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この名無しがすごい!
安価・お題で短編小説を書こう!8

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安価・お題で短編小説を書こう!8
4 :この名無しがすごい![]:2020/03/30(月) 11:36:26.70 ID:ITGnekmf
>>1
乙です!
これからも楽しく小説を書きまくっていきたいです!
安価・お題で短編小説を書こう!8
5 :この名無しがすごい![]:2020/03/30(月) 13:50:31.86 ID:ITGnekmf
それでは早速

>>2
使用するお題→『トライアル』『クリスタル』『午前零時』

【洞窟の中の冒険】(1/3)

今日も女ガンマン・シンディは愛馬のサンセットに跨って、自由気ままにさすらいの旅を続けていた。
緑の木々に囲まれた山道を歩いていると、目の前に大きな洞窟が見えてきた。

「どうやらこの洞窟を抜けないと、次の町には行けないみたいね」

少し不安ではあったが、他に遠回りしていく手段を思いつかなかったため、その洞窟の中を通っていくことに決めた。

「サンセット、なるべくゆっくり行くわよ」

サンセットはシンディの言う通りに無闇に走ったりせずに、ランプの灯りを頼りに慎重にゆっくりと進む。
洞窟の中であるため、音を立てて走ったりしてその衝撃で落盤を起こして生き埋めになったりしたらお終いだ。
洞窟に入って10キロほど歩いただろうか。一旦止まって休憩することにした。

「この洞窟、それにしても長いわね。ちゃんと出られるといいんだけど…」

食糧の入った袋からビーフジャーキーを一枚取り出して齧る。
やけに心配しているシンディの姿を見て落ち着かせようとしているのか、サンセットは彼女の顔を優しくペロッと舐める。

「ありがとうサンセット、大丈夫よ」

少しお腹が膨れると、再び歩き始める。洞窟の中というのは冒険心をくすぐられる。
しかし、シンディは父のバイロンを落石事故で失ったことが、今でも忘れられないトラウマとなっている。
いざ落盤でも起こったら逃げ場などどこにも無い。その岩石で覆われ、閉鎖された空間に恐怖心を抱いてしまったようだ。

「(何を恐れてるのよ、私のバカ!洞窟なんて怖くない、怖くない!)」

必死に自分に言い聞かせて落ち着こうとする。しばらく歩いていると、青く綺麗な光が微かに見えてくる。

「もしかして出口?サンセット、こうなったら一気に突っ切るわよ!」

その光のする方に向かって走る…しかし、残念ながらそこは出口ではなかった。

「そ、そんなあ。って、あれ?」

よく辺りを見回すと、そこは青く美しく輝くクリスタルに包まれた空間だった。
その綺麗なクリスタルにシンディはつい心を奪われてしまう。

「すっごく綺麗ね、こんな場所があったなんて信じられない…」

サンセットから降りると、クリスタルに手を触れる。

「こんなにいっぱいあるんだから、ちょっとくらい削って持ち帰ってもいいよね?あ、それに高く売れるかも!」

一瞬、お金のことに目が眩んでしまうシンディ。彼女の金へのがめつさにサンセットは呆れてしまう。

「おい、ここだ!クリスタルルームはここだぞ!」

突然、後ろの方から男らの声が響いてきた。
安価・お題で短編小説を書こう!8
6 :この名無しがすごい![]:2020/03/30(月) 13:51:19.76 ID:ITGnekmf
【洞窟の中の冒険】(2/3)

「おお、これが伝説と言われる神秘のクリスタルルームか!」

華奢で痩せ細った長身の男と小柄で小太りな男の2人組が現れた。

「やったぞ、これでガッポガッポ儲けられるぞ。億万長者間違いなしだ!」

急いでクリスタルの陰に身を潜めるシンディとサンセット。シンディはその2人組に見覚えがあるようで、すぐに手配書リストを確認する。

「(あいつら、ジェフとダレルね…)」

ジェフとダレル、彼らは銀行や罪の無い一般市民を無差別に襲撃して奪った金品で金儲けをしている強盗コンビだった。

「(飛んで火に入る夏の虫とはこのことね。捕まえて金にする絶好のチャンスだわ)」

背後から気付かれないよう接近していくその時、うっかり手を滑らせて持っている銃を落としてしまった。その銃の落ちた音で、ジェフとダレルはシンディの存在に気付く。

「し、しまった!」
「あっ、こいつ確かシンディだぜダレル!無法者狩りの賞金稼ぎ、まさに俺達の敵だ!」
「そうだなジェフ!こうなったら仕方がないから殺してしまおう!」

