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912 :相模の国の人[]:2016/06/27(月) 08:23:14.83 ID:TOGPRRZt - >>911
ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oEさん 重複が多いですね。表現も手直ししてみます。有難うございます。 資料を調べている上で、Verbandplatzという訳語を野戦救護所と訳しました、 持っている独和辞典は包帯所としか訳していないので、いい適語がありますでしょうか? 前線救護所、野戦応急処置所いろいろ浮かんだのですが、野戦救護所などなど 涙もろい前線指揮官。これは思わず、東条英機とその時代という本を読んでいて、 東條がいかに、部下思いで、涙もろく、家庭が困っているという兵士の話を聞くと泣きながら、 俸給の一部を渡すという人情軍人が思い浮かびました。 実戦経験豊富、辛い状況を体験しているとなると、仰せの如く、精神的にタフであるという主人公 の状況描写が必要ですね。有難うございます。
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914 :相模の国の人[]:2016/06/27(月) 08:30:34.69 ID:TOGPRRZt - Begleitzettelを症状、病状が記された赤い線が二本入った短冊状のカードを首から掛けられ寝かされていた。
と名詞を使用せず、説明した文章で書きました。これも独和辞典、米独兵語辞典にも載っていないので、 トリアージカード、負傷別認識票、これも悩むところです。
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915 :相模の国の人[]:2016/06/27(月) 13:12:50.05 ID:TOGPRRZt - 「承知しました。少なくても二十四時間は喰い止めてみせます」少し笑みを浮かべながら、
クルトは自信に満ちた表情を見せて軍靴をカチッと打ち鳴らし、敬礼をした。 「頼むぞ」一言告げると、ピシッとした敬礼で見送った。 先程までの悲嘆に満ちた表情ではなく、現実を受け入れ生粋の職業軍人として 最善を尽くそうと意欲に満ちた気迫が伝わってくるものであった。 クルトは踵を返し、師団司令部を後にした。そして迷いのない澄んだレーヴェ大佐の目はクルトの姿を見送っていた。 クルトは師団司令部と塹壕の中間点にある野戦救護所に立ち寄った。負傷した連隊の将兵とハルツ伍長を見舞うためであった。 広大な草原の上に設営された野戦救護所は救護所というにはあまりに粗末で、野戦用の応急ベッドも足りず、 近くの農家から調達した藁に負傷者が幾十もの仮設テントの中で何百も寝かされていた。篤志の婦人看護婦達が制服を血で汚しながら、懸命に負傷兵の治療や応急手術の助手を務めていた。 麻酔も足りず、医薬品も不足する中、野外で血で汚れた白衣を着た数人の軍医がメス、手足を切断する鋸を手に応急手術を行っていた。阿鼻叫喚の光景であった。 手足を切り落とされる負傷兵の泣き叫ぶ声が最前線で鳴り響く砲撃、銃声が重なり地獄の合唱を聞いているようであった。 自分の連隊の負傷兵をひとりひとり見舞った。軽傷で意識もハッキリしていて短期間で戦線復帰可能な者もいれば、片腕を失った者、 瀕死の者に対しても駆け足ではあるが声を掛けて励ました。上官と部下との歴然たる関係ではあるが、同じ釜の飯を食べ、戦う家族のようなものである。 野戦ベッド、藁の上に寝かされた負傷兵は首から、症状、病状が記された赤い線が二本入った短冊状の負傷者別認識票を首から掛けられ寝かされていた。 クルトは広い野戦救護所を彷徨い歩きながらハルツ伍長を探していた。 右手を振りながら「ハルツ伍長いるか!」大声で叫んだ。
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916 :相模の国の人[]:2016/06/27(月) 13:14:08.89 ID:TOGPRRZt - 幾十のテントを見て歩き数百人はいる中、藁の上で寝かされていた身体を半身起き上がって左手を振る兵隊が見えた。ハルツ伍長だ。上半身の軍服は脱がされ、裸で
右腕は包帯を巻かれていた。 テントの中は多くの収容人数で温度は高く、汗と血の臭い、薬品の鼻をつく匂いが混じり合っていた。 寝かされた兵隊達の中には痛みに耐えきれず呻き声を上げ、ある者は死んだように眠っている者もいて千差万別であった。 クルトはハルツ伍長の寝ている傍でしゃがみ込んだ。 ハルツ伍長は起き上がろうとし被っていた軍用毛布がずれてしまった。 「ハルツ伍長。無理をするな寝たままでいい」そう言うとずれた毛布を掛けてやった。 「少佐殿。こんな兵卒を見舞ってもらって嬉しいです」感極まり、声が擦れた。 そして、両手でハルツ伍長の左手を握った。
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917 :相模の国の人[]:2016/06/27(月) 13:14:29.08 ID:TOGPRRZt - 「子供が生まれたばかりじゃないか。頑張れ!」クルトにも子供がいるので同じ父親としての心情を思うと、感極まった。そして涙声で伍長を力付けた。
「大丈夫ですよ。貫通銃創で後遺症もないだろうって軍医も言っていたので、取りあえずはベルリンに後送されて入院らしいです」 クルトを気遣って痛みに耐えながら、ハルツ伍長は気丈に振る舞う。 「少佐殿、これ見てもらえますか。生まれたばかりの子供の写真です」 ズボンの右ポケットから皺が入った薄茶色の軍隊手帳(Soldbuch)を取り出し、その中に挟んであった伍長の奥さんに抱かれた赤ん坊の写真をクルトに見せた。 「可愛らしいじゃないか。目元は伍長そっくりだ」まるで自分の子供を見るように目を細めた。 「そうでしょう?名前はエリカと名付けました」少しはにかんでいた。 「Auf der Heide bluht ein kleines Blumelein(アーウフ デア ハイデ ブリュート アイン クライネス ブリューメライン)野に咲く一輪の小さな花」突然軍歌エリカの一節を歌いだした。 「Und das heist, Erika.(ウント ダス ハイスト エーリカ)その名はエリカ」伍長が続けて歌った。 しかしクルトは突然笑い出した。
