- 国家安全保障政策/国家戦略研究スレッドPart2
932 :JTAC[sage]:2020/01/10(金) 22:22:12.94 ID:msAwsve1 - 「技術者の戦争」(続)
ファシズムと同様の国際体制の否定は、既にロシアで起きていた。 レーニンによって修正されたカール・マルクスの教義に基づくソビエト連邦によるボルシェヴィズムである。 欧州の支配階級を悩ませたのは、ソ連の侵略よりも国内のボルシェヴィズムの恐怖であった。 それがあまりに強く左翼からの脅威に対する同盟者としてファシズムを歓迎し、その脅威を見抜けなかった。
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- 国家安全保障政策/国家戦略研究スレッドPart2
933 :JTAC[sage]:2020/01/10(金) 22:32:26.99 ID:msAwsve1 - WW1後の欧州には三つの対立するイデオロギーがあった。
表面的には啓蒙主義から出た自由民主主義と国際法を重視する思想の勝利と見られていた。 が、実際には、欧州の伝統的枠組みを破壊することで左右の革命勢力を強化した。 左翼は国内・国際的な紛争がなければボルシェヴィズムの千年王国は来ない、 右翼は国際紛争の継続の中に人類の必然的な運命を見た。 西側戦勝国は、彼らのイデオロギーを強制する力があったがアメリカが欠けておりできなかった。 ヴェルサイユ条約の十五年後、欧州は再び戦争準備を開始した。
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934 :JTAC[sage]:2020/01/10(金) 22:54:24.19 ID:msAwsve1 - ファシズムが栄光化した戦争は、戦線のはるか後方にいる将軍に命令され、
ついていない多数の徴兵が戦う類いの戦争ではなかった。 それは、飛行士、戦車乗員、突撃隊員の若い英雄達の小さなチームで行われる戦争であった。 彼らは、勇気と暴力でフロックコートの耄碌老人から人類の運命をもぎ取り、 一層純粋で一層栄光にみちた将来を作ろうとした。 彼らは必ずしも間違っていなかった。 十九世紀には大衆の戦争参加を可能かつ必要にした技術が、 二十世紀には高度な資格をもつ技術者の手中に権力をもたらした。 WW2は、大衆参加と技術専門家同士のひどく隠微な戦いの混合を見ることになった。 二十世紀の後半までには欧州諸国民は紛争から全面的に除外されることになった。 もし戦争が起きれば、考えられない規模で破壊力をふるう少数の軍事技術者によって戦われる。 一体何故? そのためには、十九世紀の戦争におけるある発展を考察しなければならない。
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