- 【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ127
563 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2020/03/27(金) 20:36:20.72 ID:Da7Hz3g10 - 京はやネタの一部分投下
あの夏の、鮮烈な出会いから数ヶ月 季節は夏から秋へと移り変わり、葉の色も赤く色付き始め、次第に山陰の冬の気配を感じさせ始める、そんな時期の事だった お久しぶり ベンチに座って缶コーヒーを飲んでいた俺の背後から、よく耳にする、しかし直接聴くことなどまずあり得ないその声 牌のお姉さん、そしてアイドルにしてプロ雀士 瑞原はやり、その人の声だった 「京太郎君、もしかしてよくここに来るの?」 「はい。その、なんと言うか不思議と落ち着くんです。ここ以外にもそんな感じの場所はあるんですけど、特にここは、凄く。」 そっか、そうなんだ。 そう言って微笑む彼女の顔は、なんと言えばいいのか。 慈愛に満ちていて、それでいてどこか扇情的で……そんな想いを持つことは失礼だと言う想いと、それを持たないことは間違っていると訴える本能 「京太郎の牌譜、見せてもらったよ。インカレ、高校の頃と違って男女混合戦で大変だったのに、それでも個人戦三位、立派だったよ。」 誉められた。『あの』瑞原はやりから あの夏の日以降、不思議と不要牌を引く確率が目に見えて減った 高校時代、あの『英雄』たちと、胸を張って仲間だと言えるようひたすら己を磨いた。その中で自分のココイチでの引きの悪さに気付いて心が折れそうにもなった 『英雄』たちから見てもそれは、時に不自然に感じる不運、それが憑いて回っていた それでも、それでも折れずに前に進み、高三のインハイでは個人戦五位という結果をなんとか残すことが出来たが、それでもそれは男子に限った話。女子と比較すると精々強豪校のギリギリレギュラー程度の実力 ただ、それでもあの不運から逃げなかった事は俺の最大の勇気(ぶき)だと信じている そして島根に来て、その不運が若干柔いだ感じはあったが、あの夏の日以降、それが如実に現れていた その結果が、今回のインカレの結果だ。 もちろんトップ層はプロなどに行ったがそれでも女子の強豪も多く残っている その中でそこまでの結果を出すことが出来たのは、本当に嬉しかった そしてなにより、憧れの人に誉めてもらえた事が何よりも嬉しかった
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- 【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ127
564 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2020/03/27(金) 21:03:56.68 ID:Da7Hz3g10 - 「京太郎の高校の頃の牌譜もね、見せて貰ったの。凄く重くて冷たくて暗い、夜の沼みたいな牌譜だった。それでも、星があった。輝きがあった。不条理に負けるかって言う、命の輝きがあった。」
熱に浮かされるように、彼女は話続ける 「そして夜が明けた。天は自ら助くる者を助くって言うけど、それは本当に頑張って頑張って頑張り抜いた人に、神様がくれる表彰状みたいなものなの。その結果は、どこまでも努力した貴方がいて、初めて産まれるものなの。」 高校生活の三年間、努力をするのは当たり前 もっと前から努力している人もいる でも、彼の凄いところはそれじゃない、そこではない プロ一年目にして自分達と同じトッププロとして世界でも戦っている宮永咲を筆頭に、あの世代は第一次宮永世代以上に怪物揃いだった そしてその中でも五指に入る怪物のうち三人が彼のチームメイトだった そんな中で凡才、引きの不運を含めたら無能の烙印を押されるであろうその少年は、その中で折れず腐らず前を向き、才能と言う壁と正面から向き合い戦い抜いた 美しいと思った 泥の中から生じ、しかし、泥に染まらぬ蓮の花のような輝き その輝きに、最初に彼女が抱いた感情は憧憬であった 上には上がいるとは言え、自分は才覚に恵まれていると言う自信もあった それに比べてあまりにも儚い力しか持たない少年が見せた小さな輝きは、しかし、強い熱量(ちから)を持って彼女の心に彼と言う存在を焼き付けた 「京太郎君、私はね。君の麻雀に惹かれたの。だから、こうして、こうやってまたこの場所で会えて、凄く、凄く嬉しいんだ」 そう言って笑う彼女の笑顔は、今まで見てきた、アイドル、牌のお姉さん、プロ雀士、どの瑞原はやりとも違う ただの瑞原はやりとしての、彼女の持ちうる最も「らしい」笑顔は、本当に、ただ、綺麗で、可愛くて、美しくて、それ以外に何も言えなくて…… そして、そんな笑顔を向けてくれたことが、何よりも嬉しかった
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565 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2020/03/27(金) 21:05:08.10 ID:Da7Hz3g10 - とりあえずここまで
さて、なんやかんやどうするかが問題だ
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- 【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ127
567 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2020/03/27(金) 22:03:21.58 ID:Da7Hz3g10 - おまけ
最近、後輩の様子がおかしい 今まで『貴方、私が打ってるときチラチラ見てたでしょう』と私のパイを見ていた後輩が、まったくこちらを見なくなった 今までパイ5%、牌95%だったのが100%牌になってしまった 申し遅れました石戸霞です 今は出雲の大社に修行に来ています そしてその地元の大学にも通っています ※ただし通学に車で一時間弱かかります そんなハードな生活の癒しは今年入ってきた可愛い後輩を愛でること 軽薄そうな外見とは裏腹に、すこしおもち好きな所を除けば、いや、それも含めて努力家で真っ直ぐで情熱的でイケメンで誠実で あと調べてみたらなんと須賀の家系 これもう永水するしかないじゃない!と思っていたらいつの間にかヤバい事になってました 例えば今の出雲は神在月。霧島で修行を積んで、姫様と過ごしたことで九面様とも縁が生まれた私であれば、そのお陰で有象無象の障る御神などは、まあこちらをチラチラ見ることはあれ手を出すことはしない だが、ある夏の日、何を境としたかその後輩はヤバい事になっていた こちらをチラチラ見ているような行き逢い神の類いなども目をそらす 触らぬ神に祟りなし、神様がそんな態度をとっている そりゃ、あの気配をさせてたらねー ただ、彼の少し離れた所にかなり気配を押さえておられはするが、本来ならこのような場所におわす事なんてぶっちゃけありえないほどに貴い御神がそっと見守るように彼を見ている 弟の恋路を応援する姉のような顔で ちなみにあちらはあちらで同じような態度をとっているとられている と言うかいくらその神威を押さえていたところで木っ端の悪霊なぞ近寄っただけで蒸発するわ そっかー、あれ、あれかー 多分出雲八重垣妻ごめに、かー 縁結びしちゃったのかー、私以外の誰かと…… え、手を出せるかって? 無理に決まってるでしょう(迫真) side 霞パイセン編 カンッ エターナルウォーター不可能編
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