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145 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2016/10/15(土) 07:26:45.20 ID:pl3XEKeG - 黒田日銀の二重のメッセージ(大機小機)
2016/10/15 日本経済新聞 朝刊 「量」から「金利」に転換する日銀の新金融政策は、いかにもわかりにくい。緩和の継続か縮小か、基本スタンスがはっきりしない。 「統制」と「自由放任」の間で揺らいでいるようにもみえる。二重のメッセージに、立ち往生する日銀の姿が浮かび上がる。 日銀の新政策は一見、テーパリング(量的緩和の縮小)にみえる。黒田東彦総裁は年80兆円の国債買い増しペースを落とすこと を示唆した。これは量の拡大で物価2%目標を達成する異次元緩和のスタンスから外れる。マイナス金利導入でフラット化した利回 り曲線を立たせるには大規模な国債購入を抑制すればいい。 ところが黒田総裁はテーパリングではないと強調する。たしかに米連邦準備理事会(FRB)のような出口戦略としての「意図した テーパリング」ではない。国債を買いつくしたことによる量的緩和の限界に対応した「意図せざるテーパリング」かもしれない。 緩和縮小でない証拠に、物価が安定的に2%を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続する。しかし、これは金融政策の限 界と思われるのを防ぐ空約束にすぎないようにみえる。 経済思想の面でも矛盾する危険な言葉が錯綜(さくそう)する。コントロール(統制)とオーバーシュート(行き過ぎ)だ。長期金利の コントロールは至難とされ、市場の自由に踏み込んで統制すれば「官製相場」の批判を浴びる。一方で「オーバーシュート型コミット メント」を打ち出した。オーバーシュートはふつう市場の失敗をさす。行き過ぎる市場に冷静に対応すべき日銀が自ら行き過ぎを約束 するのは、ブレーキなしでアクセルを踏みっ放しにするようなものだ。 二重のメッセージによるあいまい戦略はグリーンスパン元FRB議長が得意とした。発言が新聞によって逆の見出しがつくとほくそ えんだという。今の日銀にそんなゆとりはない。日銀内のリフレ派と非リフレ派のバランスに腐心した結果が二重のメッセージに表れ ている。金融政策は明らかに立ち往生している。 それは金融政策が主旋律のアベノミクスが限界にきたことを物語る。第1バイオリンは構造改革による成長戦略、第2バイオリンは 財政改革だろう。金融政策は後ろで静かに通奏低音を奏でればよい。
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