トップページ > アニキャラ総合 > 2017年03月21日 > UUi6DaY40

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名無しさん@お腹いっぱい。
流れ者達の平凡な日常
【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第31章【クロスSS】 [無断転載禁止]©2ch.net

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【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第31章【クロスSS】 [無断転載禁止]©2ch.net
939 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/03/21(火) 20:22:16.33 ID:UUi6DaY40
けものフレンズのフレンズって、魔獣戦線の魔獣みたいなものかなぁ

と、石川賢作品を勧めた友人に言われた
これは重症だな
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941 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/03/21(火) 20:41:09.73 ID:UUi6DaY40
まさかの遊戯王ネタに草

武蔵の最期だけど、描写の壮絶さも凄いけどゲッター1の頑丈さもヤバイな
土手っ腹に風穴空いて片腕もがれてもトマホークが正常に作動するわと
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942 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/03/21(火) 21:05:15.33 ID:UUi6DaY40
一週間空いたけど、平凡な日常いきますねぇ
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943 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/03/21(火) 21:08:26.90 ID:UUi6DaY40
「いざとなりゃ、こいつを差し出せばいい」

刺すような視線で杏子は優木を見ながら言った。
視線を反らしたくても、ナガレに拘束され、それ以上首が回らなかった。

「それは困る」
「…あ?」

優木に向けられていた視線が、ぎろりと動いた。
深紅の瞳は、キリカを映していた。

「彼女は私の参謀と言った筈だ。生命を賭して、私は彼女を守るよ」
「それ程の価値があるのかい。こんな奴に」
「ある」

威圧的な杏子の言葉に、キリカも毅然と返した。

「なぁキリカ。プレイアデスとやらについて、お前は何か知ってるか?」

数秒後の未来を予想し、ナガレは横槍を挟む事にした。
自分の流儀では無いことは分かっていたのだが、争っている場合ではない事は彼も理解していた。
少し間を置き、キリカは話し始めた。

「少し前。あすなろに行った時だった」

目的が本当かどうかはともかくとして、彼と杏子は黙って聞くこととした。

「丁度、魔女を倒した時だったよ。少し消耗したとはいっても、私も彼女も魔力には余裕があった」

【彼女】という単語を、ナガレと杏子は脳裏に刻んだ。
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944 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/03/21(火) 21:12:16.83 ID:UUi6DaY40
「結界が割れていく時の、不意を突かれたとは云え……逃げ帰るので手一杯だった」
「不死身のお前がか」
「両手と片足もぎ取られて、腸もごっそりやられちゃね。あと、顔も半分溶かされちゃったよ」

その言にナガレは唸り、杏子は不快気に鼻を鳴らした。
ジェスチャーを交えての説明が妙に生々しく、特に腹の辺りを擦る手の動きは
巨大な獣の舌に舐め上げられているかの様に見えた。
無惨な破壊を語る際ですら、朗らかな笑みを浮かべているのが不気味だった。

「さささささとも、ちょうどその時、知り合ったんだ」
「…テメェさっき、【彼女】、って言ったよな?」
「てことは、そのあすなろに行ったのはお前の他にも誰かいるのか」

杏子の問を、ナガレが補足する。
二人を見返したキリカの顔には、寂寥があった。

「そいつは、今どうしてる?」
「それは」

ナガレの問を間近で聞いた優木が、呻く様に呟いた。
横目でそれを追ったナガレの眼は、優木の怯えた顔を見た。

「健在さ」

きっぱりとした口調だった。
確信そのものと云ってもよかった。

「彼女は、『美国織莉子』はあんな塵屑共に好きにされたりなんかはしない」

新たに出てきた名前を、ナガレは口中で転がすように呟いた。
高貴そうな名前だなと、彼は思った。
同時に、そいつがどうなったのかもある程度察しがついた。

「余程、大事な奴みたいだな」

物静かな一言は、心中に湧き上がる胸糞の悪さによるものだった。
『仲間』に対しての、彼なりの配慮でもあった。

「大事…?」

それを受けたキリカの眼は、黄金色の鬼火を宿していた。
眼に宿る感情は、怒りであった。

「言葉でなんて、顕わせられるものか」

ぷつりと、肉が弾ける音がした。
キリカの口元から、一筋の血が垂れていた。
艷やかな唇を、彼女の八重歯が貫いていた。
それは、彼女なりの自制であった。
恐らくは、今にもナガレを刻みに掛かりたいのだろう。
無礼な…相応しくない言葉を用いた事による怒りによって。
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945 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/03/21(火) 21:15:51.86 ID:UUi6DaY40
「じゃあ聞くけどさ」

黄金の鬼火が、深紅の魔法少女に向けられた。

「なんでテメェは、そんな大事な奴を置いてきちまったんだ?」
「彼女がそう言ったからさ」
「…は?」

あまりにもきっぱりとした言い方に、杏子は思わず聞き間違えではと思った。

「『これでいい。心配しないで』ってさ。だから全く以って、原子だか分子だか一つ分程度の心配さえもしてないよ」

キリカの言葉を聴くナガレと杏子は、得体の知れない違和感を味わっていた。
大切な者を奪われておきながら、焦りや狼狽が、彼女自身の言葉通りに欠片も微塵も見られない。

美国織莉子なる人物がどんな存在であろうが、全幅の信頼を置いているにしても度が過ぎている。
これは一種の洗脳ではないかと、杏子は再び優木を見た。
ナガレも同じ考えに至ったらしく、優木は4つの鋭い眼に睨まれる羽目となった。
痙攣のように震えた首を、彼らは優木なりの否定の意と認識したが、何処まで正しいのかは分からない。

