- 【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 13【一般】
654 :TEG24 ◆TEGjuIQ24E [sage]:2016/12/30(金) 17:10:53.86 ID:qAHDMTVA0 - まことにご無沙汰でした
2009年、9スレ目より「RozenMaiden Fortsetzung」を書いていたTEG24です。 2014年9月16日の第50話より、2年以上も投稿できずに まことに申し訳ございませんでした。 なんとか、続きが書けましたので、何日かに亘るかと思いますが 本日から投下していきたいと思います。 時間の許します方は、第50話までを読んでいただけると幸いです。
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655 :TEG24 ◆TEGjuIQ24E [sage]:2016/12/30(金) 17:20:35.07 ID:qAHDMTVA0 - 【RozenMaiden Fortsetzang】
※このSSは 2004〜06年 にアニメ化された、古いほうの「ローゼンメイデン」 「ローゼンメイデン トロイメント」「ローゼンメイデン オーベルテューレ」 をベースに、YJで2013年まで連載された「ローゼンメイデン」までの ローゼン関連原作を混ぜ合わせたものです。 よって、たとえば、薔薇水晶やエンジュらトロイメント勢と、鳥海やオディールら原作勢が共演します。 また、一部設定が異なっていたり、モブに名前がついていたり、完全にオリジナルの登場人物が存在しますので そのあたりはご了承ください。 ※このSSは、「トロイメント」12話の続きから始まっているという体で進んでいます。 第50話現在、ジュンは高校2年生になっています。 ※第1話は9スレ目から始まります。以後10スレ目に第8話から、 11スレ目に第29話から、12スレ目に第33話から、13スレ目には第47話から投稿しています。
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656 :RozenMaiden Fortsetzung 51 ◆TEGjuIQ24E [sage]:2016/12/30(金) 17:28:36.08 ID:qAHDMTVA0 - RozenMaiden Fortsetzung
第4部 時告(8) 第51話【真紅と古工房】
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657 :RozenMaiden Fortsetzung 51 ◆TEGjuIQ24E [sage]:2016/12/30(金) 17:30:19.50 ID:qAHDMTVA0 - [2005/05/08 15:30]
[Enju Doll。] 真紅「ごきげんよう、槐。」 槐「おお、真紅。いらっしゃい。」 薔薇水晶「みんなも……一緒。」 5月8日。昼下がりの、さわやかな風が吹き抜ける中、私達は 槐の人形店『Enju Doll』へ急いだ。 雛苺「こんにちはー、なのー!」 金糸雀「やっほーかしらー!」 雪華綺晶「ごきげんよう。」 私に続いて、雛苺、金糸雀、雪華綺晶も店へ入る。8人の姉妹 と、ジュン、槐が揃い、お互いに笑みを交わす。
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658 :RozenMaiden Fortsetzung 51 ◆TEGjuIQ24E [sage]:2016/12/30(金) 17:31:03.64 ID:qAHDMTVA0 - ジュン「よっ。ありがとう、真紅。揃ったところで、始めるか。」
水銀燈「ええ…… 雛苺、金糸雀、雪華綺晶。まずは、この鞄を 見てくれる?」 水銀燈が、nのフィールド・無意識の海で見つけてきたという 紋様のない鞄を雛苺たちに見せる。3人の表情が、真剣なものに 変わった。 雪「その鞄は……」 雛「うゆ? ヒナたちの鞄とそっくりなの。」 金「どこで手に入れてきたかしら?」 翠星石「無意識の海の上、ですかね?」 蒼星石「ジュンくん、例の画像をたのむよ。」 ジュン「そうだな、これを見たほうが早い。」 ジュンが自分の携帯電話に記録した、鞄のあった場所の画像を 雛苺たちに見せる。……つくづく思うのだけれど、この時代は、 本当に何かと便利になったものなのだわ。
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659 :RozenMaiden Fortsetzung 51 ◆TEGjuIQ24E [sage]:2016/12/30(金) 17:34:03.17 ID:qAHDMTVA0 - 雪「…… ……これは、その、船だった鳥かごの中にあったもの
