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三重の異界の使い魔たち 代理
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part313

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あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part313
351 :三重の異界の使い魔たち 代理[sage]:2012/07/19(木) 18:51:29.31 ID:IWqCgF1m
さるさんをくらったようなので、代理投下を…


「に、しても坊主、おめ、もしかして“使い手”か? ……にしちゃあ、なんか弱弱しいな?」
「使い手? なんだそれ?」
「何って、うーん、忘れた」
 恐らくこれから先も売れ残っていくだろう大剣とそれを手にしている少年の会話を、どうでも
いい気分で聞く。しかし、次にデルフリンガーが言った言葉に、目を丸くした。

「それより、おめ、おれを買え」
 本日何度目かの驚きだ。この無駄に偏屈な大剣が自分から「買え」などと言うとは。
「買った」
 そして、それに少年が答えるより早く、青い髪の少女が言い放つ。かと思えば、少年から
デルフリンガーをひったくると、店主へ差し出してきた。
「幾ら?」
「へ、へえ、こいつは……」
 そこまで言って、店主は言い淀む。本来なら厄介払いだと100エキューでいいところだが、
魔法を吸い込むなんて力がある以上それでは安い気がする。しかし、これから先このぼろぼろの
剣にそんな力があると宣伝しても眉唾としか受け取られないだろうし、下手に高い値を提示して
買う気を失わされたらもう2度と買い手はつかないだろう。
「200エキューでさ」
 なので、無難に100だけ値上げするに留めた。すると、少女は無言で財布を取り出し、大量の
金貨をカウンターへばら撒く。店主はそこから手早く200枚数え、残りを少女へと返した。
それから店主は一旦店の奥へ行き、鞘を持って戻ってくる。
「デル公のやつは、こいつに入れておけば喋らなくなりますんで」
 言いながら少女に鞘を手渡すと、さっそく少女は喋る大剣を鞘に収めた。そして、無表情に
デルフリンガーを少年に手渡す。
「サンキュー、タバサ」
 それに対し少年が礼を言うも、少女の表情はやはり動かなかった。心なしか、微かに頬が赤く
なっている気はしたが。
「でも、タバサ。随分あっさり決めたな? 衝動買いってわけじゃないだろ?」
 少年の言葉に、タバサと呼ばれた少女が頷く。
「魔法を吸収できる力、本当なら役立つ」
「そうだな」
 その言葉に少年が納得した顔を見せるが、尚も少女の言葉は続いた。
「それと、牽制用」
「牽制? 何の?」
 少女は言葉にする代わりに、杖の先をムジュラの仮面に向けることで答えた。それに対し、
少年は呆れた顔で言う。
「タバサ、実はムジュラのこと信用してないだろ……」

 そして、奇妙な買い物客たちは帰って行った。ここまで騒がしい客は、久しぶりだった。そのため、
去った後の静寂を嫌でも意識させられてしまう。
「デル公の奴も、行っちまったからな……」
 口に出すと、少し実感した。これまで商売の邪魔にしかならなかったが、同時に寂寥感の欠片も
与えなかった同居人が、いなくなったことを。
 それから、店主はまたパイプを吹かし、来るかどうか判らない次の客を待つ。その時飲んだ
煙の味は、何処かいつもより苦い気がした。



 こうして、才人は新たな武器を手にし、一行に新たな仲間が加わった。そして、この日片や
伝説の呪物、片や伝説の魔剣という物々しい肩書を持つ両者が最初の激突を果たしたのだが、
そのことを当人たちが知るのはもうしばらく後のことである。
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part313
352 :三重の異界の使い魔たち 代理[sage]:2012/07/19(木) 18:52:27.70 ID:IWqCgF1m
 ハルケギニア中東部、ガリア王国と帝政ゲルマニアという大国2つに挟まれたアルデラ地方。
ここに、両国から“黒い森”と呼び習わされるアルデンの森が広がっている。
 エギンハイム村は、その森から伐(き)り倒した木材で生計を立てる、人口200人程の小さな
村だ。国境沿いという土地柄、掲げるべき国旗はガリアとゲルマニアが交互に入れ替わるこの
村は、今現在怒りの念で満ちていた。
「あの、くそったれどもめ!」
 村人の1人が、憤怒も露わに叫ぶ。それに追随し、そこかしこで怒号が上がった。
「森に巣くったあの連中のせいで、木材の調達は大打撃だ!」
「あいつら、俺たちを干からびさせる気か!?」
 険しい表情で叫ぶ男たちは、それぞれ樵(きこり)らしい屈強な体つきをしている。それが、
今にも暴れ出さんばかりの表情をしているのだから、場の空気の険悪さは尋常でない。
「領主様は奴らを退治してくれる騎士を派遣してくれるって言うが、言うだけで全然来やしねえ」
「これ以上待って来なけりゃ、俺達でやるしかねえな」
 穏やかでないことを言い合いながら、男たちは銘々斧や鉈等の得物を振り回す素振りをする。

