- 【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第31章【クロスSS】 [無断転載禁止]©2ch.net
818 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/02/18(土) 06:18:08.00 ID:Dt/iWR0d0 - メカザウルスって、操縦してるとそういうことありそう
機械と肉の接合部分からそんな匂いが漂ってくるとか アニメ版のゲッタービームは、観てる限りだと調理には良さそう ネタにされるくらいに火力低いし 平凡な日常いきます 途中で止まったら、例によって保管庫に落とします
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819 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/02/18(土) 06:21:59.84 ID:Dt/iWR0d0 - 「なあ」
どこかいびつな、哀切さを孕んだ声が少年の口から生じた。 「そんな顔すんなよ」 膝を折り曲げ、威圧感を与えぬように視線を相手よりもやや下にしつつ、ナガレは言った。 彼自身は意識していなかったが、従者の姿勢だった。 彼がこんな事をする相手は、今のところこの宇宙の中で、一人しかいない。 「…あのいかれたおねえちゃんとおろかもの、ナガレとキョーコのおともだちになるの?」 公園の赤い長ベンチに座り、頬を膨らませつつゆまは言った。 言葉遣いからしても不機嫌なのは間違いないが、幼子特有の愛らしさはそれを打ち消してはいなかった。 「まぁな」 困ったような表情と声色だった。 本心からのものだろう。 「ゆまは、ナガレのともだち?」 「そうだよ」 「ゆま、いらなくならない?」 幼子の悲痛な言葉から、少年は彼女の意図を察した。 それに、少年は力強く頷いた。 「おはなしをもどすけど」 「うん」 この幼子に対して、彼は素直だった。 警戒する必要が無いためだろう。 「お友達は、えらんだほうがいいよ?」 「…おう」 外見的には彼の歳の半分程度の幼子の言葉は、全くの正論であった。 完全無欠といってもよい。
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820 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/02/18(土) 06:26:11.96 ID:Dt/iWR0d0 - 「だから、こんどからはテストをしようよ」
「テスト?」 困惑気味に彼は応えた。 その様子に、ゆまはにまっと微笑んだ。 何が面白いのか、ナガレには分からなかった。 自分の様子を面白がっているのではないといいなと思いつつ、 幼子の言葉に耳を傾けることにした。 「そうだよ。手落ちがあるのはだめだよ? ともだちになるにあたって、1番大切なものをみぬかなきゃ」 「なんだい、そりゃ」 ナガレの問に、ゆまは靴を脱いでベンチの上で立ち上がり、右手に小さな拳を作った。 そして、幼子の拳が突き上げられた。 天に挑むかのように、右手は高々と挙げられていた。 「それは!勇気と知恵と!正義をつらぬくただしい心をしらべるテストだよっ!」 力強い、幼子の宣言が昼の公園に鳴り響いた。 途端、木の枝で羽を休めていた鳥たちは一斉に飛び立ち、 池の鯉は跳ね、野良猫は背筋を縮ませた。 一瞬だが、公園内の空間はこの幼子が支配した…ような雰囲気が漂った。 少なくともナガレはそう思った。 「…正義…正しい…心……か」 幼子の快活さとは対象的な、呻くようなナガレの声だった。 「そうだよっ!」 「俺が受けたら落ちそうだな」 「ええっ!?」 幼子の驚きの直前、 「…つうか、あいつらも駄目だな。結成すらしねぇや」 とナガレは呟いていた。 それは、自身以外の耳には届かなかった。
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821 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/02/18(土) 06:30:06.20 ID:Dt/iWR0d0 - 「大丈夫だよ!ナガレとキョーコはめんじょだもん!
