- ゆいちゃん
322 :Anonymous (ワッチョイW c57b-2j7d)[sage]:2021/09/12(日) 19:05:04.20 ID:61AYUQkU0 - 傑作選
TNTは、ノルウェーの5人組ハードロックバンドです。Vo のトニー・ハーネルは米国人ですので、厳密に言えば、「ノルウェーの」と言ってしまうことには語弊がありますが、80年代後半頃には、北欧メタルの雄として一時代を築きました。 「キラキラ」という形容詞がピッタリ来るキャッチーで透明感あふれるメロディと、声量豊かな高音ボイス、そして美しいコーラスハーモニー。これらが北欧メタルの大きな特徴で、TNTによって定義づけられたといっても過言ではないでしょう。 イントロから一貫して続く「ジャッジャジャーララ ジャーラ ジャーラ」というギターリフが実に印象的です。 この曲が発表された1989年といえば、日本はバブルの真っ只中。世界に目を向けても、この年の11月にベルリンの壁が崩壊。翌年のドイツ再統一、さらにその翌年のソビエト連邦崩壊の発端となった年です。 当時高校2年生だった私はもちろん、その一連のムーブメントが表す意味などこれっぽっちも理解していませんでしたが、何か新しい時代が始まる。そんな漠然とした期待感を抱いたことを覚えています。 Intuitionから感じられるこの一点の曇りもない明るさは、永遠の希望が広がっているかのように感じられた当時の世相を反映しているように思います。 ロングヘアーにピチピチのホットパンツというメンバーの出で立ちは、今見ると天然記念物ですが、当時の音楽シーンにおけるメインストリームであり、言ってみれば教科書のような正しいロックファッションでした。 歌詞に目を向けてみましょう。シンプル故に少々解釈に苦しむ表現も見られますが、とにかくポジティブ一色。 今の音楽シーンではありえない前向きさで、爽快の一言に尽きます。サビの最後、2:36 のところで、トニー・ハーネルが One decisioooooooon とシャウトしたところにロニー・ル・テクロが「プルッ プルッ プルッ プルッ」というギターソロをかぶせてきたときに、高揚していた私の気分は最高潮に達し、カラッと晴れた青空の下、意味もなく自転車のペダルを全力で漕ぎたくなる。そんな魅力に溢れています。
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