- 徒然なるままにコピペ日記 第1章
146 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2013/11/24(日) 07:16:28.43 ID:W2NHtvFl - 企業収益新たな挑戦(下)動き出す70兆円―成長投資は報われる。
2013/11/24 日本経済新聞 朝刊 「スマートフォン(スマホ)の波は続かない」。コネクター大手、ヒロセ電機の串田栄副会長は危機感 を強めている。2014年3月期の連結営業利益予想は4割増の300億円と業績は好調。だが足元の 稼ぎ頭であるスマホ向け部品に頼りきりでは、成長持続が難しいと判断した。 狙うのは成長が見込めるエコカーやヘルスケアなどの新分野。4年後を見据えた金型投資に乗り出す。 今期の設備投資額は120億円とリーマン・ショック後に最も絞り込んだ時の3倍に増やす。一方リーマ ン後に1割減った手元資金は利益の積み上げで9月末に危機前を超え、1486億円に上る。設備投資 を増やしたとはいえ、手元資金はなお余りある。 市場の目厳しく 3月期上場企業約1700社(金融、電力、新興市場除く)の9月末の手元資金は約70兆円と過去最 高水準に達した。リーマン後の業績悪化のなかで守りの財務を貫いた結果、リーマン前(08年3月期 末)を3割近く上回る。 危機下には「万が一の備え」と正当化された豊富な手元資金だが、景気や業績が回復するなかで企 業は眠らせておくわけにはいかなくなっている。この間、設備投資は12%減らしている。企業は成長 に向け、これから70兆円をどう活用するか真剣に考え始めた。 市場から余剰資金をみる視線も厳しくなっている。野村証券の松浦寿雄ストラテジストは「増えた利益 で手元資金が膨らみ、自己資本利益率(ROE)は上がりにくくなっている」と指摘する。 純利益を自己資本で割ったROEは株主から託されたお金でどれだけ利益を生み出したかを示す。自 己資本が膨らむと、それ以上のペースで利益を伸ばさないとROEは低下してしまう。今期は8%台(東 証1部の3月期決算企業)とリーマン前を1ポイント下回る。2桁が当たり前の海外企業に及ばない。 このことが特に海外投資家から日本企業の収益性がまだ低いと指摘される一因ともなっている。 市場が求める資金の効率活用にも努めようと、ROEを意識した戦略を進める企業も出てきた。 ローソンの新浪剛史・最高経営責任者(CEO)は10月上旬の戦略説明会で「健康産業はブルーオ ーシャン(未開拓な有望市場)だ」と語り、同分野への進出を明らかにした。ROEをいまより5ポイント 高い20%に引き上げる計画だが、過当競争の従来型コンビニでは高い成長は難しい。健康配慮型の 店舗を5年後をめどに3000店まで広げるなどして、中期的に営業利益を今より4割多い1000億円に 伸ばす。 M&A実を結ぶ ソフトバンクは、大型M&A(合併・買収)を通じ、多くの企業に先駆けて高い成長軌道に乗りつつある。 「ついにNTTドコモを抜いた」。10月31日の決算会見でソフトバンクの孫正義社長は感慨深げに語った。 4〜9月期の営業利益は7150億円とドコモ(4731億円)を上回った。時価総額は22日に一時10兆 円を超え、日本株ではトヨタ自動車(約22兆円)に次ぐ2位の座を占める。 英ボーダフォン日本法人や米スプリントへの総額4兆円近くの買収に代表されるM&A戦略が実を結ん だ。自己資本だけでなく借り入れも含めて仕掛けてきた成長投資の結果、ソフトバンクのROEは23% を超える。 成長投資は報われる。手元資金を遊ばせずに効率の高い成長モデルを追求することで、日本企業は 名実共にリーマン前より強くなるはずだ。
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