しかしながら、演技のようにも見えなかった。
自分に酔い、相手を騙くらかそうとしてる時はともかく優木は今、完全な混乱状態に陥っていた。
嘘がつけるほど余裕があるとは思えなかった。

それを踏まえ、両者は改めて呉キリカの異常性を垣間見ていた。

「それにね」
「もういい!」

多少なりとも生じていた畏れを断ち切るように、杏子は叫んだ。
びゅんと、空気が鳴った。
迎え撃つかのように、金属音が生じた。

「退け、クソガキ」
「そうもいかねぇだろ」

斧の刃と槍の穂が噛み合っていた。
先にキリカが腕を接着した際に跳ねたものを、何時の間にか回収していたらしい。
ちなみに優木は、斧の抜刀の直前に突き飛ばされていた。
それでも激烈な尻餅を付いたらしく、涙を浮かべながら、両手で尻を擦っている。
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946 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/03/21(火) 21:19:47.42 ID:UUi6DaY40
「月並みだけどよ、仲間割れはよしな」
「仲間だぁ…?厄介者の間違いだろうが」

槍を引き、構えを直す。
姿勢を低く取り、槍の先端を相棒へと向ける。
全力の突撃の態勢を、彼女はとった。

「次は本気で行くぞ。こいつらの首を叩き落とすついでに、テメェのそれも並べてやろうか?」
「ああ、やってみろ。
 お前一人で、プレイアデスとやらを撃退出来んならよ」

暫くの睨み合いの末、杏子は構えを解いた。
無論、舌打ちをするのも忘れなかった。

「気持ちは分かるが、協力するようにした方がいいだろ。俺らは仲間なんだからよ」

言ってて彼は、胸が煮え立つような感覚を覚えていた。
情熱では無く、恥ずかしさから。
杏子もまた、奇怪なものを見る眼で彼を見ていた。
ふんと、鼻息を小さく鳴らすと、杏子は魔法少女姿を解除した。
白けた、ということらしい。

「分かったんなら、もう寝ようぜ。柄にもねぇこと言ったから疲れちまった」

そう言うと、彼は今なお尻餅をついている優木に視線を送った。
普通の目付きであったがそれが却って不気味だったのか、
優木は首をガクガクと上下に激しく降った後に不細工魔女に結界の解除を命じた。
直後に異界が消滅し、彼らは尋常な世界へと帰還した。
先程までは無限に等しい空間が広がっていたが、魔法が解けた後に顕れたのは彼らの根城たる廃教会の内部であった。

「おかえりなさいっ!」
「起きてたのか。寝てろって言ったろ?」
「そういうわけにもいかないよっ!」

出迎えた幼子の頭に、杏子は軽く右手を置いた。
幼子の足元で、防御結界の余韻がふっと消え去った。
力の弱まっている今、魔法少女形態と恒常的な防御結界の維持には消耗が伴うが、
幼子の安全が確保出来るというのであれば、どうということはない。
最近寝床に設置した目覚まし時計をちらと見ると、時計の針は真夜中の2時を指していた。
ナガレとキリカの戦いは夜の9時から始まっていた。
この幼子は、ずっと待っていたのだった。
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947 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/03/21(火) 21:23:11.57 ID:UUi6DaY40
「勝ったんだよね?」

上目遣いで、幼子は杏子に問うた。
認めるのは少しだけ癪だったが、答えなければならなかった。

「ああ、ナガレが勝った。キリカをボッコボコにしてやってたよ」
「その通り。私は紛うこと無き敗者だ」

横に並び、胸を張って応えるキリカの事を、杏子は心の底から頭がおかしいとしか思えなかった。

仕方ないと言えば仕方ないのだが、どこの世界に直接戦闘を繰り広げた上で無傷な敗者がいるというのか。

「おめでとっ!ナガレ!」

それでも、幼子は少年の勝利を確信していたようだ。
杏子の言葉への疑いなど、微塵も無いらしい。

「ああ。ありがとう」

丁寧に杏子の手を除けゆまはナガレの胴体へと駆け込んだ。
その様子を見た杏子は、
「あっ…」
と寂しげに且つ同情の吐息を漏らし、キリカは
「良かったね、友人♪」
の意思を送った。
ゆまが己の頭を打ち付けた箇所は、ナガレの肋骨の辺りだった。
内側に、への字に窪んでいる場所だった。

