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名無しさん@お腹いっぱい。
セーラームーンの敵キャラ萌え その2

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セーラームーンの敵キャラ萌え その2
200 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2012/06/09(土) 01:49:37.98 ID:jFBamMwy
ビリユイが入院して暫く経った。
この間も同室のジジイのところには先の釣爺を初め、
将棋や囲碁を指しに来る者、ゲートボールの誘いに来る者、盆栽を見せびらかしに来る者、
見舞いと称して爺さん婆さんが毎日の様に遊びに来る。
そのたびにビリユイは「これだから働きもしないで年金で食ってる連中は・・・」と
自分も未成年なので納税も働いても居ない事を棚に上げて憤っていた。

だが、人間弱ると心細くなるものである。
常に頭の良さに価値を置き、人間関係なんて下らないと思っていたビリユイだが、
同時に自由奔放に生きながらも沢山の友人に囲まれているジジイが羨ましいと思う気持ちもあった。

今日ジジイの見舞いに来ているのは婆さんである。
この婆さんはジジイと夫婦とは思えないほどの常識人なのでビリユイは安心していた。

「ゆいちゃん、この人いつも騒がしくて迷惑かけてるでしょ」婆さんがビリユイに話しかける。

本音では「早く連れ帰って下さい」と思いつつも
「いつもお元気でこっちも明るくなれます」と優等生の答弁をするビリユイ。

「ゆいには彼氏も友達も居らんからワシが居ないとだめなんじゃ!」と
相変わらず口八丁のジジイ。

常識人の婆さんは「年寄りと違って学生さんは忙しいのよ」とビリユイのフォローをする。

夕方になり婆さんは帰って行った。
今日は久々に落ち着いた1日だったとくつろいでいるビリユイ。


セーラームーンの敵キャラ萌え その2
201 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2012/06/09(土) 02:11:42.98 ID:jFBamMwy
ビリユイはくつろぎつつも、
入院以来誰一人として見舞いに来ない自分を思い返すと
内心ちょっと寂しかった。

その時、「305号室の患者さん、面会の方が向かいます」
との放送が流れた。

またジジイの見舞いか・・・
婆さん以外のジジイの関係者は皆常識外れなので
「夕方なのに珍しいな」と思いつつもビリユイはどっと疲れが出てきた。

ジジイも意外に思いつつ、当然自分の関係者だと思いスタンバって居たが
今度の面会人はジジイの関係者では無かった。

「305号室の美堂さん、面会です」

意外な事態にビリユイは一瞬驚き、ちょっと喜んだが、
「もしやミメットがテレビから脱出して嫌がらせにカタツムリでも持ってきたか?」
「テルルが実は生きていて、見舞いの花と称してハイパーテルルンでも持ってくるのか?」
「それとも、セーラー戦士と戦う前に突き飛ばしたカオリナイトがお礼参りに来たか?」
と今までの行動や人間関係を振り返るとだんだん不安になってきた。


セーラームーンの敵キャラ萌え その2
202 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2012/06/09(土) 03:02:03.22 ID:jFBamMwy
誰が来るのかドキドキしながら待つビリユイ。

当然女子高生が来るモノと期待しドキドキしながら待つジジイ。

「ガラっ」病室の扉が開いた。
入ってきたのは男子学生だった。

この男子学生はビリユイと同じ無限学園サイエンスクラスに所属していた。
決してビリユイが理想とする、イケメンで背が高くて頭が良いと三拍子揃った男ではない。
顔は良いが童顔、背は低く、成績はクラスでは下から数えた方が早かった。
小池徹平似のルックスからクラスでは「テッペイ」と呼ばれていた。

サイエンスクラスでのビリユイとテッペイの関係は席が隣同士。
首席のビリユイはテッペイに時々勉強を教えていた。

なぜビリユイがそんな事をしてやっていたかと言うと
テッペイは決して優秀ではないが男女問わず好かれているので、
テッペイと仲良くしていれば、時々ある面倒くさいグループでの課題で
苦労せずに済むというメリットがあったからだ。

いくら成績が良くて他人を見下していても、友達の居ないビリユイは
本来グループ活動になれば頭を下げてどこかのグループに入れて貰わなければならない筈なのだが、
そんな時は隣席のテッペイが声を掛けてくれるので、惨めな思いをしないで済んでいた。






セーラームーンの敵キャラ萌え その2
203 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2012/06/09(土) 03:44:01.70 ID:jFBamMwy
とりあえず来訪者が危険な輩ではない事が分かり安心したビリユイはテッペイに声を掛けた。
ビリユイ「テッペイ君、どうしたの?」

テッペイは、来訪者が女子高生ではないと分かりふて腐れているジジイに軽く会釈をすると
ビリユイのところに来て、具合を聞いてから
休んでる間の授業のノートを持ってきた旨を伝えた。

本当なら天才少女のビリユイは別にノートなんか必要無いのだが、
ジジイに対して友達、しかも男友達が居るという事をアピール出来るのが嬉しかった。
ジジイがこちらの様子をちら見すると、ビリユイはドヤ顔でジジイを見返した。

ノートを渡し終わり、いくらか世間話をして、土産のシュークリームを置いて
テッペイは病室を後にした。

テッペイと入れ違いで入ってきたナースが「今の子、もしかして彼氏w?」とからかう。

「違いますよぉーw」とか良いながら優越感に浸っているビリユイ。

「良かったら1つどうぞw1人で全部食べたら太っちゃうんで」とか言いながら
土産に貰った5個入りシュークリームをおすそ分けするビリユイ。

クールビューティーの面影はどこに行ったのか、
この日寝るまでのビリユイは完全に巷の馬鹿女と化していた。



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