だって、しけんかんさんはゆまなんだから!」 「裏口か」 「そう!ナガレとキョーコはとくべつなのっ!」 一瞬、彼は苦虫を噛んだような表情をしたが、それはゆまには見せず、 努めて自然な笑みを彼女に返した。 直後に、 「ありがとよ」 と言った。 そして、自身の右手をちらりと見た。 手の汚れの有無を確認すると、彼はゆまの頭に手を置いた。 軽く擦るように、彼女の頭を撫でた。 頭頂部を基点とした撫で方だった。 「あー…血行がよくなってくるきがするよ」 「渋い例えだな」 「しぶいとは、ちょっと違うとおもうよ?」 「…やっぱ国語の勉強はしといた方よかったな。あと社会と歴史も」 呟いたナガレを、ゆまが見上げた。 気付いた彼もまた、手を除けた。 「ナガレ、正義ってことば、きらいなの?」 「そう見えるか?」 「ゆまがさけんだとき、困ったようなかおをしたよ?」 この幼子は、妙に洞察力が高かった。 日常の細かい仕草からも、対象者の感情を読み取ることが出来ていた。 彼と杏子も、それには気付いていた。 訓練と言う名の喧嘩以上殺し合い未満程度の戦闘にての勝ち負けを 二人の表情等で察し、労いの言葉をかけるという事が続いたためである。 また或いは、苦痛の表情は出していないにも関わらず、 怪我の位置や程度も見抜いたりということもあった。
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822 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/02/18(土) 06:33:55.01 ID:Dt/iWR0d0 - この歳でそんな事が出来るということに、二人は驚きよりも憎悪が湧いた。
ゆまにそんな事を、出来るように強いた存在に対して。 「俺が捻くれてるだけだよ」 自嘲気味に、文字通り自らを嘲笑うようにナガレは言った。 「捻くれてるって、こころがねじまがってるってこと?」 「…流石にそこまでじゃねえかな…。 でもうまく説明できねぇ。俺も、まだガキだな…」 「ゆまもまだまだちいさいからねぇ…」 互いの神妙な口調は妙にシンクロしており、二人はそれについて、少し笑った。 「ナガレ」 「ん?」 「正義のいみが分かったら、ゆまにもおしえてくれる?」 「ああ、分かったらな。でも、何時になるか分からねぇぞ?」 「いいよいいよ!気長にまつからっ!」 「ひょっとしたら一生…つぅか、永遠に分からねぇかも」 「それでもいいよ」 えいっ、と一声掛けると、ゆまはベンチより跳ね、自らの足で地面に立った。 そして、ベンチに座るナガレを見据えた。 青い眼は、射抜くような視線をしていた。 「ゆま。ずっと一緒にいたいよ。ナガレとも、キョーコとも」 彼の姿が、青い眼の中に映っていた。 その中に映る彼は、水晶の牢獄に囚われた、囚人のようだった。 「そっか」 彼は、そう返した。 それ以上は、言葉を発さなかった。 ただ、再び彼女の頭に手を伸ばした。 治りかけの傷で埋め尽くされた手の甲の下で、青い眼の元から一筋の涙が頬を伝った。 彼は、それに気付かないふりをした。 幼子も、それを見せまいとしていた。 自身の願望は叶うものではないと、心の何処からか去来した声が彼女に告げていた。 涙は、そのために零れたのだった。
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823 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/02/18(土) 06:37:26.77 ID:Dt/iWR0d0 - 「ゆーーーーぅうううーーーーじいいいいーーーーーん」
虚空より響いた叫びは、彼らの心境を完全に無視していた。 「ゆま、下がれ」 彼の指示に、ゆまは無言で従った。 振り返ったナガレの眼には、黒炎が宿っていた。獄炎とも言った。 そこに、黒い影が去来した。 その前に、赤い影が奔った。 「何だ?」 鋼の声で訊いたナガレの顔に、数滴の紅が掛かった。 頬の傍らを抜けた鎌が、彼の左頬を浅く裂いていた。 だが、紅の発生源はそこではなかった。 彼の右手の先から、それは来ていた。 そこには、赤い布で巻かれた赤い玉があった。 そこに、彼の拳が半ばほど突き込まれていた。 紅は、その隙間から噴出したものだった。 黒い奇術師風の服装が、赤い玉からぶら下がっていた。 呉キリカの身体が。 「はがはがはむ」 赤布で顔面をぐるぐる巻きにされ、顔の何処かに拳を突き入れられたままの、キリカの言葉だった。 「何?」 その言葉に、ナガレは応じた。 シュールな光景どころか、布の内側の事を考えれば狂気的な絵面だった。 「杏子が腐れ洗脳参謀を半殺しにして、今も野郎を追跡中?原因は?」 それに、また似たような音が返ってきた。 先程と同じく、彼はそれを解読した。 訳ではない。 思念による会話をしていたのだった。 口に出していたのは、まだ慣れていないためだった。 また杏子相手のそれとは、仕様が異なっているらしかった。
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824 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/02/18(土) 06:41:17.84 ID:Dt/iWR0d0 - 「そりゃキレるだろうよ。