「ありがとう、ゆま」
の一言は、震える唇を何とか抑えて発せられたものだった。
圧し曲がった肋骨は、彼の内臓を優しく撫でたことだろう。

「では、私はこのへんで…」
「じゃあな。夜道にゃ気を付けてな」

そそくさと立ち去ろうとした優木にナガレが掛けたその一言は、
単純に年頃の娘が真夜中に独りで彷徨く事についての気遣いであったが、優木はこれを脅迫と受け取った。

「さささささ、一緒に寝るかい?」

キリカの誘いに、優木は首をガクガクと前後に振った。
余程の事を想像したのか、壊れた人形のようなギクシャクとした動きだった。
因みに、キリカが誘致した寝床は例のナガレ製黒棺である。
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948 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/03/21(火) 21:26:46.67 ID:UUi6DaY40
既に先に其処へ潜り込んだキリカが蓋を開け、優木は中へと飛び込むように這入り込んだ。
外側から見れば、どう見てもキリカ一人で満杯になる程度の寸法であるのに
内側から生じる筈の軋み音の類は生じていなかった。
ナガレ特有の謎収納術が、ここでも発生しているのだった。
最早改めて突っ込む気も失せていたが、棺の内側から生じた思念は杏子の気を引いた。

「何事も試しだからね」

直後に生じた、優木の悲鳴というか断末魔とでも云うべき悍ましき感情は、聴かなかったことにした。
ナガレにやろうとしているコトを、優木で試しているらしい。
流石に少しだけ、優木が気の毒になった。
だがそれも2秒程度した後には、生ゴミか粗大ゴミか、あれらは何方に分類されるのかという思いの方が強くなった。

思いつつ、身体の方は動かしていた。
前以ってゆまが用意してくれていた寝床に、杏子はゆまと共に潜り込んだ。

「よく堪えたな」
「半分、というか7割くらいは本気だったけどね」

十数分後、幼子が完全に寝息を立て始めたのを見計らい、ナガレは思念を送った。
杏子もその積りであったらしく、返事はすぐに来た。

「あたしは、前々から気に入らなかったのさ。正義を振り翳して戦うバカ集団なんて。
 それがこっちを狙ってきてるんなら、
 結構な事じゃねえか。堂々とぶちのめせるってもんさ」
「闘志が盛んで結構なこった。安心したぜ」
「よくよく考えりゃ、何時もと変わらねぇ。寧ろ楽しくなってきたって感じさ」
「波風立ってるのは悪くねぇ、ってか?」

返答しかけたが、杏子は止めた。
少なからず共感する処があるのが、癪であったためだ。

「ま、そういう事にしといてやるよ」

それにも関わらずこう返したのは、自分の気持ちに嘘をつきたくなかったせいだろう。
下手に否定しても、先の発言とも矛盾が生じる。

「んじゃな。また明日」
「ああ、おやすみ」

言ってから、はっとした。
彼女は「黙って寝ろ、馬鹿」という積りであった。
おかしいと思い布団の中の右手を眼前まで翳すと、微細な震えが確認できた。
そのまま胸に手を当てると、指先は高鳴る鼓動を捉えた。
原因は分かりきっていた。
戦意以外の感情もまた、彼女の心に広がり始めていたのだった。
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949 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/03/21(火) 21:30:15.10 ID:UUi6DaY40
傍らの幼子の前髪を、ちらりと上げる。
小さな額に刻まれたものを見て、杏子は覚悟を決めた。
小さく吐息を漏らし、少し経った後に、杏子は壁面に寄り掛かる相棒の方に視線を向けた。

「なぁ、まだ起きてるか」
「…起きちまったよ」

心音が一瞬、臓器自体が跳ね上がるかのように高鳴った。
それでも、やらなければならなかった。

「悪いんだけどさ」
「ん?」

やや弱々しげな杏子の態度に、ナガレは少なからずの疑問を抱いたようだった。

「あんたの昔話、してくれよ」
「なんだ急に。優木の仕業か?」

そう聞いたのも、無理はない。

「深い理由なんてねぇよ。ただ、ちょっと気になったのさ」
「お前、俺の話を聞くと」
「ああ。何故か分からねぇんだけど、頭がすっげぇ痛くなる」
「だったら、なんでまた」
「いいから言えよ。今ならテメェの話を、信じてやってもいい」

これは、一種の口実だった。
本来の目的は気を逸らすことにあった。
「心の整理が付かない時は、何かに噛み付けばいい」
これは、彼から言われた事でもあった。

「頼む」

傍らの幼子の為にも、己の内にある恐怖は払拭する必要があった。
それが、如何なる苦痛を伴うものであったとしても。

「ああ分かった。だが、無理はすんじゃねえぞ」

ぶっきらぼうな口調は変わらないが、自然とどこか優しげだった。
思念の調子から、杏子の具合をそれとなく察したのだろう。
先の杏子同様、やや時間を置いた後に、彼はこう切り出した。

「まず、俺の名前は」

次にくるであろう激痛に備え、杏子は歯を食い縛った。




つづく
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950 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/03/21(火) 21:33:19.76 ID:UUi6DaY40
ナガレくん「俺の名は。」

ここまでで

アプリ版というか、先代らしきサーバルちゃんの声は杏子と同じ野中藍さんなのか
よく考えると野中さんの演じてきた役からしたら、竜馬みたいな口調をしてる杏子ってかなり珍しいんだな


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