ということなのですか?」 翠「そうですぅ。信じられねえでしょうけど、翠星石たちはそこ から手に入れてきたです。」 金「無意識の海に、そんなものが…… 知らなかったかしら。」 槐「ジュン君たちが、この鞄を持ってきた時には、心底驚いた。 まさか、この鞄を……また、見られるとは思わなくてな。」 槐は、先に来ていたジュンたちから鞄を見せてもらっていた。 私の思った通り、槐はその鞄について、何か知っているようね。
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660 :RozenMaiden Fortsetzung 51 ◆TEGjuIQ24E [sage]:2016/12/30(金) 17:34:34.36 ID:qAHDMTVA0 - 雛「槐、この鞄知ってるの?」
槐「ああ。紋様のない、薔薇乙女の鞄…… それは間違いなく、 師匠―― 君達のお父様の鞄だよ。」 紅「!!」 お父様の……鞄、ですって? 薔「……ローゼン様は その鞄を絶えず携えていたんだって。」 薔「ただ…… おとうさまは その中身を一度も見たことがない。 一度も見せてもらえなかったって……」 雪「そう…… だったのですね……」 弟子である槐ですら見たことのない、お父様の鞄の中身。その 鞄を、水銀燈は懸命に開けようとしていたけど、いっこうに開く 気配はない。 以前、私の背中にある薇の穴に忍ばせ、私の動きを止めさせる ほどのはたらきをした、自らの黒い羽をもってしても。
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661 :RozenMaiden Fortsetzung 51 ◆TEGjuIQ24E [sage]:2016/12/30(金) 17:37:39.26 ID:qAHDMTVA0 - 銀「私の羽根で『ピッキング』しても、開かなかったわぁ。」
金「なら、この鞄に合う鍵じゃないと開かないってことかしら。 ……そーいえば、私たちの鞄にも、鍵穴はあっても鍵は無い かしら。」 ジュン「そうだな……アレどーやって締めてたんだ?」 紅「あれは、人工精霊の力なのだわ。」 金糸雀の言うように、私たちの鞄にも一般的なトランクと同じ ように、鍵がついている。 新たな時代に送られるときや、眠りに就くときなどには、鞄を 締めるけれど、鍵は使わないのだわ。しかし、鍵穴がある以上、 鍵は存在する。おそらくは、お父様が持っているのだろうけれど。
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662 :RozenMaiden Fortsetzung 51 ◆TEGjuIQ24E [sage]:2016/12/30(金) 17:38:22.30 ID:qAHDMTVA0 - 紅「槐、貴方が雪華綺晶と薔薇水晶の鞄を作ったのだったわね?」
槐「ああ。私が作ったが……」 紅「鍵はあるのかしら?」 槐「ここに。それぞれ、雪華綺晶のと薔薇水晶のものだ。」 槐「見てみるか?」 紅「ありがとう。…… ……」 この時代に決着がついた後で、槐は薔薇水晶と雪華綺晶に鞄を 作ってやっていた。細部に至るまで、お父様が作られた鞄と同じ ように作られている。薔薇水晶を創っただけのことはあるわ。 翠「ふむふむ、いい仕事してるですねぇ。」 雪「♪」 蒼「それ、どこで覚えたのさ……」
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663 :RozenMaiden Fortsetzung 51 ◆TEGjuIQ24E [sage]:2016/12/30(金) 17:42:14.53 ID:qAHDMTVA0 - 雪華綺晶の鍵には『7』、薔薇水晶の鍵には裏返しの『7』の
刻印がなされている。ふたりは対になるような意匠をもっている けれど、どちらも第7ドールということね。 姉妹が2本の鍵をしげしげと見つめている様子を見ていると、 槐が質問を投げかけてきた。 槐「『その鍵をどうやって作った』か、知りたくはないか……?」 ジュン「!」 紅「! ええ…… 一体、どうやって……」 槐「……ちょうど、姉妹が全員居るからな。ついてきて欲しい。 おそらくは、師匠の鞄の謎も解き明かせるだろう。」 紅「分かったわ。みんな、ついて来て頂戴。」 銀「ええ。nの、フィールド……」 ジュン「よし、行ってみよう。」 洗面台ではなく、店の一番奥のショーケース、ガラスの面から、 10人でnのフィールドへ飛び込んだ。
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