- 70代のまったり株式投資
101 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2018/05/17(木) 09:21:29.66 ID:tR7Dgabt - 自社株買いに死角あり―有言不実行なら市場失望(スクランブル)
2018/05/17 日本経済新聞 朝刊 16日の東京株式市場では日経平均株価が続落する中、個別銘柄では自社株買いを発表した企業の株価の堅調さがめだった。今年は通信大 手などの常連組に加え、三井住友フィナンシャルグループなど初めて実施する企業が相次ぎ、市場も素直に買いで反応している。ただ一過性の 取り組みでは株価上昇効果も限定的。その実行性と継続性がカギを握る。 この日は第一生命ホールディングスが一時3%高、T&Dホールディングスも同4%上げた。ともに前日の取引終了後に発表した決算発表と同 時に自社株買いの実施を発表した企業。自社株買いは配当とともに企業が稼いだ利益を株主に還元する施策で、企業が「自社の株価水準が割 安」というメッセージを市場に伝える手段にもなっている。 □ □ 今年は初めて自社株買いに踏み切る企業も相次ぐ。4月から16日までに20社超が発表した。「新顔企業」への市場の評価は総じて高い。例え ば11日に自社株買いを決めた三井不動産は翌日に9%高、14日発表の三井住友FGも同2%上げた。三井住友アセットマネジメントの石山仁氏 は「株主還元に対する意識の高まりを投資家は素直に評価している」と指摘する。 アイ・エヌ情報センターによると、4月から足元までの約1カ月半で企業は約1兆3800億円の自社株の取得枠を設定した。このペースでいけば 、4〜9月の自社株買いの総額は前年同期(2兆2500億円)を超える可能性がある。 だが、取得枠の設定に伴う株高効果そのものは限定的。実際の取得がこの取得枠をすべて消化しないケースがあるからだ。 2015年度に発行済み株式数の2%分の取得枠を発表したオービックは、年度末までに予定額の3分の1強しか買わなかった。16年にはフィ スコが自社株買いを発表したが、1株も買わないまま同年末に取得の終了を発表した。 17年度はオリンパスの取得株数が設定上限の6割にとどまった。取得枠の発表後、株価は1週間で1%上昇。だが取得ペースの鈍さから株 価は下落に転じ、取得期間が終わるまでの2カ月間で1割安となった。自社株買い発表直後に株価が上昇しても、未達企業の株価上昇は長続 きしない。 もちろん事前に設定した株数や金額の枠の上限まで買うことは義務ではない。ただ上限まで買う企業が市場では中心なだけに「有言不実行と なった企業は目立ちやすい」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏)。投資家の失望も大きくなる。 □ □ 継続性も課題だ。野村証券によると、10年以降に初めて自社株買いを発表した296社のうち、2度目の実施率は約4割、3度目だと約2割まで 下がっているという。設備投資やM&A(合併・買収)などの資金需要が出てきて自社株買いをやめた企業もあるが、全体の中ではレアケースだ。 世界的に資金需要が細る中、米国ではアップルやプロクター・アンド・ギャンブルなど自社株買いの実施額を着実に増やしていく企業がめだつ。 日本でも自社株買いを発表した企業がちゃんと実行・継続していくのか――。市場はその決意のほどを見定めようとしている。 【表】自社株買い銘柄への評価は総じて高い 社 名 取得予定株数の比率(%) 株価騰落率(%) 発表〓翌日 発表から16日まで 毎年取得 N T T 1.57 2.5 12.3 KDDI 2.62 3.3 2.4 初めて実施 三菱自動車 0.12 9.4 11.1 三井不動産 0.76 9.2 2.5 三井住友FG 1.40 2.1 2.0 (注)今年発表した主な企業。取得予定株数は枠の上限で、金庫株除く発行済み株式に占める比率
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