- 棋〇B〇総合スレPart8
655 :名無し名人[sage]:2021/01/10(日) 00:14:57.66 ID:LUXqUzu+ - 【今までのお話】
真恒の永崎留学への意志は固く、殿の心は粉々に。将棋を辞めて政治に邁進するため将棋連合を脱退しようと会長佐島殿宛にポッポちゃんに退会届を届けさせたところ、会長は激おこぷんすか。 問題解決のため寝狸磨巣城に乗り込んで来、その剛腕で殿を拉致してしまいました。EEGANA! >>487から続きます 「兼井!邪魔するぜ!」 「あ、佐島殿!いかがなされましたお荷物を抱え…殿⁈」 「おう、この馬鹿がお前がらみの事で将棋辞めて連合も抜けるとか言い出しやがったから連れて来た。説得しろ」 ドサッ! 「きゃっ!やっちゃん投げないでよ〜イテテお尻打っちゃった〜」 「殿、大丈夫ですか?佐島殿、今なんと?将棋をお辞めに?殿が?でもわたくしには説得など…」 「EEGANA! 出来る出来ね〜じゃねえんだよ、言われたらやるんだよ!おう、山元、お前何してんだ?こっちに来い!じゃ、頼んだぜ!」 「さ、佐島殿!ああ、行ってしまわれた…」 …シーン… 「ま、参っちゃった、連合会長凄い腕力なんだもん」 「はぁ…。あの、打ったお尻は大丈夫ですか?」 「ズキズキするけど大丈夫」 「よろしゅうございました」 「山元、ここで中の様子を見守るぞ」 「え、それは盗み聞きでは?」 「人聞きの悪い。もし兼井が豪田の説得に失敗したら俺がぶんなぐって記憶喪失にさせるために飛び込むんだよ」 「え、それは酷い」 「EEGANA! ただ、下手して顔に傷でもつけたらあいつの女性ファンや小姓ファンに俺が殺される可能性があるしな、頭殴ってパーになっても将棋指せなくなるから困るし兼井に期待してるんだけどな〜」 「顔は外してボディを殴るのは?」 「体幹殴って気絶させると大概内臓破裂して助かんねーからな〜」 「ガクガクブルブル・・・」
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656 :名無し名人[sage]:2021/01/10(日) 00:15:49.06 ID:LUXqUzu+ - 「…大分…荷造りが進んでいるようだな…。邪魔をして済まなかったな」
「…邪魔などと…。殿、将棋をお辞めになるとは本当なのですか?」 (ヒソヒソ・・・お、いいぞさっそく核心に触れたぞ!) 「真恒がいなくなれば余も茶目をしている場合では無いのでな。この寝狸磨に将棋の普及と発展に携われる人間は抱負に居るが殿様は余しかおらぬ」 (ヒソヒソ・・・将棋を茶目とかなに言ってんだ殴るぞ) (ヒソヒソ・・・会長落ち着いて下さいよ〜) 「将棋は茶目ではござりませぬ」 (ヒソヒソ・・・そうだそうだ!偉いぞ兼井!) 「しかし一国の殿様がうつつを抜かしていい物でもない。一局にかかる時間も長く研究をしていれば日々切りも無い…」 (ヒソヒソ・・・だから短時間のアロマ勝ち抜き戦作ったじゃねーか!ぷんすか) (ヒソヒソ・・・し〜!静かに…) 「それに真恒が居なくなっては…、研究の楽しみも無い」 「わたくしよりも共に学んで楽しい強豪は他に沢山おられましょう」 「…そういう意味ではないのじゃ…。まあ良い…。真恒が出立する前に念者念弟の契りも反故にせねばならぬな」 「……」 「…12の時よりよく仕えてくれた。14の歳からは城に居を構え滅私の働き、感謝する」 「滅私などと…。全てはわたくしが心から望んだことにござります。殿にお仕えすることは子供の頃からの夢でござりました」 「きちんと書面を作る故、しばし待て」 「いえ、そのような…」 「寝狸磨の兼井真恒と言えば余の信の篤いこと諸国に届いておる。きちんと形にしておけば新しい出会いがあった時に安心であろう」 「は?新しい出会い?殿はわたくしが殿の他の方と関係を結ぶとお思いですか?」 「え?違うの?」 「…プルプルプルわたくしは・・・」 (ヒソヒソ・・・あ〜イライラする。どっちでもいいから踏み込めよ〜!) (ヒソヒソ・・・でも真恒殿がプルプルしてますよ) (ヒソヒソ・・・詰みが見つかったか?)
