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名無しさん@お腹いっぱい。
【けものフレンズ】キャラ総合アンチスレ [無断転載禁止]©2ch.net

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【けものフレンズ】キャラ総合アンチスレ [無断転載禁止]©2ch.net
92 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/08/13(日) 11:53:46.99 ID:cp8ZQrN10
Welcome to ようこそジャパリパーク 今日もドッタンバッタン大騒ぎ――

ここは超巨大総合動物園ジャパリパーク。砂漠から雪山まで至る所から集めた動物たちと、それらがヒト化した不思議な存在「フレンズ」が自由気ままに生きている場所です。
そんな十人十色なフレンズたちの胃袋を支えるのが、彼ら。ラッキービーストです。

キョウシュウエリアのジャパリまん工場。ここでも多くのラッキービーストが、日夜ジャパリまん製造に従事しています。けれど、今日の喧騒はどうやらいつもとは違うよう。
というのも、一部のフレンズによって、生産中のジャパリまんが奪われてしまったのです。

「ポストハーベスト処理ヨリオーダー: 製品コード011 40ヶ製造 製品コード012 50ヶ製造 願イマス」
「エラー エラー: 製品コード011 製造数ハ既定値ニ達シマシタ 製品コード012 製造数ハ既定値マデ残リ 12ヶデス」
「エラー エラー: 製品コード011 収穫数ハ 40ヶ不足シテイマス 製品コード012 収穫数ハ 50ヶ不足シテイマス」

話が噛み合っていないラッキービーストたち。実のところ、最初にジャパリまん強奪を発見したラッキービーストからして、決められた通りの行動を取ってはいたのです。
エリアのラッキービーストたちを統括する、キョウシュウ管理センターにイレギュラーレポートを送信するという行動を。
本来ならそのレポートはすぐさま受理され、必要な範囲のラッキービースト全員に情報の展開がなされるはずでした。
そうなれば、フィールドワーク担当ラッキービーストは強奪犯を追跡し、飼育・給餌担当は食べ過ぎで体調を崩すフレンズが出ないか目を光らせ、工場では生産管理担当が追加生産スケジュールを作成し承認を求めたことでしょう。

けれど、そうはなりませんでした。レポートを受理し、判断を行うべき存在が、今のパークにはいなかったのです。
それですから、警備担当の「ジャパリまんが奪われた」というレポートは収穫担当やポストハーベスト処理担当には伝わらず、彼らは彼らで「前工程から製品が流れてこない」というレポートをめいめい送っていたのです。けれどどのレポートも答えは同じでした。
決まって「受理待ち」の一文だけなのでした。
あんまり長いこと「受理待ち」が続くので、ポストハーベスト処理担当ラッキービーストはちょうど通りかかった収穫担当に直接オーダーすることにしました。
けれど「エラー エラー」ばかりで埒が明かず、ひとつ前の工程へ、ということを延々と繰り返して、ようやくここまで遡ってきたというわけでした。
ここでもやっぱり「エラー エラー」を繰り返して、どうやら足りない分は風で落下したり規格に合わず検品で跳ね出しになった分として処理することで話がついたようです。それなら生産を続けて、事後報告で済ますことができます。
真面目なラッキービーストは「本日の跳ね出し・不良数 90」とレポートを書きました。センターからの返答は「受理待ち」でした。

