- 「このライトノベルがすごくない」
20 :この名無しがすごい![sage]:2011/12/14(水) 16:47:18.89 ID:BU0n+YpH - 面白そうなスレなのになぜ誰も書きこまないんだ。
仕方ないから一般からラノベに逃げてきた私が、 第一号としてテンプレを書いこうじゃあないか。 2011の作品じゃないし、連投になるけど許せよ。
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- 「このライトノベルがすごくない」
21 :この名無しがすごい![sage]:2011/12/14(水) 16:50:17.17 ID:BU0n+YpH - ライトノベルというものを読んでみたい。ふとそう思い書店に足を運ぶ。
しかし実際にライトノベルのコーナーを前にするとむぅと唸ってしまう。 ライトノベル業界はすでに数え切れぬほどの作品が出版されており、 そのどれもが同じようなイラストをくっつけているのだから 初心者では何をどう購入したら良いのかとうと分からなくなるのも無理はない。 そこで私はイラストを見比べ、 いちばんおっぱいの大きな女の子の描かれている本を手にとった。 『境界線上のホライゾン』である。 ここでは以下に、この本を「このライトノベルがすごくない!」大賞に推薦すべく、 私が実際に目にした内容をのみ根拠とした選評を書き記す。 【境界線上のホライゾンT上/川上稔】 電撃文庫。定価750円。イラスト・さとやす。
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- 「このライトノベルがすごくない」
22 :この名無しがすごい![sage]:2011/12/14(水) 16:54:23.32 ID:BU0n+YpH - 【境ホラ選評】
・まず驚くべきはその圧倒的な質量である。書店に平積みされたそれを取り上げようとすれば、 「あれ、間違って二冊つかんじゃったかな」と思うことうけあいのその厚さたるや、 なんと514ページ(ちなみに、文庫の厚さに定評のある西尾維新先生の「クビキリサイクル」でさえ384ページである)。 ライトな層がライトな気分で読むにしてはあんまりなその物量が伝える重みは、読者の手だけでなく心にまでズシンと響くものがある。 そのうえ、500ページ以上かけておいてこの本、実は上下巻のうちの上巻に過ぎない。 お前らは一生俺の本だけ読んでいれば良いのだと言わんばかりの圧倒的スケールにはただただ感服するばかりである。 ・ライトノベルのページを開いて真っ先に目に入るものと言えば、ストーリーの中から印象的なシーンをイラストレイターが書いたイラストである。 もちろん本作もその例にもれず、イラストのページがあるのだが、驚くなかれそのうちの一枚は『この世界について』と題されたイラスト付き資料である。 さすがの作り込みだと感心しもう一枚ページをめくると今度はブログ風イラストを装った資料である。 さすがの作り込みだと感心しさらにページをめくるとキャラクター一覧(32名)、単語集(69語)、歴史(6頁)、校則法とまだまだ資料が続くのである。 そして資料説明が終わり「序章」と書かれたイラストつきページが現れ、ようやく本編がはじまったかと思うと主人公すら登場しないままに今度は戦艦名(八艦)、謎の歌(8行分)と畳みかけるように我々の脳に未知なる言葉を植えこもうとする。 読者の記憶力を問いかけるようなその姿勢はまさに筆者と読者の闘いと言っても過言ではなかろう。
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23 :この名無しがすごい![sage]:2011/12/14(水) 16:57:05.43 ID:BU0n+YpH - 【境ホラ選評2】
・『音と声が響くのは中央後艦奥多摩の上。その上にある建物が音の発生源だ。(P27引用)』 戦艦の上の音が響く空間のさらのその上に建物があり音がかき鳴らされているという謎のシチュエーションで物語は始まる。 最初のシーンは教師が生徒たちに何やら授業を行っているという場面である。 三人称であるがゆえに誰が主人公なのかすらまだよくわかっていない読者の前に現れるキャラクターは、 女教師オリオトライ・生徒会会計シロジロ・ベルトーニ、会計補佐ハイディ・オーゲザヴァラー、ミリアム・ポークウ、 第三特務マルゴット・ナイト、正純、酒井学長、第四特務マルガ・ナルゼ、トーリ、ベルフローレ・葵。 教師から葵まで3ページである。 さらにはキャラクターごとに別称があり(シロくん、ナイちゃん、セージュン、ソーチョー)、“不可能男(インポッシブル)”という字名(アーバンネーム)があり、 挙句の果てにはどうでもいい会話の中に犬のジョゼフィーヌと飼い主の中村さんが出てくる。 この程度の暗記は本作を読破するためには最低限の能力である。覚え切れただろうか。ハイ返事は? Jud.(ジャッジ)? 「――Jud.(ジャッジメント)」 ・もちろん大量のキャラクター名を把握したのちはそれぞれの行動を把握しなければならない。 『ナイトの呼びかけに、喜美は振り向いた。彼女は眉を浅く立てた顔で、(P31引用)』 もちろん「彼女」が喜美のことを示していると理解できなければ読者として未熟である。 それどころか「喜美」がベルフローレ・葵のことであるとも理解しなければならない。 また、会話ラリーが終わった直後の地の文では、 『どーだろーね、と襟首?まれてがくがく揺らされているナイトが視線を逸らして言っている間に、オリオトライはジャージの懐から出した出席簿に黙々とチェックをつけていく。(P31引用)』 と、動作主がナイトに切り替わり、さらに句点を打って落ち着く間もなくオリオトライの動作まで書こうとしてくるのだから内容は濃密である。 読者に、一瞬たりとも眼が話せない緊張感ある読書を楽しんでもらおうという粋な計らいを垣間見せる姿はさすが電撃文庫の選んだ作品と言う他ない。
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- 「このライトノベルがすごくない」
24 :この名無しがすごい![sage]:2011/12/14(水) 16:57:54.09 ID:BU0n+YpH - 【境ホラ選評3】
・誠に恥ずべきことだが、私はこれ以上読み進めることがかなわなかった。 表紙に描かれたおっぱいの大きな女の子に出会うことすらできずに散って行く私をどうか許してほしい。 最後に、読者としてはじめてライトノベルに触れた私の心情を見事に書き写したかのような下記の描写を引用することによって、この選評を終わることとする。 『 「――く」 という言葉を、オリオトライは聞いた。 それは、くそ、という言葉の始まりだろう。悔しいのか。だが、それでいい。 ……出し抜かれたら、悔しがらないと。 (P39引用)』
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- 【ラノベ】自作を晒して感想をもらうスレvol.42
334 :318[sage]:2011/12/14(水) 17:09:19.98 ID:BU0n+YpH - >>322-326
他のスレで遊んでいたため返事が遅れてすいません。 読んでくださってありがとうございました! どれもためになることばかりで、本当に感謝しています。 自分ひとりでは考え付かなかったことばかりだったので、 これから参考にしていこうと思います。
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