- BORDER BREAK のキャラはエロかわいい 2GP
208 :とあるオペ子の業務日誌 その1[sage]:2010/01/07(木) 01:04:50 ID:eYP+AqaH0 - 「やっぱり明かりがついてる。今日もまだやってるんだ・・・」
そういえば出撃前、あの人はいつも遅くまで微調整してたわね。 ちょっとだけ覗いてみようかしら。私は軽い気持ちで格納庫の扉をそっと引いてみた。 やっぱりいた。自分の機体の前で昔と同じようにモニターとにらめっこしてる。 あ、ストレッチした。もうそろそろ終わりかな。 名残惜しいけど邪魔はしたくないし。 そっと閉めたつもりだった。なのに。 ガタンと大きな音を立てて引いてしまった。覗いてたのバレない・・・わけがないか。 しょうがない、私は心を決めて格納庫の彼のところに向かった。 没頭してた彼でも気づくぐらい大きな音がしたんだろう、彼はこちらを怪訝そうに伺ってた。 「珍しいな、おまえがここに来るなんて」 「ええ、少し呑みたくなったからBARに寄ってたんです。その帰りに明かりが見えたものだから」 嘘。出撃前はずっと様子を見に来てた。あんたはちっとも気づかなかっただけよ。 「そうか。・・・その、なんだ。2人のときは昔のように接してくれないか?どうにも慣れん」 「・・・そうね。じゃあお言葉に甘えてそうするわ。」 よかった、彼は何にも変わってない。まだ彼と距離は開いてない。 「あなたのところの部隊、調子いいみたいじゃない。連勝の報告が私のところまで届いているわよ?」 「当たり前だろ、誰が指揮してると思ってる。」 「ハイハイ、そうでしたね。その自信はいったいどこから来るのかしら。」 ふと彼のモニターが目に入った。たくさんの文字と記号の羅列。 でもこれは・・・ 「・・・ねぇ?どうして重火力の装備の調整なんてしてるの?確かあなたが得意なのって狙撃よね?」 「あぁ・・・狙撃は後進に譲った。今の俺は隊長だ。最前線に上がって指揮をせんとな。」 言葉が出なかった。 変わってないように振舞っていただけで、ずっとあのことを引きずってるなんて。 「あぁ、もっとも俺が狙撃に回ることもあるぞ?今回は戦場の地形から考えて前に出たほうがいいからだな」 焦って取り繕う彼。引きずってるのを隠したいのだろう。 でももう遅いよ。あんたのことは誰よりも私がわかるから。ずっとパートナーだった、私が。
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209 :とあるオペ子の業務日誌 その2[sage]:2010/01/07(木) 01:06:19 ID:eYP+AqaH0 - ずっと私が黙ってると彼も気づいたんだろう。ポツリと呟いた。
「すまない。」 「ううん、私のほうこそ変なこと聞いてごめん。そっか、隊長なんだよね。」 なんとも気まずい。ごまかすように私はしゃべっていた。 「あーぁ、複座式のブラストがあったらな〜。私もずっと一緒に戦えたのに。・・・そしたらずっと一緒だったのに。」 「なっ、お前・・・」 彼の声で私は気づいた。口を思いっきり滑らせていたことに。 でも発した言葉は取り消せない。なかったことに出来ない。でも、こんなこと言うつもりじゃなかった・・・ 「すまん、今はまだおまえの願いを聞き届けてやることは出来ん」 葛藤で動けなかった私に彼はこんな言葉をかけてくれた。 思わず彼のほうを振り向いていた。彼は目を合わせてくれなかったけれど、その顔は真っ赤だった。 「俺の部隊のひよっこどもが一人前になって無事自分の道を歩めるようになるまでは俺が導いてやらないと。 危なっかしい連中ばかりなんだ。・・・後回しになってすまない。」 全部を聞くまで待ってるなんて出来なかった。思わず彼の胸に飛び込んでいた。 「ねぇ・・・ホント?嘘じゃないよね?」 「当たり前だ、俺がおまえに嘘なんてついたことないだろう?」 彼の胸はとても温かくて大きかった。そういえばあの時以来だ、こうやって抱きしめられるのは。 こうやって彼の顔に手を添えるのもあの時以来・・・ 彼の唇はカサカサで少し痛かったけど、でもとても暖かかった。
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210 :とあるオペ子の業務日誌 その3[sage]:2010/01/07(木) 01:08:36 ID:eYP+AqaH0 - どれくらい時間が経っただろう、完全消灯のサイレンの音。
