日本の駅弁という習慣にはなじめませんね。食事は静かに優雅にするものです」 白馬が、七槻の前に自分の弁当を置いた。 「あ・・ありがとう!白馬君!やっぱり君は紳士だわ!」 「かってにせえ」 感激して白馬の手を握る七槻を横目に平次は窓の方を向いた。
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