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93
悲しき決断
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6

書き込みレス一覧

【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
118 :93[sage]:2011/12/18(日) 17:33:17.05 ID:+5ZaO7mu0
>>78の続きを投稿しようと思います。
思いついたネタを早くひろうしようと頑張りましたが
結局そこまでたどり着けませんでした。ごめんなさい。
ちなみにほむマミでもほむあんでもありません
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
119 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:34:22.27 ID:+5ZaO7mu0
1/18

ほむら「それじゃ行って来るから」

タツヤ「うん・・・行ってらっしゃい」

 タツヤは無理やり笑顔を作り答える
 そんな彼の様子を見てほむらは心が痛んだ
 彼はマミの死の責任を感じているのだ
 自分がこの時代に来たから彼女が死んで
 しまったのではないかと

ほむら「タツヤ、自分を責めないで
    私があの時、協力していればこんな事
    にはならなかったのよ」

タツヤ「・・・」

 ほむらは必死にタツヤを励まそうとするが
 タツヤは黙って俯いてしまう

ほむら「ごめんなさい、あなたを苦しめる事ばかりして」

タツヤ「・・・ねぇ、ほむ姉は怖く無いの?」

 顔を上げたタツヤの表情は暗くなっていた

タツヤ「巴さんが死んじゃって、これからほんとに
    1人で戦わないといけないのに」

ほむら「・・・怖いわ」

タツヤ「なら、もう、」

 ほむらは首を横に振ってタツヤの言葉を遮る

ほむら「私には果たさないといけない約束があるの
    あなたのお姉さんを助けるという約束がね」

タツヤ「姉さんを?」

ほむら「そう、だから私は戦うわ・・・これ、ありがとね
    着けさせてもらうわ」

 昨日タツヤから貰ったミサンガを右手首に着けて
 ほむらは学校に向かった
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
120 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:35:13.86 ID:+5ZaO7mu0
2/18

 昼休憩、まどかは屋上で空を眺めていた
 隣にいるさやかは俯いている
 2人の様子をQBは黙って見ている

まどか「何か・・・違う国に来ちゃったみたいだね
    ・・・学校も仁美ちゃんも、昨日までと全然
    変わってない筈なのに・・・何だかまるで
    知らない人達の中にいるみたい」

 空を見つめたまままどかは自分が思っている事を呟く

さやか「知らないんだよ、誰も」

まどか「え?」

さやか「魔女の事、マミさんの事・・・
    私達は知ってて、他のみんなは何も知らない
    それってもう、違う世界で違う物を見て
    暮らしてる様なもんじゃない?」

まどか「さやかちゃん」

さやか「とっくの昔に変わっちゃってたんだ・・・
    もっと早くに気づくべきだったんだよ、私達も」

 そうもっと早く気づけばマミさんも・・・ 

さやか「まどかはさ、今でも魔法少女になりたいって思う?」

 さやかの問いにまどかは何も言えず俯いてしまう

さやか「・・・そうだよね。しかたないよ」

 さやかは優しくまどかの肩に手を置く

まどか「・・・ズルイって分かってるの
    今更虫が良すぎだよね。でも・・・無理
    私、あんな死に方、今思い出しただけで
    息が出来なくなっちゃうの」

 怯え泣きながら心の内を明かすまどか
 彼女の思いを聞くさやかの顔はとても寂しそうな顔だった

まどか「怖いよ、ヤダよ」

 さやかは静かにまどかを抱きしめ自分の心の内を明かす

さやか「マミさん、本当に優しい人だったんだ
    戦う為に、どういう覚悟がいるのか
    私達に思い知らせる為に・・・あの人は」

 己の涙を見せまいとさやかはさらに強くまどかを抱きしめる
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
121 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:35:51.22 ID:+5ZaO7mu0
3/18

さやか「ねぇQB、この町どうなっちゃうのかな?
    マミさんが居なくなって、これから誰が
    マミさんの変わりにみんなを魔女から
    守ってくれるんだろう?」