名残惜しいけど、今日はこれで終わり・・・。そんなの嫌だ。まるで夢みたいに消えちゃいそう。 「ねぇ」 大きな声を出したはずなのにとても小さな声。 「明日の戦闘が終わったらお祝いしよう?あたしの部屋で。 ずっと取っておいたワインがあるの。あたしの生まれた年の。一緒に飲もう?」 「ワインは苦手なんだが、たまには悪くないな」 「やったっ・・・それじゃ明日ね。料理も作って待ってるから。」 「そうか、それは楽しみだ。必ず戻ってこないとな。」 宿舎に向かう途中ずっと繋いでいた手はやっぱりとても暖かかった。 明日は彼と私の記念日。そう思うととても今日眠れそうにない。 明日は何を作ろう。あのワインに合いそうな料理、今から探さないと。 無事に明日も帰ってきますように。私に笑いかけてくれますように・・・ >>191のベテランとオペ子を書きたくて暴走した オペ子の「見ちゃダメ」ファイルの中身って実は業務資料じゃなくてこんな日記なんじゃなかろうか? そう思うと、オペ子可愛いよオペ子
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216 :その1[sage]:2010/01/07(木) 23:44:23 ID:eYP+AqaH0 - 気だるいまどろみの中、俺は夢を見ていた。
ここ数年ずっと見ている夢。繰り返し何度も見ている夢。 とても楽しい夢。とても悲しい夢。 今日もまたあの夢が始まる・・・ 「よっしゃっ!今日から俺も正式なボーダーだぜっ!」 任命式を終え部隊長へ挨拶も済ませ、俺は格納庫へ軽い足取りで向かっていた。 ようやく訓練用のブラストじゃない、俺専用の相棒とご対面だ、嬉しくないわけがない。 隊長に教えられた格納庫に着くとロールアウトしたばかりの機体が2機並んでいた。 ん、2機? 「あんたねぇ、自分の機体が手に入って嬉しいのはわかるけどもう少し気を引き締めたらどう?」 「げっ、隊長の言ってたパートナーっておまえかよ・・・」 「私だってあんんたみたいな熱血バカとパートナーを組むことになるなんて最悪よ、もう」 「なんだとっ、この真面目っ子!マニュアルだけじゃすっばらしい活躍はできないんだぞっ!」 正反対な俺たちがパートナーなんて皮肉なもんだぜ。 今回の訓練生の中で主席とブービーの組み合わせかよ。もっとも俺の真価はあんな試験じゃ計れやしないがな。 「ハイハイ、分かったから試運転しましょ。自分用にカスタマイズするんでしょ?」 「あったりまえだろ!俺に最適な設定にして大活躍させるぜ、相棒っ!」 ゴゥンゴゥンという低い起動音。心が躍る。こいつで俺は英雄になるっ! 「よし、各部問題なし。順調ね。あんたはどうなのよ?」 「・・・おっかしいなぁ、右腕が全然うごかねぇ。どうなってんだこりゃ?!」
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217 :その2[sage]:2010/01/07(木) 23:45:08 ID:eYP+AqaH0 - 何度見てもやっぱり懐かしい。その後あいつに先導されて隊長のところに行ったけど全然取り合ってくれなくて。
しかも交換パーツも支給されなくて。困った俺に狙撃を薦めてくれたのはあいつだったっけ?隊長だったっけ? 「はぁー、狙撃かよ。細かいし待たなきゃいけないし俺には向いてないだろ、チクショー」 「ほら、文句言わない。片腕だけで動き回りながらマガジン交換とか出来ないでしょうが。」 「ちぇっ、ずっと剣構えてるからいいんだよ。俺なら剣だけで全部叩っ斬れる!」 「蜂の巣になるだけだからやめなさい。ほら、私がサポートしてあげるから。まずは左手で照準合わせる練習ね。」 「・・・おまえはそれでいいのかよ」 「よくはないわよ。でもしょうがないじゃないパートナーなんだから。 そうね、あんたが1人で狙撃できるようになったら前線に上がらせてもらうわ。それまではつきっきりでサポートしてあげる。 銃身の固定からマガジンの取替えまで、全部やってあげるわよ。」 冗談じゃない、こいつに借りをこんな形で作るのかよ。かっこ悪すぎる、それだけは絶対阻止だ。 対等な関係でこそパートナーってもんだろう? あの時は必死だったなぁ。あいつは何でも出来るんだ、俺のために足踏みはさせちゃいけないって。 狙撃できるようになって2人で喜んで。撃破も取れるようになって2人で喜んで。 全部俺のことなのに、あいつはまるで自分のように喜んでくれたっけ。 その笑顔が見たくて。あ、でもテントの数が足りないからって同じテントで一夜を過ごしたときは・・・これは語らなくてもいいか。 楽しいときは夢でも早い。あっという間だ。できればここで終わってほしい。 でも始まる。悲しい思い出。 それはいつも集中治療室へ走るところから。
