- 50代から始める介護
46 :35[sage]:2013/10/28(月) 01:51:14.32 ID:IFEtq0iS - 関係ないけど、中野翠の著作から無断で引用。
『終の信託』を見ながら、何度か母のことを思わずにはいられなかった。 母は死の三年前、もう口から食べものや飲みものを呑み込む力がなくなり、医師から「胃ロウにしかすか? どうするか家族で話し合ってください」と言われた。 生前、母からは何のリヴィング・ウィルも聞かされてなかったし、胃ロウというものの実態も知らなかったので、兄一家、妹一家と少し話し合っただけで「しかたない、胃ロウを受け入れよう」ということになった。 生きていてくれるだけでいい、それだけでもありがたい、という気持ちだったのだ。 妹はプロ並みに丁寧に介護してくれた。 けれど、いざ胃ロウの実態を目の当たりにして、はたして私たちの判断は正しかったのだろうかと、私には大きな迷いが出て来てしまった。 どんな形でも生きてくれさえすれば……と私たちは思ったのだけれど、母自身はどうだったのだろう。 話すこともできなくなっていたので、確かめようもなかった。 無益に延命させてしまったのではないかと、今でも胸が痛む。 もし、胃ロウを拒否しても、やっぱり別の悔いが残ったかもしれないのだけれど。
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