 マミが命を懸けて必死に守ってきた見滝原
 このままではそれが魔女達によって壊されていく

QB「長らくここはマミのテリトリーだったから
   空席になれば他の魔法少女が黙ってないよ
   直ぐにも他の子が魔女狩りの為にやってくる」

 安心させる様にQBは言うがさやかは逆に不安になる

さやか「でもそれって、GSだけが目当ての奴なんでしょ?
    ・・・あの転校生見たいに」

QB「確かにマミ見たいなタイプは珍しかった
   普通はちゃんと損得を考えるよ。誰だって報酬は欲しいさ」

さやか「じゃあ、」

QB「でも、それを非難出来るとしたらそれは同じ
   魔法少女としての運命を背負った子だけじゃないかな?」

まどか&さやか「あ・・・」

 QBの言っている事は正しい
 ほむらはただ守られていただけの自分達と違い
 マミの様に死んでしまうかもしれない運命を
 受け入れて魔法少女になったのだ
 その覚悟に対してどんな文句を言えるというのだ

QB「マミの言っていた通り僕は明日の放課後まで待つつもりだ
   それまでにどうするか決めておいてね」

 それだけ言うとQBはどこかへ行ってしまう

さやか(明日・・・か)

 まどかと違いさやかはまだ迷っていた
 このまま黙ってこの町をほむらに任せるのかを
 そして奇跡を叶えるチャンスを放棄するのかを
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
122 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:36:50.49 ID:+5ZaO7mu0
4/18

 放課後さやかと別れるとまどかはマミの家に向かった
 その途中携帯が鳴る。電話に出るとタツヤからだった

タツヤ「あの、今・・・大丈夫ですか?」

 電話の向こうの声は元気が無い
 マミが死んだ事を知っているのかもしれない

まどか「マミさんの事・・・ほむらちゃんから聞いたの?」

タツヤ「・・・はい」

 そこで2人とも黙ってしまう
 しばし沈黙が続いた後タツヤが再び話始める

タツヤ「ほむ姉は、どうしてあなたと約束したんですか?」

まどか「約束?」

タツヤ「ほむ姉言ってました
    まどかさんを助ける約束をしたと
    それは果たさないといけない約束だと」

 苦しみを吐き出す様にタツヤは続ける

タツヤ「でも僕、もうほむ姉に戦って欲しく無い
    もうほむ姉が死ぬのを見たく無い
    だからまどかさんから言ってあげて下さい
    もう守らなくていいって、戦わなくていいって」

 懇願するタツヤだがまどかは困惑してしまう
 ほむらとその様な約束をした覚えはないのだ
 しかし彼の願いを無下には出来ない

まどか「分かった、言ってみるよ。ほむらちゃんに」

タツヤ「ありがとう、ございます」

 泣きながら礼を言うタツヤを慰めて電話を切り
 まどかはゆっくりと歩き始める
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
123 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:38:04.28 ID:+5ZaO7mu0
5/18

 マミの家に着いたまどかはインターホンを鳴らす
 しかし当然の様に誰も出てこない

まどか「当たり前だよね・・・」

 昨日、確かにこの目でマミが殺されるのを見た
 しかしここに来ればマミが居て自分を迎えてくれる
 そんな馬鹿な事を考えてしまったのだ

まどか「マミさん・・・」

 まどかはノートを握りしめながら涙を流し始める

ほむら「あなたが悔やむことはないわ」

 声をかけられ振り返るとそこに花を持ったほむらがいた

まどか「ほむら、ちゃん?」

ほむら「あなたは自分を責めすぎているわ
    巴マミが死んだのは私のせい・・・
    だからあなたは気にしなくてもいいの」

 言いながらほむらはドアへ近づき魔法で鍵を開ける

ほむら「あなたも入る?」

まどか「え、う、うん」

 家の中は以前来た時と何も変わっていなかった
 しかしマミはもう2度とここへ帰って来る事は無いのだ
 ほむらはテーブルの上に花を置く
 それにならってまどかもノートを置いた
 
まどか「私がもっと早くにほむらちゃんの言う事
    聞いてたらマミさんは・・・」

ほむら「それで巴マミの運命が変わった訳じゃ無いわ」

 そう、さやかを助けようとしてマミは死んだ
 自分が協力していたらマミも助かった筈なのだ

ほむら「巴さんは助けれなかったけど・・・あなたは助けれた
    1人助かっただけでも私は嬉しい」

 まどかは違和感を感じたがほむらは続ける

ほむら「明日、奴にはっきりと言いなさい
    魔法少女にはならない、なりたくないと
    誰もあなたを非難しないわ」

 まどかを見てはっきり言うほむら
 しかしまどかはほむらもマミの様に死んで
 しまうのではないかと不安だった
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
124 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:39:43.71 ID:+5ZaO7mu0
6/18

