- 【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ127
663 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2020/04/04(土) 20:14:25.16 ID:FJ+APT7G0 - >>662
乙 原村和は須賀京太郎の彼女である。 「はあ」 憂いを帯びた表情でため息を吐く姿さえ様になる美少女だ。 「のどちゃんどうかしたのか? さっきからため息ばかり吐いて幸せが逃げちゃうじぇ」 「そうだよ、何か悩みがあるなら相談に乗るよ」 「そうじゃな微力ながらわしも力になるけぇ」 友人の優希と咲に先輩のまこにまで心配され、和は迷う。 悩みの内容はとてもプライベートなことなのだ、話しても良いのかさえ経験の浅い和にはよく分からない。 「須賀くんと何かあったのかしら?」 核心を突く久の言葉にギクリと反応してしまう。 「喧嘩でもしたんか?」 目敏く気づいたまこの問いに和は首を振る。 「犬が何か嫌なことでもしたのか?」 親友を案じ、代わりに怒ってやるとばかりに力む優希にも違うのだと慌てるように彼女は否定する。 「京ちゃんのことで悩んではいるんだよね」 「話してみたら楽になるし、良い解決案が浮かんだり、何か提案出来るかもしれないわよ」 力強く頷き、頼って良いのだと示す部活の仲間に和も気が緩む。 一人で悶々と思考していても答えは出ず、彼氏の京太郎に直接聞くのも憚れる。 「実は……」 それでも内容が内容なだけにすらすらと口にすることは出来ない。 和を焦らせることなく、四人は黙って聞き手に回った。
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664 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2020/04/04(土) 20:15:05.19 ID:FJ+APT7G0 - 「先日、京太郎くんの家にお泊まりしたんです」
京太郎の愛ペットであるカピバラと戯れ、勉強を一緒にし、夕食も供にした。 その日は彼の両親が不在で、彼女の父も母のいる東京に訪ねていた。 「その、私もそう言うことに興味はありましたし、彼のことが本当に好きですから、嫌ではなかったというか…」 顔を赤らめながらしどろもどろに艶話を告白する和に四人は何とも言えない表情を浮かべてしまう。 ニヤニヤ笑えば良いのか、からかい場を和ませるべきなのか。 「うんうん、エッチな和は須賀くんとの行為に不満があったの? 上手く出来なかったとか?」 年長者の久がイヤらしく口元を歪めながら和に尋ねた。 「べっ、別に、私はエッチじゃありません!」 「はいはい、それでどうなのよ?」 「何分、その、は、初めてでしたから上手く出来たのかどうかはよく分かりません」 恥ずかしくて俯く和の初々しい反応に彼女たちも微笑ましく思ってしまう。 「んー、のどちゃん、犬は中折れでもしたのか?」 「中折れ?」 優希の言葉の意味が分からず、和は首を傾けた。 「えっと、中折れって言うのはね、行為の最中にアレがフニャフニャになったりすることだよ」 文学少女である咲は当然のことながら卑猥な言葉の数々も知っていた。 「そ、そうなんですか。いえ、でも、そんなことはなかったですよ。むしろずっと固くて何回も、私も途中から気持ち良く、あっ、あぅぅぅ」 素直に漏れてしまった本心に和は顔を覆い隠すように机に伏せた。 しかし、真っ赤な耳までは隠しきれない。 「なんじゃ、じゃあ和は何に悩んでおるんじゃ? まさか、ゴムが破れてしもうたんか?」 和が回復し、余裕が生まれたのを見計らい、まこは何か重大なトラブルが起きたことを疑った。 「いえ、ゴムは最初から使用してなかったです」
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665 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2020/04/04(土) 20:15:51.76 ID:FJ+APT7G0 - 和のまさかの発言に四人ともギョッとした表情を浮かべる。
「ああ、大丈夫ですよピルを服用していましたから。やっぱり、初めては彼のことをしっかりと感じたかったので」 話の続きに他人ごとながら安堵の息が漏れる。 同時に彼女はやっぱりとてもエッチなのではと四人の中では疑惑が生まれた。 「和は須賀くんとのエッチも上手くいって、トラブルもなく、じゃあ、何に悩んでいたわけ?」 結局、彼女が何に苦悩していたのか判然としない。 和も赤裸々に言葉を重ねたことで吹っ切れたのか戸惑うことなく答えた。 「私はヴァージンだったので色々と緊張して余裕もなくあたふたしていたと思うんです」 初めての恋人、初めての外泊、初めての行為。 当日の和は張り詰めていた。 しかし、何事も無事に終わり、思い返す時間も生まれれば気づくこともあるのだ。 「多分、京太郎くんは女の子とエッチするのが初めてじゃなかったと思います。何と言うかどことなく手慣れていたと言いますか……」 本人に尋ねたわけではないが、和は確信していた。 彼氏が他の人と経験済み。 自分は初めてだったのに相手はそうではない。 乙女な和にとっては大きな凝りであり、悩みとなっていた。 「ねえ、和ちゃんは京ちゃんのことが嫌いになったの?」 「そんなことはありません! 私は彼のことが大好きです!!」 咲の疑問を和は強く否定する。 「悩みの答えは出ているんじゃない。京ちゃんのことが好きなら気にしなくても良いと思うけど」 「そうだじぇ、のどちゃんは拗ねているだけなんだじょ」 「私が拗ねている?」 「京ちゃんのことは変わらずに好きなんでしょ?」 「いいえ、もっと好きになりましたが」 さらりと吐いた和ののろけに咲たちは苦笑してしまう。
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666 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2020/04/04(土) 20:16:41.24 ID:FJ+APT7G0 - 「ははは、自分が初めてでもあいつが違ったのが嫌な気分、気に入らない、のどちゃんの悩みの感情って独占欲だじぇ」
「そうなんでしょうか?」 指摘され、和は自問する。 心の曇りの正体を掴み固めるように友人たちは肯定する。 「そうじゃの、別に京太郎が浮気しているっちゅう話とは違うんじゃろ?」 「ええ、彼は浮気なんてしてません。私がさせません」 「させないって怖いわね」 言葉の綾を取るように久はクスクスとからかう。 「私は京太郎くんの彼女ですから」 和は京太郎の彼女なのだ。 改めて言葉にしたことで想いが固まり、強くなる。 溢れる儘に、決意を示すように、彼女は宣言する。 「たっぷりの愛を注ぎ育み、過去の女のことなんて忘れさせます。余所見なんてする隙を与えません」 悩みが晴れれば、和は迷わない。 頑固頑迷な彼女の愛は深く重い。 聡明な頭脳の計算力をフル活用し、たわわなおもちの実った蠱惑的な身体も利用する。 「今日はありがとうございました。お陰で悩みもなくなりました。私は早速、京太郎くんに会いに行くので先に帰りますね」 すっきりした笑顔を浮かべながら、軽い足取りで和は愛しい人の下へと向かっていった。 カンッ!
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