トップページ > 50代以上 > 2011年10月20日 > 1RAOuqu2

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名無しさん@お腹いっぱい。
和田アキ子島田紳助石橋貴明品川祐

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和田アキ子島田紳助石橋貴明品川祐
19 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/10/20(木) 20:36:21.34 ID:1RAOuqu2
自室にこもる孤独な努力

一度、パニックに陥ったコウ君に接したことがある。
自宅を訪ね、コウ君が大嫌いだというお笑い芸人に話題が及んだ時のことだ。なぜ嫌いな
の?軽い気持ちで尋ねた。コウ君は何度か言いよどんだ後、「言いたくない。うざい!」。
私に背を向け、フゥー、フゥー、と肩を大きく上下させた。両足が激しく震えている。
母親によると、その芸人が女装してふざけた歌を歌うのが、まじめなコウ君には許せない
らしい。朝からセミがうるさくてイライラも募っていた。何度も彼と会い、特性の一端を
知れば「そうか」と思う。それでも、突然の変容ぶりには戸惑った。
コウ君はスッと部屋を出て、10分ほどで落ち着きを取り戻して戻ってきた。真っ暗に消灯
した自室にこもっていたという。
「そうすれば落ち着くって、自分で考えた」という。怒ったら周りに迷惑がかかると思う
のだろうか。「そう思わなアカンやろ。ひたすら耐えてると周りが余計にうるさく感じる
から、一人の部屋がいいんや」。誰にも理解されない苦しみを制御しようと積み重ねた孤
独な努力を思い、せつない気持ちになる。
5月はじめ、中学校で最初のパニックを起こした。
男子が授業中に雑談していた。貧乏揺すりをし、息を荒くして耐えた。だが男子はコウ君
の貧乏揺すりと息づかいをまねてからかった。気持ちに余裕があれば無視もできた。だが
新学期以来のストレスで、堪忍袋はぱんぱんに膨れあがっていた。机をバーンとひっくり
返した。
コウ君はしばらく学校を休んだ。ようやく支援学級に復帰した5月末、再び「事件」。笑
顔を見せたコウ君に、先生が「かわいい」と声をかけた。「オカマかオレは!」。コウ君
の中では「かわいい」イコール「女」。混乱してしまったのだ。
母親が外出先から帰宅すると、コウ君は部屋の隅でうずくまっていた。「僕は我慢もでけ
へん。褒め言葉でも怒ってしまう。生きていてもしゃーないんや」。ゴミ箱の中には、脱
いだ制服が捨てられていた。
翌日から不登校が始まった。


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