まどか「ほむらちゃんは戦うのが怖くないの?
    マミさんが死んじゃってこれから
    1人で戦わなくちゃいけないのに」

 それを聞いたほむらは小さな声で呟いた

ほむら「・・・姉弟で同じ様な事、聞くのね」

まどか「え?」

 良く聞き取れなかったまどかにほむらは続ける

ほむら「何でも無いわ・・・私は怖く無い
    例え1人で戦い続ける事になっても」

 凛とした表情に迷いは感じられなかった

まどか「でもタツヤ君もすごく心配してるんだよ」

 そこでまどかはタツヤの言っていた言葉を思い出す
 彼はもうほむらが死ぬのを見たく無いと言っていた
 それはただの言い間違いだったのだろうか?

ほむら「どうして、あなたが・・・」

まどか「タツヤ君、私に話してくれたの
    ほむらちゃんが魔女と戦ってるの知ってるって
    でも彼はもうほむらちゃんに戦って欲しく無い
    と思ってる。だから、」

ほむら「そう・・・でも私は誰が何と言おうが戦うわ
    そして私も巴マミの様に死んでいくんでしょうね」

まどか「そんな」

 ほむらの言葉を聞きまどかは再び涙を流し始める

ほむら「しかたないわ、そういう契約で私達はこの力を手に入れたの
    誰の為でもない、自分自信の祈りの為に戦い続けるのよ」

 そうやって身も心も壊され奴に搾取されていく
 まどかを守る為なら自分はそれでも構わない
 しかしタツヤをそんな目には遭わせたくない
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
125 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:41:35.50 ID:+5ZaO7mu0
7/18

ほむら「・・・もし私が死んだらタツヤの事お願い出来るかしら?」

まどか「タツヤ君・・・を?」

ほむら「あの子は私の本当の従弟じゃないの
    私がいなくなったら1人ぼっちになってしまう
    だから、私はあなたに頼むしかないの・・・」

 言いながらほむらは自分がおかしな事を頼んでると思う
 元々彼はまどかの弟なのに彼を巻き込んだ張本人である
 自分が今更まどかに何を頼んでいるというのか

ほむら「・・・今の事は忘れて
    そして明日、奴に断ったら全てを忘れなさい」

 立ち去ろうとするほむらにまどかは涙を拭って強く反論する

まどか「私は覚えておく、マミさんの事忘れない。絶対に!」

ほむら「・・・そう。そう思ってもらえているなら
    巴マミも喜んでる筈よ・・・羨ましいわ」

まどか「ほむらちゃんだって
    ほむらちゃんの事だって私は忘れないもん
    昨日助けてくれた事絶対忘れたりしないもん」

 ほむらを励まそうとするまどかだがその言葉は逆に彼女を傷つけた

ほむら「あなた達は優し過ぎる」

まどか「え?」

 自分の身を顧みず他人を助けようとする優しさ
 そんな所が姉弟そろってそっくりだ
 振り返りまどかを見ながらほむらは言い放つ

ほむら「忘れないと言うならこれも覚えておいて
    優しさがもっと大きな悲しみを呼び寄せる事もあるの」

まどか「それって」

 聞き返そうとするまどかを置いてほむらはマミの家から出て行った
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
126 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:42:37.16 ID:+5ZaO7mu0
8/18

 まどかと電話した後気分を変えようとタツヤは外に出た
 あの生き物を探そうとするがどうしても考えてしまう
 ほむらは必死にその事を否定してくれたがそれは単に
 自分を庇ってくれているだけだろう

タツヤ「僕のせいで・・・」

 マミが死んだ原因、過去が変わった理由
 それは未来から来た自分としか考えられなかった
 自分が来たせいでみんなの行動が変わり
 結果、巴さんが死んでしまったのだ

タツヤ「・・・」

 確かにほむらを助けたいと願った
 だからと言って他の誰かを犠牲にしたかった訳ではない

タツヤ「何で・・・巴さんが・・・」

 仮に誰かが犠牲になるのなら自分で良かったのに
 
タツヤ「僕が、巴さんを・・・」

 立ち止まり涙を流すタツヤ
 そのタツヤの心に誰かが語り掛ける

《なら責任を取って死のうよ》

タツヤ「僕が責任を取れば・・・」

《そうだよ、生き返るかもしれないよ》

タツヤ「そうだ、僕が死ねば・・・」

《でも死ぬのは怖いよ。だからみんなで一緒に》

タツヤ「そうだ、みんなと一緒に死ねば良いんだ」

 呟く様に言うとタツヤはふらつく足取りで歩き出す
 その首元に魔女の口付けが浮かび上がった
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
127 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:43:23.29 ID:+5ZaO7mu0
9/18

