- ラビン・ユー
892 :見ろ!名無しがゴミのようだ![sage]:2011/07/17(日) 21:31:08.95 ID:2qDKPdSg - 1時間後…
恭介と、連絡を受けたあかねが慌ててやって来た。 「ごめんね、呼び出して。」 申し訳なさそうに言うまどかに 「ううん、でも驚いたあ。」 あかねも少し年上の『まどか』にびっくりしている。 「ねえ、これどういうこと?」 まどかはあかねに尋ねた瞬間、 それまで黙って3人を見ていた彼女が 「春日クン!」 「え?」 恭介に詰め寄るといきなり抱きついた。 「春日クン、もう逢えないかと…」 「え?…え?」 びっくりして体をこわばらせる恭介。 「ちょ…ちょっと!何すんのよ!!」 慌てて間に入ると、無理やり二人を引き離した。 「一体、何なの!?」 まどかの口から大声が出てしまった。
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893 :見ろ!名無しがゴミのようだ![sage]:2011/07/17(日) 22:01:32.23 ID:2qDKPdSg - ソファに2人ずつ向かい合わせに座る4人。
年上のまどかは恭介の傍から離れようとしない。 ソファに向かい合わせに座るまどかは面白くない。 (何であたしがこっちなのよ!) 隣に座るあかねがまどかをなだめている。 「ねえ、どういうことですか?」 年上の自分に言い放つと、じろっと恭介を睨む。 (ひ、ひえ〜…) たじろぐ恭介。どうしていいのか分からない。 けんか腰になるまどかを一旦落ち着かせようとあかねが提案。 「ね、ねえ、まどか。コーヒー入れようか?」 「お願い。」 ブスっと応える。 「あたし、5年間探してた。あなたのことを想わない日はなかったよ。」 「え?ど、どういうことですか?」 みつめる彼女に恭介はタジタジ。 カチャン!! カップを受け皿に強く置くまどか。 冷静を装うも、怒りのオーラが恭介に降り注ぐ。 (ひ、ひえ〜…) 彼女は5年分の想いから、感情が先に立って言動を抑えられない。 「あなたが居なくなって…私は初めて目が覚めて…追いかけたのに どこにも手掛かりがなくって…どうしていいのか…どうしたらいいのか…」 思わず恭介の手を握った。 (な、何を!!) 慌てて立ち上がろうとするまどかをあかねは一生懸命に制する。
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895 :見ろ!名無しがゴミのようだ![sage]:2011/07/17(日) 22:07:28.61 ID:2qDKPdSg - 年上のまどかはとても美しかった。
でも、どことなく薄幸な雰囲気。 そんな彼女に見とれている恭介が我慢ならない。 「ねえ、どうして年上のあたしがここに居るのよ?!」 まどかはちょっと怒り口調であかねに訊いた。 (まあ、まあ…) あかねはちょっと考えて 「ねえ、まどか…『まどかさん』の持ち物何か持ってこなかった?」 「え?」 不意を突かれてちょっと考える。 (…!!そうだ!) まどかは恭介に睨みを利かせると、慌てて2階に上がった。 机の引き出しを開けると、そこにはレシートとカードが2枚あった。 まどかは持って下りてくると申し訳なさそうにテーブルの上に置いた。 「あっ!それ、あたしの!返してよ!」 取り上げると年上のまどかは5歳年下のまどかを睨んだ。 「ごめんなさい。」 「それだあ…まどかがあっちの『まどかさん』の物持ってきちゃったから…」 「あ!こ、これ…」 レシートを眺めていた恭介が印刷されている西暦に気付いた。 「今から5年後だ!」
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896 :見ろ!名無しがゴミのようだ![sage]:2011/07/17(日) 22:16:39.73 ID:2qDKPdSg - それまで大人しく聞いていた彼女が口を開いた。
「ねえ、一体どうなってるの?何であなた達あたしの家に居るの?」 「それは逆で…ここはあなたの世界じゃなくって…」 説明しようとするも、あかねも混乱してきた。 全く自分たちと関わりの無い世界に『飛ばした』はずなのに 彼女は恭介を知っている。 その世界でも二人は出会っていた。 そして… 逆にあかねが訊ねてみる。 「ごめんなさい、まどかさん。あなたこそ、どうしてここに居るんですか?」 「え?…そう言えば…」 さっきまでハワイに居たはず。 気付いたら、自分の出身校の校庭に居た。 何が何だかわからないままフラフラと『自宅』へ来てみたことを話した。
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898 :見ろ!名無しがゴミのようだ![sage]:2011/07/17(日) 22:33:04.31 ID:2qDKPdSg - 「あかね…どうすんだよ?明日じいちゃんに…」
彼女が話に加わる。 「おじいちゃんって、春日クンの?」 「え?あ、知ってるんですか?」 「ええ。でも、5年前からみんな行く方が分からなくって…」 「じゃあ、5年前の俺たちはどこに行ったんだよ?」 3人があかねを見つめる。 「ああ、んもう!さっぱりわかんない!!」 (…あ〜、また怒られるよ…) 頭を抱え込んでしまった。 「と、取り敢えず…今日はもう遅いし…。」 「お願い、春日クン。もう、どこにも行かないで!」 年上のまどかが恭介の手を取るのを見て、まどかが詰め寄った。 「んもう!いい加減にしてよ!!」 恭介は二人のまどかに挟まれ弱り果てている。 結局、続きは翌日ということで、あかねと恭介は一旦帰ることにした。 一方、まどかは自分の分身と夜を共にすることとなった。
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