「み、皆、待ってくれよ!」
 そこへ、委縮気味の声が1つ上がった。すぐさま男たちの眼が声の主、線の細い少年へと向く。
「木が取り難くなったのは、翼人たちのせいじゃないよ!」
 声を張り上げ、痩せた少年は自分よりずっと大柄な男たちへ訴えた。
 翼人とは、ハルケギニアに何種か存在する人間以外の知恵ある種族、亜人の一種だ。姿形は
ほとんど人間と変わらないが、大きな相違点として背から鳥の様な羽を生やし、それで空を飛ぶ
ことができる。
「だから、翼人と争うような真似は止めてくれよ!」
 必死な様子で少年は言うが、しかし、男たちはその言葉にますます顔を険しくする。
「何莫迦言ってやがる!」
「そうだ! あいつらじゃなきゃ、誰が原因だってんだ!?」
 鋭い声で言い返され、少年は言葉に詰まった。そんな少年から男たちはつまらなそうに視線を
外すと、再び翼人に対する怒りを口にしはじめる。その様子を、少年は悔し気に見つめていた。

 一方、森の中でも喧々囂々(けんけんごうごう)とした議論が展開されている。太く育った
頑丈な樹木、ライカ欅(けやき)の頂上に建てられた建造物、翼人たちが“巣”と呼ぶ住居の中で、
数人の翼人たちがテーブルを挟んで話しあっていた。
「人間どもは、また我らに攻撃を仕掛けてくるつもりではないか?」
「地面を這うだけの虫どもが、調子に乗りおって!」
 1人の翼人が、人間に対する侮蔑と敵意を明け透けに叫ぶ。
「迎え撃つしかないのではないか?」
 他の翼人が鋭い声で言うと、1人の少女が立ち上がる。
「そんな乱暴な!」
 亜麻色の髪と翼を持つ美しい翼人の少女は、哀し気な瞳でその場の全員を見回す。
「争い合うなんて莫迦げてる! 彼らに危害を加えれば、その時はもっと強い戦士が私たちを
襲いにやってくるわ!」
 感情と理屈を半々に、少女は叫ぶ。その言葉にその場の面々は難しそうに顔を見合わせ合うが、
内1人が言葉を返した。
「それでは、奴らが攻めてきたらどうしろと仰るのですか?」
 そう言われれば、少女は押し黙ってしまう。結局、彼女も効果的な解決案があるわけではない
様だった。しばし沈黙が流れ、再び会議は再開される。重たい空気を纏ったまま。

 2つの勢力が、アルデンの森という舞台で敵対している。自分たちの生活のため、自らと違う
存在に対する拒絶感のため、互いに睨み合っている。
 そんな様子を無視するかの様に、あるいは嘲笑うかのように、“それ”は地の底を掘り続ける。

〜続く〜

あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part313
353 :三重の異界の使い魔たち 代理[sage]:2012/07/19(木) 18:53:49.60 ID:IWqCgF1m
 以上、今回はここまでです。

 前回の投下からとても時間が空いてしまい、誠に申し訳ありません。

 それはおいておいて、伝説のアイテム同士の初戦はデルフに軍配が上がりました。
これでいいのか伝説どもよ(笑)。

 また、この作品でのオリジナル才人語録としてニッポニア・ロリコンなるものを
作ってみました。原点からしてレモンちゃんやら胸革命やら突き抜けた単語の多い
才人語録ですが、少しでもそれっぽさを感じていただければ幸いです。

 また、ちらっと翼人事件を匂わせるラストにしましたが、この話は原作とかなり
変わる予定です。

 支援してくださった方、ありがとうございました。次はもう少し早く投稿できる
ようにします。

 次回はタバサ視点からスタートです。


以上、代理投下終了。おつかれさまです。
次回も期待しています


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