 夕暮れ時、恭介は病院の個室で窓の外を見ながらCDを聴いていた

さやか「何を聴いているの?」

 お見舞いに来たさやかが話しかけるが恭介は
 彼女の方を見ずに答える

恭介「・・・亜麻色の髪の乙女」

さやか「ああ、ドビュッシー?素敵な曲だよね」

 笑いながらさやかは言うが恭介は何の反応もしない

さやか「あ、あたしってほら、こんなだからさ、クラシックなんて
    聴く柄じゃないだろってみんなが思うみたいでさぁ
    たまに曲名とか言い当てたら、すごい驚かれるんだよね
    意外すぎて尊敬されたりしてさ・・・恭介が教えてくれたから
    でなきゃ私、こういう音楽ちゃんと聴こうと思うきっかけ
    なんて多分一生なかっただろうし」

 昔を懐かしみながら語るさやかに恭介は静かに話かける

恭介「さやかはさぁ・・・」

さやか「なーに?」

恭介「さやかは僕を虐めてるのかい?」

さやか「え?」

 恭介はイヤホンを取ると冷たい目で驚いているさやかを見る

恭介「何で今でもまだ、僕に音楽なんか聴かせるんだ
   嫌がらせのつもりなのか?」

さやか「だって恭介、音楽好きだから・・・」

 恭介に嫌われたと思いシュンとなるさやか
 そのさやかに恭介は怒りをぶつけた
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
128 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:44:09.01 ID:+5ZaO7mu0
10/18

恭介「もう聴きたくなんかないんだよ!
   自分で弾けもしない曲、ただ聴いてるだけなんて
   僕は・・・僕は、うぁぁぁ!!」

 叫びながら恭介はCDプレイヤーを左手で叩き壊した
 割れたCDにさらに手をぶつけようとする彼を
 必死に抑えるさやか

恭介「動かないんだ・・・もう、痛みさえ感じない
   こんな手なんてっ」

さやか「大丈夫だよ。きっと何とかなるよ
    諦めなければ、きっといつか・・・」

 笑顔で励ますさやかだが恭介は泣きながら続ける

恭介「諦めろって言われたのさ」

さやか「え」

恭介「もう演奏は諦めろってさ・・・先生から直々に言われたよ
   今の医学じゃ無理だって」

さやか「・・・」

恭介「僕の手はもう2度と動かない
   奇跡か、魔法でもない限り治らない」

 悔しそうに泣き続ける恭介にさやかは答える

さやか「あるよ」

恭介「え?」

さやか「奇跡も、魔法も、あるんだよ」

 ほむらは自分は魔法少女になるべきでないと言った
 マミは自分の願いを履き違えるなと教えてくれた
 魔法少女になった自分がどれだけの事を出来るかは分からない
 1つ確かなのは、今苦しんでいる愛する人を救えるという事

さやか(なら、それで良い)

 揺れ動いていたさやかの心は遂に1つの決断を下した
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
129 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:45:46.71 ID:+5ZaO7mu0
11/18

まどか「タツヤ君はいったい・・・」

 家に向かいながらまどかはタツヤの事を考える
 ほむらは彼が自分の本当の従弟では無いと言った
 しかし彼をとても大切に思っているのが分かる
 彼が家の電話番号を知っていたのも変だ
 基本的にまどかは友達には自分の携帯番号を教えている
 自分の家に直接電話を掛けてくるのは親戚ぐらいだ
 そして彼に会った事がある様な感覚

まどか「タツヤ・・・」

 自分の弟と同じ名前の少年、もしかしたら彼は・・・

まどか「あれ?仁美ちゃん・・?」

 まどかは手ぶらで前を横切って行く仁美を見つける

まどか「仁美ちゃ〜ん。今日はお稽古事・・・」

 仁美に声をかけながら近づくまどかは
 彼女の首に付いているアザの様な物を見つける

まどか(あ、あれ・・・あの時の人と同じ)