ところがトラブルは続くものです。生産を再開するやいなや、ジャパリまんの生地を練る機械からけものが唸るような音が鳴り出しました。
実のところ、最近では異音がすることはさして珍しいことではなくなりつつありました。
とっくにメンテナンス期限を過ぎていること、機械の調子が悪いことは事あるごとにセンターに報告しているのですが、特に対策がなされることもなく、ラッキービーストらへの指示もないままなのです。
しかし今回の異音は一段と大きいな、そう気づいた機械管理担当のラッキービースト、LBU-A3155は無線リンクで運転を止めると、この工程のオペレータ、LBU-A3162に駆動部の様子を見てくると伝え、メンテナンスハッチから中に飛び込みました。
A3162は運転盤の前で、A3155の帰りを待ちました。長いこと長いこと待ちました。けれどもA3155は戻りません。代わりに生産管理のLBU-A3128が現れました。
「生産数ガ不足シテイマス 運転ヲ再開シテクダサイ」
「ダメデス ダメデス 現在コノ機械ハ稼働デキマセン」
【けものフレンズ】キャラ総合アンチスレ [無断転載禁止]©2ch.net
93 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/08/13(日) 11:58:39.03 ID:cp8ZQrN10
A3155が機械から出たことを確認するまでは、動かす訳にはいきません。A3162は直ちにA3155の現在地を問い合わせて――固まりました。
「ケンサクチュウ... ケンサクチュウ... ケンサクチュウ...」
A3128は「ケンサクチュウ...」を繰り返すA3162を耳でどかして、運転盤にアクセスしました。製品コード012の製造数が既定値に達しています。そして運転制御にはロックが掛けられていました。
なるほど、生産数がいっぱいだったのか。けれど今日は事情が違う。既定値を超えて作らなければならないんだ。A3128はロックを解除し、運転を再開しました。

そのころA3155は首尾よく異音の原因を突き止め――そして固まっていました。
ラッキービーストは優秀なロボットです。機械を点検して摩耗したベアリングを見つけ出すのは造作も無いことです。
そしてレポートを作成しようと交換部品の在庫数を検索して、「ケンサクチュウ...」を繰り返していたのです。
そこへ突然足元が動き出して、A3155の検索機能は強制的に閉じられました。慌てて辺りを見渡そうとして体を起こすと、耳の先に太いシャフトが食いつきました。
ガリガリ、ガリガリ。誰が聞いても明らかな異常事態です。
A3128は間髪入れず非常停止ボタンを押し、「アワ、アワワワワワワワ...」とうろたえました。
メンテナンスハッチからは、緊急時を知らせるサイレンが鳴り続けています。惰性でわずかに回転を続けているシャフトが、A3155の両耳をじわりじわりと磨り潰しているのです。
「タスケテ...タスケテ...作業機ニ重大ナ損傷...」
飛び込んだ仲間の手によって、いや、耳によって引きずり出されたときには、もうその両耳はほとんどなくなってしまっていました。外装を失い素子がむき出しになった警告灯からは真っ赤な光が溢れるように流れ、A3155は怒りに打ち震えているようでした。

時を同じくして、ジャングル地方ではA3576がジャパリまん配達のために高山を登っていました。
アルパカやマーコールたちがもっと低い場所に棲んでくれれば配達も楽なのでしょうが、ラッキービーストはそれを願ったりはしません。彼女たちが棲みたいように棲むのを支えるのがパークガイドロボットの努めです。
そうはいっても、急峻な山を往復するたびに駆動系の摩耗は深刻化していきます。A3576も以前からメンテナンスを求めていましたが、今日まで認められることはありませんでした。
3Dマッピングと超音波エコーロケーションにより、足をかけるのに最適なポジションを瞬時に算出し、危なげもなく登っていくA3576。
その右足が、不意にぴょんと跳ねました。
サーボモータ配線の接触不良による誤動作。自己診断プログラムが原因を突き止めたときには、A3576の体は足場を失って宙を眺めていました。
瞬時にジャイロセンサが働き、モーメンタムホイールが最大出力で回転します。かろうじて左足と尻尾の先で、体を支えることに成功しました。
しかし不安定な岩場で、モーメンタムホイール頼みでバランスを取る状態。いつまで持つともわかりません。
周囲に別の個体がいないか検索しようとしましたが、応答はありませんでした。管理センターへの緊急レポートの返答は「受理待ち」でした。
他に取りうる手段は、センターを介さず付近のラッキービースト自体を中継局とする音声通信ですが、これはヒトの緊急時のみに許可されている機能でした。

今できることはこれしかない。A3576はひたすらホイールを回して凌ぎます。吹き下ろす山風のたびに体が揺れ、制御をカットした右足もフラフラと揺れています。
作業機側のバッテリーが切れるか、ホイールの角速度を上回る風が吹けば、自分は真っ逆さま。それでも耐えるしかありません。


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