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918 :相模の国の人[]:2016/06/27(月) 13:15:04.54 ID:TOGPRRZt - 「どうしたのですか?」
「お目出度い話を聞いているのに、こんな戦局だ喜んでいいのか、悲しんでいいのか、思わず心が混乱してしまって笑ってしまった」クルトは最悪の悲劇は最高の喜劇であるという言葉をクルトは思い出し、今の軍の状況を思うと笑わずには思えなかった。 「すみません。お国が危機に瀕しているのに自分の子供の話などしてしまって」少し目を伏せた。 「いや、子供は国の宝だ。将来のドイツを支える立派な女性に育てないとな そのために我々も頑張ろう」 「子供ができると責任感が出てくるんですかね。この子のためにドイツを守ろうって気になるんですよ」 「バルト三国の末路を見れば分かるように、ボルシェビキの影響下になれば国民生活は惨憺たるものになる。 戦い続けることに意味はある 子供や家族を守るための戦いでもあるんだ」 「一人でも多く斃さないと 一足早くベルリンに行って待っていますよ」
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919 :相模の国の人[]:2016/06/27(月) 13:15:53.69 ID:TOGPRRZt - 「ベルリンか。ここの防衛線が突破されたらベルリン市街で最後の決戦だろう、それまでには傷を治しておいてくれよ」
クルトは将校用図納鞄から携帯口糧の箱を取り出し、ハルツ伍長の傍らに置いた。 「物資不足でロクなものを渡せなく申し訳ない。ささやかな贈り物だ」 「みんなが歯を食いしばって戦っているのにこんな姿で申し訳ない。少佐殿、みんなに宜しくお伝え下さい」 「無理をするなよ。伍長のようなロシア語の分かるベテランはまだまだ必要だ、今は傷を治すことに専念してほしい ベルリンで会おう!」 と言うと両手で握った左手を大きく上下に揺さぶって、離した。 「分かりました。ロシア文学を勉強していた私の能力が生かせると思うと嬉しいですね 罪と罰の検事ポルフィーリの様に捕らえたイワンどもから、 貴重な情報を聞き出しますよ」 ハルツは痛みを堪えながら笑みを浮かべて言った。 「伍長はまるで老練な検事のようだからな。飴と鞭を上手く使い分けて相手から情報を引き出す 大学院生ではなく、本物の検事かと思ったぞ」 「いえいえ、そんなことはないですよ。少佐殿は哲学、文学の博士号も持っておられる、私も文学博士ですから、戦争を離れたらコンデトライ(喫茶店とお菓子屋を一緒にした店)でコーヒーを飲みながら文学論を語り合いたいですな」 「自分も戦争が終わって、軍務を終えたら伍長と文学の話をしたいものだ。」 「少佐殿、そろそろ、前線に戻ってください。」 「分かった。では」と敬礼をすると後ろ髪をひかれながら、駆け足で前線へと戻っていった。
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921 :相模の国の人[]:2016/06/27(月) 18:15:22.47 ID:TOGPRRZt - >>920
こんな感じです。従軍看護婦。 https://www.youtube.com/watch?v=sF378sLkfW0
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924 :相模の国の人[]:2016/06/27(月) 18:35:45.13 ID:TOGPRRZt - 婦人看護師という呼称は最近ではないでしょうか?間違いならスミマセン。
当時は戦前ですから婦人看護婦でいいのかなと思うのですが、いかがでしょうか?
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926 :相模の国の人[]:2016/06/27(月) 18:49:07.02 ID:TOGPRRZt - >>925
そうですね、ただ単に看護婦もしくは従軍看護婦ですよね。指摘有難うございます。
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928 :相模の国の人[]:2016/06/27(月) 19:14:49.82 ID:TOGPRRZt - >>927
ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oEさん 有難うございます。婦人看護婦(従軍看護婦)に関しては資料が少ないので、適語が見つからないので 今回「日本看護協会機関誌」を調べていただいて感謝申し上げます。 史実に即しすぎると型に嵌って、物語をつまらなくするという指摘を受け、思い出したことがあります。 石坂浩二が水戸黄門をやった際に、史実に忠実にしすぎたために、視聴率を取れなかったという事があったので 成る程と思いました。 戦国時代の小説で家康と諱で呼ぶことはなく、御屋形様、官位の内大臣から内府様と呼称するのが常識ですが、 やはり小説を読むのは現代人なので家康って使っても差し支えないのかなと思ったりも最近はしています。
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930 :相模の国の人[]:2016/06/27(月) 19:21:42.82 ID:TOGPRRZt - >>929
いえいえ、とんでもないです。疑問点などあれば指摘してください。有難いです。これからも宜しくお願いします。
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942 :相模の国の人[]:2016/06/27(月) 23:59:28.24 ID:TOGPRRZt - >>940
seinと sollen Vernunftと Verstandという単語がふと頭をよぎりました。 ドイツ観念論 哲学科出身の方ですか?
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