 マミが助けたOLにも付いていた魔女の口付け
 それが仁美にも付いているのだ
 まどかは仁美の肩を掴み必死に呼びかける
 焦点の合っていなかった彼女の目がまどかを向く

仁美「あら〜鹿目さん、ご機嫌よう」

まどか「ど、どうしちゃったの?ねぇどこ行こうとしてたの?」

仁美「どこってそれは・・・ここよりもずっといい場所、ですわ」

まどか「仁美ちゃん」

仁美「ああ、そうだ。鹿目さんもぜひご一緒に
   えぇそうですわ、それが素晴らしいですわ」

 そう言うと仁美はまたフラフラと歩き出す

まどか「ああ、どうしよ・・・このままじゃ」

 ほむらに連絡を取りたいが自分は彼女の携帯番号を知らない

まどか「そうだ!」

 放課後タツヤが自分の携帯に電話を掛けてくれた
 その番号にリダイヤルすれば、彼から直接
 ほむらへ連絡してもらえる筈だ
 まどかは心苦しいが祈る様に電話を掛ける事にする
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
130 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:47:10.01 ID:+5ZaO7mu0
12/18

ほむら「ただいま」

 ほむらはまどかと別れた後真っ直ぐに家に帰った
 今朝、元気の無かったタツヤを少しでも早く
 励まして上げたかったのだ

ほむら「タツヤ?」

 しかし家には誰もいなかった
 変わりに固定電話の留守電ボタンが
 点滅しているのに気づきボタンを押して見る

まどか〔タツヤ君?これを聞いたら直ぐにほむらちゃんに
    私の電話番号教えて連絡する様に伝えて!
    仁美ちゃんが危ないの!〕

ほむら「まどか!」

 まどかの助けを求める声を聞きほむらは直ぐにリダイヤルする

まどか「もしもし、タツヤ君?」

ほむら「私よ、今どこにいるの?」

まどか「え、ほむらちゃん?」

ほむら「直ぐに行くから場所を教えて!」

まどか「う、うん」

 まどかから仁美が向かっている工場の場所を
 聞きほむらは家を飛び出して助けに向かう

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 仁美と工場内に入ったまどかは辺りを見わたす
 工場内にいる人には仁美と同じ様に
 魔女の口付けのある人が10人以上もいた
 そしてその中にはタツヤの姿もあった

まどか「タツヤ君!?」

タツヤ「あぁ、姉さんも来たんだね」

まどか「え?」

 笑顔でタツヤはまどかの手を引き工場内の中央へ連れて行く
 そこでは何人かが酸性の洗剤を大量にバケツに入れていた
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
131 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:48:15.44 ID:+5ZaO7mu0
13/18

タツヤ「ねぇ、この人達が何してるか分かる?
    僕は母さんから教えてもらったから分かるよ」

 自信まんまんに言うタツヤは奥からポリバケツを
 重たそうに持って来ようとする人を指差す

タツヤ「あのポリバケツの中身をこの中に入れると
    凄い事が起きるんだよ!」

 それはまどかも知っている
 以前自分も母から酸性の洗剤とアルカリ性の洗剤を
 混ぜると家族全員が死んでしまうと教わったのだ

まどか「ダメ・・・それはダメ!」

 まどかは急いでバケツを掴みそのまま
 窓の近くに駆け寄り外に投げ捨てる
 息を整えながら振り返ると中にいた人が
 みんなこちらを睨んで近寄ってくる

まどか「あ、あぁ」

 まどかは壁伝いに必死に逃げ個室に飛び込み鍵をする

まどか「ど、どうしよっ・・・どうしよっ」

 ドンドンとドアを叩く音を聞きながら外へ
 出れる場所を探そうとするが見つからない
 すると不気味な声が聞こえてきた
 声のする方を見ると黒い影が膨らんでくる

まどか「や、やだ、こんな・・・」

 まどかは後ずるが直ぐに追い込まれる
 気づけば周りには魔女の手下が沢山いた

まどか「あ、いやだっ、助けて、誰かあぁぁ!」

 絶叫しながらまどかは魔女の結界に飲み込まれていった
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
132 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:51:06.11 ID:+5ZaO7mu0
14/18

