- 怖い話(心霊・事故・不思議な話)
434 :名無しの与一[]:2014/07/11(金) 15:45:24.24 ID:rN3hu56V - 誰もいなさそうだけど、思い出したので書いてもいいかな。
上手く伝えられなかったら(m´・ω・`)m ゴメン… そして長い上に、皆さんには怖くないかも。
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435 :名無しの与一[]:2014/07/11(金) 15:55:04.10 ID:rN3hu56V - 中学生の頃、部活で近くの中学校へ練習試合に行った。
中学生の時なんてもっぱら自転車で移動が大半で、電車に乗って知らない土地(と言っても電車で数駅とかの範囲だけど)に行くのはやっぱりワクワクしてた。 だから電車をいくつか乗り換えて、地元から十数駅もはなれた他校に行くのはちょっとしたピクニックの気分にもなった。 私は昔からどこかさめた所があって、ワクワクしてはしゃぐ友人を見ながら「女の子って他愛もない話でよくこんだけ盛り上がれるなぁ」と思ってた。 部活は女子しかいなかったから、余計そう思ったのかも。 練習試合に行ったのは土日だったと思う。 田舎だったし、目的地は各駅しかとまらないような場所だったから電車はがら空きだった。 30〜40人で移動してたんだけど、皆が座っても席が空いてるくらい。 私も席に座って、横でキャアキャア話してる友人の話を半分くらい聞きながら、通り過ぎて行く景色をぼ〜っと見てた。 各駅の電車だったから毎回駅で停車しては、ドアが開いて数人乗ってきて、またドアが閉まって発車する。 それの繰り返し。 顧問の先生がついてきてくれてるし、降りる駅になったら教えてくれるだろうから、後何駅とか確認する必要がない。 ぼけ〜っとしながら横に座る友人の方に顔を向けて、「あの芸能人がかっこいい」だの「◯◯君に彼女がいるらしい」だのの女の子の話を黙って聞いてた。
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436 :名無しの与一[]:2014/07/11(金) 15:55:57.00 ID:rN3hu56V - とある駅で女の人が乗ってきた。
私は扉入ってすぐ右手前の6〜7人が座れる席の一番左に座ってた。 私の右横には友人数人と、向かいの席にも友人が数人座っていて向かい合って話していた。 人が多かったら迷惑だけど、私達以外にその車両にはほとんど人が乗っていなかったからまぁいいかな、という感じ。 女の人が乗ってきたのを視界の左側で見ていて、その女性は席が少し空いているのにも関わらず、座らずに入ってすぐの扉の前に立った。 「私達がうるさいから座らずにああやって立ってるんじゃないかなぁ」と思った私は、大声で話す友人を見てため息をついた。 「静かにしなよ」って言った気がするけど、すぐにまたうるさくなった。 位置関係ちゃんと伝わってるかな? 図にするとこんな感じ。 分かるかな??? 扉 ―――――=====――――― 椅子 |●←女性 | 椅子 ―――― ――――― 通 路 ―――― ――――― 椅子 | |◯←私 ―――――=====――――― 扉 また数駅して今度はまぁまぁの人数が乗り込んできた。 空いてる席には人がしっかり座って、空きが無くなったので数人がつり革につかまったくらい。 人がたくさんになっても相変わらずハイテンションで話し続ける友達に少しうんざりしていた時、閉まりそうな扉から男性がひょいと乗ってきた。 私は右側の友人達に顔を向けたままだから、また視界の左側にちらっと見えただけなんだけど。 ただそれだけだったんだけど、違和感を感じた。
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437 :名無しの与一[]:2014/07/11(金) 15:57:15.06 ID:rN3hu56V - 男性は座れなかったから立って携帯をいじっていたんだけど、その立った場所に違和感があった。
視線は友人のままで、視界の左側に集中した。 男性は相変わらず携帯をいじっているんだけど、立ってる場所が乗り込んだ扉の反対の扉前なのね。 さっき女性が立っていた所と同じ。 女性が移動した気配はなくて、知り合いだから電車内で合流したんだろうとも思ったけど位置が近すぎる。 なんだか怖くなって、身体の下側から炭酸の泡が登っていくようなゾワゾワした感じがした。 「きっと思い違いだよ」と言い聞かせてゆっくり振り返ってみたのね、男性の方へ。 そしたら男性は扉の角に立って音楽を聞きながら携帯をいじってた。 女性の姿はなかった。 「なんだ、女の人はとっくに移動したか降りてったんだな」と肩をなでおろした時、女性を見つけた。 男性は170〜180くらいだったと思うんだけど、男性の胸の辺りから女性の顔だがひょっこり出てるの。 男女が密着してる、とかじゃなくて重なって立ってるんだよね。 男性は女性になんて気づいていないみたいで、ずっと携帯をいじってた。 女性の方は男性に重なったままで、身体を扉にあずけるような感じで寄っかかって、顔を扉につけて外を眺めてた。 何度瞬きしても重なったその状態は変わらなくて、その二人が知り合いでもなんでもなくて、男性には見えてないんだろうなって分かったら鳥肌が立った。 友人達は「好きな男の子の名前言いっこしようよ!」とはしゃいでいたけど、私はそれどころじゃなかった。 どうして誰も気づいていないの。 男性には本当に見えないの? 私は夢を見てるんじゃないか。 何度も何度も考えたけど、やっぱり夢だって要素が見つからなかった。 (私は昔からよく夢を見るけど、自分が夢を見てるって自覚が出来る方。現実だと錯覚するくらい現実味がある夢を見る時もあるけど、たいていはちゃんと自覚していられると思う。)