てか、なんで一緒に行動してたんだよ。で、俺にそれを解決しろと?」 「いや、全く。あっちは勝手にやってればいいよ」 明瞭な発音と共に、布は破砕された。 それより一瞬早く、彼の手は下がっていた。 砕け散る赤布の霧の中、にんまりと笑ったキリカの顔があった。 傷跡は無論、毛筋の欠片も残っていない。 「暇だから、あーそーぼー♪」 「昼間から何ほざいてやがる。それに、俺は暇じゃねぇ。ゆまと遊んでる」 「ふぅん…なるほど。そうか、そういうことかぁ」 色気を湛えた瞳でナガレを一瞥すると、キリカは跳んだ。 一瞬遅れ、ナガレの拳が空を切った。 何かが焼け焦げる匂いがした。 キリカの黒髪が、数本寸断されていた。 それだけだった。 キリカ本人は、既に彼の背後にいた。 「ねぇねぇ友人。どんな感触だい?」 愉しげに、キリカは訊いた。 赤い舌を、淫らにも見える動きでくねらせつつ。 「布で、包、まれた蛇の腹か、ナメクジって、とこ、だな」 左手が彼の頸に絡みつき、右手が彼の胸の前を這っていた。 当然、彼女の胴体は彼の背に密着していた。 巨大な双球が、多量の弾力性を維持しつつ大きく経込んでいる。 彼の耳元での囁きも、甘ったるい発音と匂いが纏わりついていた。 だがそれは、性的な誘惑ではなかった。 彼女の行為は、冥府への誘いだった。 彼女の両手には、地獄の万力に等しい力が加えられていた。 「あはは。面白い喩えをするねぇ。友人は博識だね。素晴らしい」 「てめぇこそ、昨日、つうか今朝の話を、忘れてるみてぇだな」 「だから、仲間なんだからこうして遊んでるんじゃないか。友人はうっかりさんだなぁ」 並の人間ならとうに(触れられた途端に)、強風で朽ちる枯れ木のように砕けているはずだが、 彼は激烈な圧迫感と激痛だけで済んでいた。 骨も筋肉も、損傷には至っていない。
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825 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/02/18(土) 06:46:42.79 ID:Dt/iWR0d0 - 「君、佐倉杏子とつるんでるところからして、
なんとなく、そーいうんじゃないかぁーっと思ってたんだ」 「……怒らねぇから、言ってみな」 その途端、キリカは背筋に何が奔るような感覚がした。 それは原始的な直感による危険信号であったのだが、彼女はそれを無視した。 それよりも、その先が気になっていた。 心中で紡いでいた言葉を言えば、彼がどうなるのかを。 「君って、多分ロリコ」 彼女は、思考の最後の一文字を言う事が出来なかった。 というよりも、明確な思考は其処で途切れた。 彼女が最後に記憶したのは、 「友人が何らかの技らしき、大袈裟気味な言葉を叫び」 「そのとき空は青く、まるでそこに吸い込まれるようで」 「そして友人と世界が逆さまになっていて」 「遠くで翠の眼が自分を睨んでいた」 という断片的な事象だった。 「…気絶はすんのか」 肩で息をしつつ、ナガレは大の字で横たわる魔法少女を見下ろしていた。 気絶の影響か、直後に普段着のキリカへと姿が変化した。 どこか制服っぽい、あのやや奇抜な服装だった。 「魔法使えば、いや、ちょっと本気出しゃあんな布切れ余裕で避けれるだろうによ。 俺を何だと思ってやがんだ。面白い玩具かっつの」 「どうするの?」 離れていたゆまが、ナガレに駆け寄ってきた。 「…よくねてるねぇ、このおねえちゃん」 「ああ」 悪影響があっては、という考えのもと「ムカつく」とは続けなかった。 気絶したキリカは、安らかな眠りの表情を浮かべていた。 底の、というより得体が知れない女だと、ナガレは思った。
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826 :流れ者達の平凡な日常[sage]:2017/02/18(土) 06:50:58.05 ID:Dt/iWR0d0 - 「こういう奴には……やっぱこれかな」
そうごちた時、彼は己の右拳を見ていた。 何を考えているのか、そこにあったのは懐古の視線だった。 「ま、とりあえず片付けるか」 「どうやって?」 「針金か鎖で縛って回収だな。人目に気をつけねぇと」 布袋にでも入れて、と彼は続けた。 危険すぎるビジュアルだったが、特に気にしている様子もない。 「夜用に今度、棺でも作るか。ヴァンパイアファングとか言ってたしよ」 と、割と真面目な口調で言った。 視線はキリカの頭から足の爪先まで、そして肩幅を見渡していた。 冗談では無いらしい。 「ねぇねぇ、あれなんてどうかな?」 ゆまが指差した先の物体を視認した途端、ナガレは唸った。 少年の唸り声に、 「あれをくさりに巻いて、いかれおねえちゃんをしばるって、いい考えじゃないかなっ?」 の声が続いた。 幼子の人差し指は、公園の隅に張り巡らされた、野犬の避けの有刺鉄線を指していた。 確かに理には叶っていた。 そして、残酷にも過ぎていた。 ゆまのアイディアを撤回させるために、 彼が彼女を説得するのに要した時間は20分を越えた。 つづく
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827 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/02/18(土) 07:03:58.32 ID:Dt/iWR0d0 - ここまでで
原作読む限り、ゆまちゃんはややメンヘラ気味 関係ないけれど、久々に初代ゲッターロボの漫画を読んだら 大雪山に調査に向かった時のリョウの格好がラフすぎて思わず笑った
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829 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/02/18(土) 08:01:23.08 ID:Dt/iWR0d0 - あのパイロットスーツ、特に上半身のはボディペイントかってくらいに厚みが感じられないんだけど、
結構頑丈なんだろうか というか、作中で上半身裸の状態で乗り回してるところを見ると特に問題がないのだろうか(少なくともあの連中には) 上半身裸で思い出したということで、少しアレな話だけど ニオンの攻撃による早乙女研究所半壊状態での出撃の際の 隼人「よしリョウいくぜ ここまで来た以上考えるのはよせ」 ↑自分の上半身の服を破り捨てる隼人+汗だくで深刻な表情をしている竜馬 は、ここだけ見るとかなり危ないシーンだ
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