 魔女の結界内に捕らわれたまどかは必死に逃げようと
 するが体のどこも自分の思い通りには動かない

まどか「罰なのかな・・・これって
    きっと私が、弱虫で、嘘つきだったから
    ・・・バチが当たっちゃたんだ」

 まどかはマミの事を考えながら呟く
 こんな卑怯な自分が酷い目に遭うのは当然に思えた

まどか「あ、あああ!」

 手下がまどかの四肢を引っ張り彼女を引き裂こうとする

まどか「あ、あぁ。あっああああ」

 まどかが引き裂かれそうになる寸前
 彼女を掴んでいた手下が何者かに倒されていく

まどか「え?・・・さやかちゃん!?」

 まどかを助けた青い魔法少女それはさやかだった
 周りにいた手下が彼女に群がっていく
 しかしさやかは手下が捉えきれないスピードで
 翻弄して、確実に1体ずつ倒していく
 手下を全て倒したさやかは一気に魔女へ突っ込んだ

さやか「でりゃぁ!」

 魔女を空へ叩き上げ魔力を剣に込める

さやか「これで、とどめだぁ!!」

 全力で放たれたさやかの剣は魔女を貫き結界を消滅させた

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ほむら「まどか!」

 工場内に入ったほむらは大量に横たわっている
 人の中から必死にまどかを探す

ほむら「タツヤ!?」

 横たわるタツヤを見つけ彼の元に駆け寄り抱き起こす

ほむら「タツヤ、しっかりして」

 タツヤはほむらの呼びかけには答えなかったが
 静かに息をしており気絶してるだけの様だった
 安心したほむらがまどかを探そうとした時
 個室からまどかとさやかが出てきた

ほむら「!?」

 そのさやかの格好は契約をした魔法少女の物だった
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
133 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:52:15.73 ID:+5ZaO7mu0
15/18

 ほむらを見つけたさやかは睨みながら挑発する

さやか「ふん、遅かったじゃない、転校生」

ほむら「あなたは・・・」

さやか「あんたは私に魔法少女になるなって言ったけど
    私はこの願いを絶対に後悔しない!
    マミさんが守ってきたこの町はマミさんに助けて
    貰ったあたしが守って見せる!!」

 怒りと悔しさに震えながらほむらもさやかを睨む
 忠告は無駄だと分かりきっていた事なのに震えは止まらない

ほむら「・・・っ」

 吐き出したい本音を押さえまどかの方を見た
 彼女にも目立った傷は無く安堵する
 ほむらはタツヤを背負いって立ち上がると

ほむら「今日は礼を言っておくわ
    けど・・・私はあなたが許せない」

 そうさやかに冷たく言い放ちそのまま立ち去っていった

さやか「べーだ」

まどか「さやかちゃん、ありがとう。・・・でも、どうして?」

さやか「ん?あーはっは、まぁ何、心境の変化って言うのかな?」

 おどけながらさやかは言うがまどかは逆に悲しくなる

さやか「ん?大丈夫だって!初めてにしちゃあ
    上手くやったでしょ?私」

 まるで気にしていない様に振舞うさやかだが
 付き合いの長いまどかは彼女が無理を
 しているのが直ぐに分かってしまった

まどか「さやかちゃん・・・」

 まどかはもう引き返せない道を選んだ親友を
 ただ悲しそうに見つめていた
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
134 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:52:49.31 ID:+5ZaO7mu0
16/18

 魔法少女になったさやかの末路
 それはほむらの知っている限り悲惨な物だった
 己の本性に気づいて絶望し仲間を巻き込んでいく
 彼女の願いは始めから間違ってるのだ

ほむら(何故、あんな馬鹿な願いを)

 他人の為に自分を犠牲にする
 しかしそれには限度がある

ほむら(彼女はもう切り捨てるしか・・・)

 冷酷に見える決断を下そうとするが中々踏ん切りがつかない

ほむら(何で、何でなの)

 自分の甘さに苛立ちを覚える
 さやかを切り捨てて何が悪いというのだ
 彼女はまどかの様な自分を救ってくれた大切な人では無い
 マミの様に優しくて頼れる先輩でも無い
 杏子の様な背中を任せれる戦友でも無い
 なのに何故自分は彼女を切り捨てるのを躊躇うのか
 
ほむら(・・・まどかが悲しむから)

 親友であるさやかの苦しむ姿を見れば
 まどかもまた苦しんでしまう、自分はそれが嫌なのだ 

ほむら(でも、もう諦めてもらうしか)