ヤバい!シンディは急いで落とした銃を拾おうとするが、ジェフがそうはさせまい!と素早い動きで彼女の腹を勢いよく蹴り上げる。

「グヘッ!!」

怯んだシンディの頭を後ろからダレルが乱暴に踏みつける。

「大人しくしろ!生意気な女ガンマンめ」

ジェフとダレルはある物と一緒にロープでシンディの体を強く縛って、身動きが取れないようにした。
それはなんと小型の時限爆弾だった。

「これは超高性能の時限爆弾だ。爆発時間は午前0時に設定してある」
「爆発してグチャグチャになった女ガンマンとか想像しただけで笑えるぜ!」
「(サ、サンセット、あなただけでもいいから早く逃げて…!)」

シンディは陰で隠れているサンセットに向かって、彼らに気付かれないように首を振って合図する。
サンセットまでもが存在を気付かれたら終わりだ。シンディの合図を察し、サンセットはそこからゆっくりと去る。
シンディが動けないのをいいことに、ジェフとダレルは彼女の髪を引っ張ったり、飲んでいた酒を顔に吹きかけたりして楽しんだ。
その後、周りにあるクリスタルを全てドリルで削り取り、時限爆弾と共にロープで縛られたシンディを置き去りにする。

「じゃあな、無様で哀れな女ガンマン!アッハッハ!」

時限爆弾がピッピッピッと音を立て始める。もうタイムリミットの午前0時まであと数分だ。
そして午前0時に到達、もう一巻の終わりで死を覚悟したシンディだったが一向に爆発する気配がない。

「あれ?」

すると、シンディはあることに気付いた。それと同時に逃げたはずのサンセットが突如現れ、ロープを噛みちぎって彼女を解放する。
ジェフとダレルも爆発音が聞こえてこないので不思議に思った。

「おい爆発音がしないぞ、どうなってるんだ!」
「おかしいな」

すると一つの銃弾がジェフの腕を貫通した。

「痛っ!な、何だ!」
安価・お題で短編小説を書こう!8
7 :この名無しがすごい![]:2020/03/30(月) 13:53:17.05 ID:ITGnekmf
【洞窟の中の冒険】(3/3)

「ま、まさか!」

後ろを振り返ると、そこにはサンセットに跨ったシンディの姿があった。

「い、一体なぜ爆発しないんだ!」
「マヌケな強盗さん、こんなのが付いていたわよ」

シンディはその時限爆弾を投げてダレルに渡す。
ビックリして受け取ってみると、そこには白い紙が付いてあり、「試作品のため失敗する場合も有り。ご了承を」と小さな文字で書かれていた。

「ふ、ふざけんな!あの店主、俺達を騙しやがったな!」
「騙されたあんた達がバカなだけでしょ?」

そう言うと、シンディは容赦なくダレルの胸に目がけて銃を放つ。ダレルが倒れるや否や、保安官とその部下らしき男達数人が現れた。

「やっと見つけたぞ!散々迷惑をかけやがって!」

実はサンセットはあの場から逃げ出した時、なんとか出口を見つけて洞窟を飛び出し、近くの町の保安官に救助を求めたのだ。
ジェフとダレルはお縄となり、同時に削って奪ったクリスタルも回収された。

「クリスタルルームのクリスタルは天然記念物。お前ら禁固30年だ、覚悟するんだな」

保安官曰く、クリスタルルームのクリスタルを奪うなどの犯行を働いた者には、禁固10〜30年の処罰を下しているとのことだ。
それを聞いたシンディは、クリスタルを少し削って持ち帰ろうと考えた時のことを思い出す。
もし魔が差してでもやっていたら…と想像すると、冷や汗をタラタラと流すのだった。

「あなた達のおかげで、こいつらを逮捕することができた。感謝する」

とりあえず懸賞金をゲットでき、シンディは満足するのだった。

「サンセット、本当にどうもありがとうね」

シンディに頭を優しく撫でられ、サンセットは嬉しそうに好物のリンゴを頬張る。
そんな愛馬の姿に心が癒されるシンディなのであった。


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