- 【局地戦闘機】 雷電その9
895 :名無し三等兵[sage]:2020/01/16(木) 22:43:49.99 ID:bZslghOd - さて、なぜ、私がひねりこみ戦法≠考えたかと言いますと、それは十九年
二月、トラック島に二五一空がいたときに来襲したグラマンF6Fヘルキャットとの 一戦によるものです。旋回性能もよく、決して零戦に劣らないのです。これと空中 戦をやってみて、私は──もう零戦の時期は去りつつある──と、考えざるを得 ませんでした。 小園大佐にいわれたとおり、私は毎日若い士官と空へ上がっては、ひねりこみ 戦法を教えました。笹井中尉より三期、四期後の士官が大尉で分隊長ですが、 実戦の経験がありません。零戦でヘルキャットに勝つには、ひねりこみしかないと 言って、空中で隊内無線電話を使って教えるのですが、 「高杉分隊士、只今失速中、錐揉みに入りそうだ」 などと悲鳴をあげる士官もいました。 そうそう、雷電という凄い飛行機にも乗りました。垂直に上昇する超スピード機 で、P51ムスタングにも負けません。これは巴戦には向かないので、上空で待っ ていて一撃で勝負するのです。これでもだいぶ墜としました。硫黄島から来るB29 の編隊は、P51を護衛に連れて来ます。零戦の連中はみなB29を狙います。そし てP51に喰われるのです。 私は初めからP51を狙います。上空から一航過でバリバリと射撃を加えて待避 します。射撃は相変わらず正確でした。二十ミリが燃料タンクに当たると、P51も 燃えて飛散したものです。
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