- 自称イケメン、アトピー批判し煽られ顔晒す★5
207 :名無しさん@まいぺ〜す[]:2013/03/27(水) 21:33:38.75 ID:QLYl57nx - 人間失格 太宰 治
「恥の多い生涯を送ってきました」3枚の奇怪な写真と共に渡された睡眠薬中毒者の手記には、その陰惨な半生が克明に描かれていました。 無邪気さを装って周囲をあざむいた少年時代。次々と女性に関わり、自殺未遂をくり返しながら薬物におぼれていくその姿。 「人間失格」はまさに太宰治の自伝であり遺書であった。作品完成の1か月後、彼は自らの命を断つ。 バイバイ、ブラックバード 伊坂幸太郎 太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語。 1話が50人だけのために書かれた「ゆうびん小説」が、いまあなたのもとに 河童・或阿呆の一生 芥川 龍之介 芥川最晩年の諸作は死を覚悟し、予感しつつ書かれた病的な精神の風景画であり、芸術的完成への欲求と人を戦慄させる鬼気が漲っている。 出産、恋愛、芸術、宗教など、自らの最も痛切な問題を珍しく饒舌に語る「河童」、自己の生涯の事件と心情を印象的に綴る「或阿呆の一生」、 人生の暗澹さを描いて憂鬱な気魄に満ちた「玄鶴山房」、激しい強迫観念と神経の戦慄に満ちた「歯車」など6編。 羅生門 蜘蛛の糸 杜子春 外十八篇 芥川 龍之介 小説家の登龍門である「芥川賞」に、その名をとどめる芥川龍之介は、深刻な人生の悩みに耐えながら、機智と諧謔と博識を駆使し、 みごとな短篇小説を書き残した。新鮮な抒情、傑出した虚構、そして明晰な文章で、今なお人々を魅了してやまない 不世出の天才の代表的作品を、一冊に収めた21世紀への日本の遺産。
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- 自称イケメン、アトピー批判し煽られ顔晒す★5
208 :名無しさん@まいぺ〜す[]:2013/03/27(水) 21:35:04.38 ID:QLYl57nx - 人間失格 太宰治
はしがき 私は、その男の写真を三葉、見たことがある。 一葉は、その男の、幼年時代、とでも言うべきであろうか、十歳前後かと推定される頃の写真であって、 その子供が大勢の女のひとに取りかこまれ、(それは、その子供の姉たち、妹たち、それから、従姉妹(いとこ)たちかと想像される) 庭園の池のほとりに、荒い縞の袴(はかま)をはいて立ち、首を三十度ほど左に傾け、醜く笑っている写真である。醜く? けれども、 鈍い人たち(つまり、美醜などに関心を持たぬ人たち)は、面白くも何とも無いような顔をして、 「可愛い坊ちゃんですね」 といい加減なお世辞を言っても、まんざら空(から)お世辞に聞えないくらいの、 謂(い)わば通俗の「可愛らしさ」みたいな影もその子供の笑顔に無いわけではないのだが、しかし、いささかでも、 美醜に就いての訓練を経て来たひとなら、ひとめ見てすぐ、「なんて、いやな子供だ」 と頗(すこぶ)る不快そうに呟(つぶや)き、毛虫でも払いのける時のような手つきで、その写真をほうり投げるかも知れない。 まったく、その子供の笑顔は、よく見れば見るほど、何とも知れず、イヤな薄気味悪いものが感ぜられて来る。 どだい、それは、笑顔でない。この子は、少しも笑ってはいないのだ。その証拠には、この子は、両方のこぶしを固く握って立っている。人間は、 こぶしを固く握りながら笑えるものでは無いのである。どこかけがらわしく、へんにひとをムカムカさせる表情の写真であった。 私はこれまで、こんな不思議な表情の子供を見た事が、いちども無かった。
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209 :名無しさん@まいぺ〜す[]:2013/03/27(水) 21:36:27.76 ID:QLYl57nx - 第二葉の写真の顔は、これはまた、びっくりするくらいひどく変貌(へんぼう)していた。学生の姿である。高等学校時代の写真か、大学時代の写真か、
はっきりしないけれども、とにかく、おそろしく美貌の学生である。しかし、これもまた、不思議にも、生きている人間の感じはしなかった。 もう一葉の写真は、最も奇怪なものである。まるでもう、としの頃がわからない。 自然に死んでいるような、まことにいまわしい、不吉なにおいのする写真であった。 何としても思い出せない。画にならない顔である。ただもう不愉快、イライラして、つい眼をそむけたくなる。 とにかく、どこという事なく、見る者をして、ぞっとさせ、いやな気持にさせるのだ。私はこれまで、 こんな不思議な男の顔を見た事が、やはり、いちども無かった。 第一の手記 恥の多い生涯を送って来ました。 自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。
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