 まどかをこれ以上苦しめない為には
 さやかとは関わらない様にしてもらうしかない
 自分を納得させる様にそう思うほむらだが
 心に残るしこりは取れなかった


 ほむらは忘れてしまっている
 遠い過去にさやかと共に過ごした日常を
 彼女も助けたかった自分の大切な友人だった事を
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
135 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:53:35.38 ID:+5ZaO7mu0
17/18

 家に帰ったほむらはタツヤをベットに寝かせ彼のSGを確認した
 案の定、穢れが溜まっていたのでGSを取り出し穢れを吸わせる

ほむら(このGSはもう使えないわね)

 GSをこのまま放置すると孵化してしまう
 他の魔法少女はQBに処理してもらいそれを防ぐ
 しかしほむらはこれを奴にやるつもり等無かった
 1度外に出て近くにある、空き地の土の上にGSを置く
 盾から取り出した銃にサイレンサーを付けGSを砕いた
 そして土に埋まった弾丸と空薬莢を回収する
 奴はGSの1つや2つを失ったところで
 おそらく何にも感じたりはしないだろう
 自分のしている事は意味の無い事かもしれない
 それでもほむらはただ黙って差し出す気にはなれない
 寝室に戻るとタツヤは起きていた

ほむら「大丈夫?気分は悪くない?」

タツヤ「僕、どうしてここに?あの時たしか・・・」

 あやふやな記憶の糸を手繰りよせ先程の惨状を思い出す

タツヤ「あ、」

ほむら「・・・ごめんなさい。あなたを
    あんな風になるまで追い詰めてしまって」

タツヤ「違う、僕のせいだ。僕のせいで巴さんが死んで
    しかも姉さんまで巻き込もうとして」

 布団を握り締めながら泣き始めるタツヤを
 撫でながらほむらは優しく語りかける

ほむら「ねぇ、タツヤ。何で私はあなたの話を信じたと思う?」

タツヤ「え?」

ほむら「未来から来たという話、普通なら信じないわ」

 言われて見れば確かにそうだ
 たとえSGを持っていても未来から来た証拠にはならない

タツヤ「それは・・・」

ほむら「私もね、あなたと同じで未来から来たの」
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
136 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:55:01.67 ID:+5ZaO7mu0
18/18

 突然のほむらの告白にタツヤは言葉を失う

ほむら「私の場合は1ヵ月先の未来から
    あなたと同じ様に大切な人を
    助けようとして過去に戻ったの」

タツヤ「・・・」

ほむら「その時も巴さんは死んでしまった
    だから彼女が死んだのはあなたの責任じゃない
    それが・・・彼女の運命だったのよ
    でも、出来ればその運命も変えたかった」

 ほむらはスカートを握り締め俯く
 その時、ようやく自分が何故さやかを
 切り捨てるのを戸惑っているのか気づいた
 そう、変えたかったのだ全ての運命を
 しかしそれが無理だと分かってからは
 まどかだけを守る様にしてきた

タツヤ「その大切な人って・・・」

ほむら「そう、あなたの姉さんよ
    ・・・巴さんの事を気にするなといっても
    どうしても考えてしまうのも分かる
    でもだからと言って自分の命を粗末にしないで」

タツヤ「・・・ごめんなさい」

ほむら「今日は私が夕飯を作るわ。待っててね」

 笑顔でそう言い夕食の準備に取り掛かる
 タツヤが家に来て以来すっかりまかせっきり
 だったので久しぶりだ

ほむら(おいしい物作って、喜ばせてあげよう)

 タツヤに元気を出してもらおうと気合を入れる
 しかしほむらはそこである事に気づく
 考えて見れば自分は今まで誰かに料理を
 振舞った事等なかったのだ
 そもそも彼が来る前は朝はパンとコーヒー
 昼も売店で買ったパンと野菜ジュース
 夜は買ってきたお弁当といったサイクルを繰り返し
 料理をする事自体稀だったのだ

ほむら(とりあえず、ご飯は炊いてある
    お味噌汁は作れる・・・筈
    後はメインのおかずを用意すれば)

 台所に向かい自分の作れる料理を思案するほむら
 その彼女の姿はどこにでもいる1人の少女だった

続く
【まどか☆マギカ】ほむら×たっくんスレ6
137 :悲しき決断[sage]:2011/12/18(日) 17:56:06.06 ID:+5ZaO7mu0
今回は以上です。
長々とすみませんでした。


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