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438 :名無しの与一[]:2014/07/11(金) 15:58:06.73 ID:rN3hu56V - 男性は何度か立ち位置を少し変えて、それでもずっと携帯をいじってた。
知り合いなら女性に少しは話しかけるだろうし、男性が立ち位置を変えたことで女性の足や腕とかが見えたりしたから(重ならない部分が男性から出てる感じ)人間じゃないのは分かった。 女性は身動ぎもしなくて、ずっと窓の外を見つめてた。 少し寂しそうな顔だったのがすごく印象的だった。 「ねぇねぇ◯◯(私)は◯◯君が好きなんだよね?」って友人に急に話しかけられて我に返った。 ずっと黙っていた私を話の輪に入れようとしてくれたみたい。 (仲が悪いわけじゃないんだよ。私はいつも聞く側にいるからこれが普通なんだけど。) 「あ、う、うん…。そう、私が好きなのは◯◯君だよ」 私は好きな人には好きとはっきり言う方で、本人はもちろん担任の先生や校長先生が知っているくらい話が広まってた。 だから部活の皆にももちろん知れ渡ってて、「◯◯君のどこが好きなのか」「いつ好きだって気づいたのか」を聞かせてと言われた。 いつもなら隠さず話すんだけど、今はそれどころじゃなくて夏の暑い日なのに鳥肌は立っているし、視界にうっすらまだ女性の姿が見えているから話すどころじゃなかった。 中々話を始めない私を友人達がじっと見ていて「◯◯(私)、体調悪いの?」と一番中のいい子が声をかけてくれた。 「そう…、なのかな。今日暑いしね。昨日遅くまでゲームやってたからかな」と返すと、「◯◯(私)は暑いの苦手だもんね。今日はあまり無理しない方がいいよ」と言って話を別の話題で始めてくれた。 心のなかで「ありがとう」とお礼を言いつつ、視界の端ばかりに集中してしまう。 見間違いだと確信したくて、もう一度振り返った時。 振り返ってる途中だったはずなんだけど、人間ってちゃんと見えてるのかね。 完全に視界を向ける前に、床に視線を強引に向けたんだ。 女性がこっちを見てるのに気がついたから。 本当は顔ごと下を向きたかったんだけど、そうしたら余計体調悪いって思われそうだし、心配した友達が顧問の先生を呼ぶかもしれない。 大人が近くにいてくれた方が心強いのかもしれないけど、今は誰にも気づかれないようにそっとしておいた方がいいって思ったんだ。 両手をぎゅっと握って、目線は通路に固定したままで目的地に着く事ばかりを願ってた。 目的地まであと5〜6くらいだったのかな、駅は。 各駅しか無いことにすごく苛立った。
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439 :名無しの与一[]:2014/07/11(金) 15:58:47.75 ID:rN3hu56V - 本数の少ない休日の電車は、各駅電車なだけあってゆっくり走っていて、そばでは友人がはしゃいでいて、他の人は本を読んだり居眠りしながらソレに誰も気づいてないようだった。
見えていることがバレたから彼女は私を見てるんだろうか。 いや、正直私を見てるかはっきり分かってない。 でも絶対に見てると分かるくらい、視界の端からは視線を感じていて10代の私には為す術がなかった。 目的地の数個前の駅に近づいた時、立っていた男性が私の横へ歩いてきた。 乗っていた電車はずっと私側の扉が開閉していて、どうやら次の駅で男性は降りるようだ。 足元の通路を見つめていた私は、視界の左側に男性のズボンを確認していた。 今思えば目を閉じちゃえばよかったのにね、「眠くなった」とか嘘ついて。 でも瞬きしたらいけないような気がして、ずっと必死で床を見てたんだ。 そしたらすーっと男性の横にソレらしき女性の足が移動したの。 ちゃんと足もあって、ヒールを履いてて、透けてるわけでも何でも無いんだよ。 でもさっきまで見えていた服装と一緒なのは分かったから、男性の横に立った女性がソレなのは確信できた。 電車が速度を落としてホームに向かい扉が開くまでは、俯いた頭の上でどんな恐ろしい顔が私を見つめてるんだろうと気が気じゃなかった。 「あと数駅で降りますよー」という先生の声に、皆が降りる準備をしていたと思う。 電車が止まって背後の扉が開き、男性は降りていった。 女性の足は見えなくなっていて、一緒に降りたんだとホッとした。 「もうすぐ◯◯中学校に着くって!」と友人が声をかけてくれたので、安心して顔を上げた。 ホッとして恐怖心が薄れたのか、私は出発する電車の中からホームを振り返った。 男性は誰かに電話をしていて、速度を上げた電車から遠ざかっていく。 女性は男性の横にぴったりと寄り添って、少し微笑みながら私を見つめてました。 寄り添って……無かったのか。 半身が男性に重なっていたから。 電車の中で経験したのはそれくらいでした。
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