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218 :その3[sage]:2010/01/07(木) 23:46:10 ID:eYP+AqaH0 - 「ちくしょう、俺が油断なんてしたから・・・!」
あいつが目を覚ましたと連絡を受けてここまで5分。また意識を失ってないだろうか? やっと着いた。クソッ、宿舎より遠い格納庫なんかにいたから余計にかかっちまった。 コンコン ノックはマナー、いつも怒りながら言ってたな。でも俺はあいつの顔をまともに見れるんだろうか。 あいつは俺を許してくれるんだろうか。 「どうぞ」 重い扉を開けるとそこには何本もの管を体にさして横たわるあいつがいた。 「えへへ、失敗しちゃった・・・」 「ばかやろうっ、それは俺のセリフだっ・・・!わりぃ!」 「大丈夫だよ・・・また2人で一から頑張っていこ?」 「あぁ!あぁ!!今度はちゃんと2人で最初から頑張ろうな!だから必ず戻ってこいよ!」 結局その後一緒に出撃することはなかった。 あいつはコクピットに乗れなくなってた。PTSDってヤツらしい。 「私ね、オペレーターになろうと思うんだ。」 突然聞かされた。どうしていいか分からない。PTSDがなんだ、一緒に乗り越えればいいじゃないか。 「あ、でもあんたの敵に回りたくないから中央の人事部のほうに入れてもらえることになったの。 隊長凄いんだよ!上層部の人に無理やり了承させちゃった!これで私もまだまだサポートできるね。」 なんでそんなに明るい声出せるんだよ、どうしてそんな風に笑ってられるんだよっ! 俺にはできねぇよ、考えられねぇよ!おまえがいない日々なんて!! 何も言葉に出来ない。押し黙るしか出来ない。 「泣いてんじゃないわよ・・・あんたが泣いてると笑ってお別れできないじゃん・・・」 頬に添えられた手はとても冷たくて、まるで涙に濡れたようだった。
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219 :その4[sage]:2010/01/07(木) 23:47:04 ID:eYP+AqaH0 - ふぅ、やっぱり何回見てもキツい。
うちの隊の連中にはこんな想いは絶対にさせちゃいけないな・・・ もうそろそろ終わるだろう、そして寝汗びっしょりで起き上がるんだ。 普段ならそうなのに、今日はちょっと違う。 泣きながら笑ってるあいつが何か言おうとしてる。なんだろう。 「じゃあ約束する。また会うことがあったらそのときは絶対一緒にいるね。忘れないでよ?」 急速に明るくなる視界。目を覚ますと見慣れない天井。 「んっ、ねぇ、どうしたの?」 すぐ横には見慣れた顔。そうか、ここはあいつの部屋か。そういえば昨日は泊まったんだっけな。 「なんでもねぇよ、真面目っ子」 「あら、また懐かしい呼び方ね。この熱血バカ。」 「・・・昔の夢を見ていた。」 「えへへ、あたしも。」 そういうと眠たげに顔を摺り寄せてくる。 「ようやく思い出したよ。待たせて悪かったな。」 そっと抱き寄せる。ずっと探してたこの温もり。 「遅いぞ、このバカ・・・でも思い出したなら許すっ・・・」 「ねぇねぇ、今日の予定ってどう?」 「あぁ、戦闘記録の提出は昨日済ませたからオフだな。ブラストの修理は整備班に任せればいいさ。」 「じゃあちょっとだけ待っててくれる?人事会議があって新任の振り分けがあるの。 それが終わったらすぐに戻ってくるから。ね?」 「新任か。活きがいいやつがいるといいな。」 「あ、ダメよ?あんたのところには1人も回さないんだからっ。私の順番がまた遅くなっちゃうもんっ」 「そういえば、そうなるな。じゃあ遠慮するか。」 そっと口づけを交わす。思えば俺はずっとこいつのことを想ってたんだな。 やっぱり言葉にしてやらないと。俺も男だ。 「愛してる。」 泣き出しそうなこの笑顔を俺はもう2度と離さない。今度こそ。
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220 :ゲームセンター名無し[sage]:2010/01/07(木) 23:50:41 ID:eYP+AqaH0 - >>208-210の〆としてここまで一気に書かせていただきました。
個人的にはパートナーを失ってやさぐれたときに出会ったナルシーとの日々、とか いろいろ書きたいナーと思わないでもないですが、これはこれでおしまいでもいいかもしれませんね。 後日談もいいかも。 死亡フラグなんて安易なオチは使いたくないっ、基本はやっぱりハッピーエンドっ!
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