- 今から50年以上前の日常
21 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2011/06/18(土) 22:25:12.60 ID:wld6otO1 - 昭和十七年の冬、石巻駅の屋根のすぐ上空に二人乗りのオートジャイロが轟音とともに出現、オープンコクピットのゴーグルを着けた水兵がリボンの付いた通信筒を広場へ落とした。
痩身の駅長がが走り出て通信筒を拾い上げた。休日に街に出た水兵を緊急に呼び戻すために松島の海軍基地から飛来したらしかった。どこか外地で日本軍がやられたのではないかと、人々は訝った。 昭和十九年の冬、一機の B29 が富士山上空で高射砲の直撃を受けて撃墜された。機体は三つに分解し、真っ赤の炎と黒煙を点々と交互に吐きながら数分かかってフジ山麓へ落下した。 つけていたラジオのブザーが鳴って『情報を申し上げます。ただいま富士山上空で敵 B 29 一機撃墜」と告げた。 昭和二十年八月十七日太平洋に面した海軍基地から一機の戦闘機が離陸した。敗戦の翌々日であった。戦闘機は300mぐらいの高度で何度も何度も基地を周回し、五、六回ぐらい回って突然左に横転し、きりもみに入って自爆した。
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