- ワンダーランドウォーズ エロかわスレ21頁目 [無断転載禁止]©2ch.net
452 :ゲームセンター名無し[sage]:2016/07/16(土) 07:01:04.04 ID:eDUZucn90 - 4つほどいただきます
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453 :ゲームセンター名無し[sage]:2016/07/16(土) 07:01:21.02 ID:eDUZucn90 - 換気の為に開けた窓から夜の風が入ってくる。日中は猛暑だったが、日が暮れると過ごしやすい気温になってくれた。
サンドリヨンは読んでいた本にしおりを挟む。重くなったまぶたを擦り、そろそろ寝ようかと考えていると居室のドアがノックされた。 「こんな遅くに......誰でしょう」 不思議に思いながらドアを開くと、そこには見慣れた顔。 「夜更けに悪いな」 あまり申し訳なさそうではないアシェンプテルが立っていた。サンドリヨンはどうしたのかと訪問の理由を問う。 「いや、暑くて眠れないのだ。散歩に付き合ってくれ」 「私、もう寝ようかと思ってたんですけど」 「夜中に可愛い妹ひとりで出歩かせるとは、なんて酷い姉だ......」 溜息混じりに仕方なく了承すると、可愛い妹は目を輝かせる。 「よし、ならば早く行くぞ!」 何を急いでいるのだろうか。もしかすると、良からぬ企みがあるのかもしれない。サンドリヨンは注意を払いながら後に続いた。 ◆ ◆ ◆ 散歩というからてっきり城の中庭に行くと思っていたが、回廊を進む足は城の外へ向かっていた。程なくしてふたりは城を出る。どこへ行くのか少し不安になりアシェンプテルへ声を掛けようとした時、ちょうど足が止まった。 「ややっ、あんな所にリーフショップがあるな」 城のすぐ横には小さな店がある。店内から灯りが漏れているところを見ると、まだ閉店していないようだ。
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454 :ゲームセンター名無し[sage]:2016/07/16(土) 07:03:39.53 ID:eDUZucn90 - 「それはそうですよ」
リーフショップはずっとここに店を構えているのに、何を言っているのだろう。 「ちょ、ちょっと入ってみようか。暇だしな」 ぎこちない所作のアシェンプテルと共に店に入る。昼間とは打って変わって、店内はしんと静まり返っていた。 「いらっしゃいませ〜!」 普段はマメールが接客をしているのだが、夜遅いからか妖精のティンクが姿を現す。 「何か御入り用?」 「いえ、少し見て回らせてくださいね」 「もうすぐ閉店だから急いでね〜」 ティンクが棚の影に消えていくのを確認し、アシェンプテルが小声で囁く。 「サンドリヨン、暑いし冷たいものが食べたいな?」 視線の先には小さな楕円形のフリーザーがあった。中には色とりどりのアイスクリームが並んでいる。 「そんなに暑くないですけどね。それにわざわざこんな遅くに食べなくても」 「......昼間は人目につくだろう」 ぼそりと呟く顔を覗き込むと、はっとした様子で口をつぐむ。 「あぁ、そういうことですか」 その様子を見て、サンドリヨンは得心がいった。 「何味にします?」
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455 :ゲームセンター名無し[sage]:2016/07/16(土) 07:05:57.77 ID:eDUZucn90 - 「......チョコレート味」
サンドリヨンはティンクを呼び出しアイスクリームを2つ注文する。閉店時間なので店を出ると、先に出ていたアシェンプテルがそわそわと待ちわびていた。ふたりは外に備え付けられている椅子に腰掛ける。 「はい、どうぞ」 アイスクリームが盛られたカップを手渡すと恥ずかしそうに受け取った。まじまじと観察していると、アシェンプテルは気にしながらもアイスクリームを口に運ぶ。 「ふわ......美味しい」 感嘆を漏らすその顔は惚けてまさに幸せそうだ。サンドリヨンは思わず微笑む。 「......私がアイスクリームなんて、子供っぽいとか、似合わないとか思っているだろう!」 「いいえ、そんなことありません」 「アイスクリームというものを食べたことがなくて......一度食べてみたかったのだ!」 昼間にミクサやアリスが食べているのを見つめていたのは、そういう訳があったのだろう。体面を気にしてしまうのは如何にもアシェンプテルらしい。 「これは秘密だからな!」 「わかってます」 サンドリヨンは手元のバニラ味のアイスクリームをひとくち差し出す。 「こっちも美味しいですよ」 「自分で食べられる」 「ダメです、あーんしてください」 付き合ってもらった手前、断りきれず渋々と従うアシェンプテル。 「うむ......こっちも素朴な味わいで美味しいな」 緩みきった表情は隠しきれない。
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456 :ゲームセンター名無し[sage]:2016/07/16(土) 07:07:43.23 ID:eDUZucn90 - 「うふふ、それは良かったです」
そんなやり取りをぽつぽつと続けながらアイスクリームを食べる。いつしか店の照明も消え、月明かりだけがふたりを照らしていた。 「サンドリヨン、その......ありがとう」 食べ終えて居室へ戻る途中、アシェンプテルはそっぽを向きながら礼を述べる。 「いいんですよ、また秘密のお散歩しましょうね」 「そ、そうか、実は他にも気になる味があるんだ!」 振り向く笑顔に笑顔で返した。 「ええ。可愛いアシェンの顔、また見たいですから」 今晩の自分を可愛いと称され、気恥ずかしさから頬を染める。今まで綺麗と言われることはあっても、可愛いと言われたことはなかった。 「なんだか......弱味を握られた気がする」 「本当に可愛いですね」 「うるさい、からかうな!」 それから猛暑日の夜は決まって秘密の散歩が行われることになったという。
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