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657 :名無し名人[sage]:2021/01/10(日) 00:16:47.61 ID:LUXqUzu+ - カタッ・・・
「何か落ちたぞ…あ…これはあの正月に余が与えた螺鈿の…。まだ持っておったのか」 「…これはわたくしの宝物でござります。この螺鈿の虹色の輝き、殿を初めて拝見した時に感じたぼ〜っとした心地に似ております…。自分の国のお殿様はこんなに美しく聡明な方で、自分はこんな方にお仕えする武士になるのだと思うと誇らしく、現を忘れる心持がいたしました。その後、その感情には恍惚という名前があると知りました」 「その後、さぞがっかりしたであろう。実物はこんな虚け者で」 「…!そんなことはござりませぬ!」 「無理せずとも好い。…金平糖を入れる器には截金細工と螺鈿蒔絵があってな…。お恒の瞳の輝きが螺鈿の虹のようであったからその器を選んだ…。五年の後、可愛らしかった子供が上品で賢そうな少年になって戻って来たが瞳の輝くは変わらぬままで…。あの瞳の輝きを曇らせてこんなに悲しげにさせてしまい、誠に申し訳なく思う…」 「!…殿、お手をお上げください!わたくしなどに頭を下げてはいけません!わたくしが悲しいのは殿のせいではありません…わたくしが…わたくしが…至らない家臣だから」 「え〜、そんなことないよ〜?」 「…わたくしは小姓としての務めもきちんと出来ないし…」 「ちゃんと務めてるじゃん」 (ヒソヒソ・・・やっと本題に入ったでおじゃる) (ヒソヒソ・・・わっ!何だお前ら!) (ヒソヒソ・・・あたしたちも今後の動向が気になって、つい) (ヒソヒソ・・・はっはっは、来てみたら門番がみんな気を失っていたので入って来ちゃいました) (ヒソヒソ・・・俺は姉ぇちゃんと殿様が連絡取り合ってねぇか心配で…) 「///…でも殿はいつもとてもわたくしに気を使って下さって…」 「え〜、だって念弟に心配りをするのは当たり前だもん。自らもそうやって優しくされてきたし…」 (ヒソヒソ・・・あ、またなんかムカつく) (ヒソヒソ・・・耐えるでおじゃる明殿)
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658 :名無し名人[sage]:2021/01/10(日) 00:17:46.82 ID:LUXqUzu+ - 「でもわたくしは念弟である前に家臣でございます」
「え〜、家臣である前に恋人だよ〜。好きな人には優しくするの〜。大事な人は大事にするの〜」 「でも、殿はそれで満足なのですか?わたくしのような…」 「だってそれが真恒だもん。そりゃあんなことやこんなこともしたくないことのなくも無いけど、真恒が嫌がることはしたくないもん」 「わたくしは殿のしたいことを…///」 「では余のしたいことは真恒が嫌がることはしないことじゃ。真恒に嫌われることが何より辛い」 「何があろうと殿を嫌うなどと…。…殿がそれほどまでにわたくしのような者のために心を配ってくださることが有難く忝く…」 「///だって真恒が大事だから…」 「わたくしは…わたくしは…」 「真恒…?」 スチャッ! 「きゃ〜!真恒何を血迷って!」 「御放し下さい!死なせてください!」 「ならぬ!ならば我を先に殺して行け!」 ハァハァハァハァ・・・ 「も〜、真恒強いんだもん。刀取り上げるだけなのにもうフラフラ〜」 「…ウワ~ン!」 「真恒…どうしたとうのじゃ…」 「わたくしは侍の風上にも置けない不届き者にござります。どうか殿の御手で誅して下さい!」 「どんな不調法をしたというのじゃ?余にはわからんから誅しようもない。ちゅ〜ならしたいけど」 「…わたくしは、殿の家臣でありながら、時にこの寝狸磨の国など滅んでしまえと!…あ…」 「え〜?やっぱり真恒は河馬屋川の刺客⁉ガクガクブルブル」
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659 :名無し名人[sage]:2021/01/10(日) 00:36:52.95 ID:LUXqUzu+ - ちょっと遅いですけどあけましておめでとうございます。
本当にこんな話読んでると皆さんの知能指数とか下がるのではと心配ですが、本年も殿と真恒にお付き合いください。 年末年始かけて真恒のご機嫌取ってたらやっとこ少し素直になってくれたので先が見えてきました。 次回、真恒の秘密が明らかに?風雲急を告げる寝狸磨巣城の明日はどっちだ?(適当)
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