- 【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第17章【クロスSS】
377 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/08(火) 00:43:46 ID:boo7EzBm - 確か、スパロボDでもいた電気ウナギの話はクトゥルフ関連がモチーフだっけ?
石川先生がクトゥルフの絵を描いたら凄いことになりそうだ
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- 【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第17章【クロスSS】
379 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/08(火) 00:56:06 ID:boo7EzBm - >>378
その風呂敷を畳むには、複数の作家が数世代に分けて描くことになりそうな気がするがw
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- 【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第17章【クロスSS】
381 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/08(火) 01:34:56 ID:boo7EzBm - ネタが濃いかつマニアックだからなぁ
でもチャンピオンRED系の雑誌ならやってくれそうな気がする 何かとダイナミック系と縁があるから そういえば、鉄筋コンクリートっていうアニメの1シーンにゲッター1らしきラクガキがあったな
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- 【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第17章【クロスSS】
382 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/08(火) 02:29:30 ID:boo7EzBm - おそろしく久々になってしまったけど、ゲッター+あずまんが本編、投下します
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- 【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第17章【クロスSS】
383 :ゲッターロボ+あずまんが大王 第7話-(2)[sage]:2011/02/08(火) 02:30:34 ID:boo7EzBm -
ゲッターロボ+あずまんが大王 第7話-(2) 異形の肉片の傍に立つ少女の頬に、冷たいものが伝わっていく。 眼窩より生じて流れたそれは、背に密着した頬の間を、 侵食するように濡らしていき、主の異なる肌と肉とを近付けた。 コートとシャツは既に遮蔽物の役割を果たしてはおらず、 骨と肉を隔てて、彼女は、その奥で鳴る心音を聴いた。 彼女が知りうる限りでの生命の大凡を殺戮可能とせしめる、強靭な筋肉と、 それに相応しい、堅牢な肋骨の奥にあるものを。 ドクリ、ドクリと、彼の命を支えるものが送り出される音を。 「治まったな」 その言葉に、彼女は、はっとした。 つい数秒ほど前まで、涙を流していた眼が、何時の間にか閉じかけていたことに気が付いた。 頭が、妙にぼぅっとしているのは、半ば近くまで、眠りに近い状態にあったためか。 心臓の音は、音楽のテンポにも参考とされるように、人の感情を昂らせる効果があるというが、 彼女の場合は、それが、逆の効果となって現れたようだ。 そう自覚したことと、もう一つ。 彼女の覚醒を促したのは、彼に、自身の心音を悟られていたことを知ったためだった。 それはつまり、彼女の心音が、彼に伝わっているということであり―――。 「っ・・・・・・!!」 冷めていた頬に、熱波に当てられたような熱さが奔った。 異形の拘束から逃れた時に感じた、灼熱にも似た血の流れが、彼女の頬から 全身に行き渡るまで、そう時間はかからなかった。 紅潮した頬と体温に等しい吐息と共に、彼女の身体が隼人から離れた。 その時に。 「・・・・・・・・・・・・えっ・・・・・・?」 抜き取るように、異性の身体を這った指先が、異様な感触を捉えた。
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384 :ゲッターロボ+あずまんが大王 第7話-(2)[sage]:2011/02/08(火) 02:31:32 ID:boo7EzBm -
彼女の手の、親指の根元に触れた彼の肋骨が、彼女の手の動きに合わせて、内側へとずれた。 ねっとりと、べとつく、指に絡むような、肉の堅さと柔らかさ。 押し遣られる骨の堅さと、窪みに堕ちる肉の弾力を、彼女の指先は感じ取っていた。 「・・・・・・神・・・・・・君・・・・・・?」 啜るように、搾り出す。 眼前で背を向けて佇む、青年になりかけている少年の姿に、歪が雑じったように感じられた。 彼の姿の輪郭に、亀裂が入ったような嫌なビジョンが、脳裏を掠めた。 「・・・・・・何だ?」 思わず数歩下がったそこに、声が来た。 僅かに顔を向けられてはいたが、前髪に遮られ、表情は分からない。 「・・・押し付けたのは、お前だろ」 「・・・・・・・・・・・・」 それもあるが、明確にはそこじゃない。 自分のキャラではないが、やや口汚く叫ぶことが出来たなら、どれほど楽だったか。 「・・・今は、そんな気分じゃないんだが・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・怒るぞ」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 その沈黙には、莫大な質量があった。 歯に布着せぬという言葉があるが、この場合、布ですら牙の鋭さを持っている。 「ああ、そうだ」 「・・・・・・・・・・・・」 常人なら、全身に幻痛を覚えていてもおかしくは無い、 太く長い、空気の棘を押し退け、隼人が呟く。
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385 :ゲッターロボ+あずまんが大王 第7話-(2)[sage]:2011/02/08(火) 02:32:25 ID:boo7EzBm -
「悪いんだが、こいつを開けてくれないか」 クエスチョンマークを廃した言い回しは、命令に近い。 「・・・・・・なんで」 普段と比べ、口調がやや荒い。 相当にキているようだ。 半ばほど、自業自得ではあることは彼女も分かってはいるのだが。 先手を打たれたような敗北感が、彼女にそうさせていた。 「お前の方が近い」 「・・・・・・・・・」 「頼む。大概のことならやってやるから、なるべく早くやってくれ」 その発言に後悔を覚えたのは、先頭の十文字を口ずさんだ時だった。 間髪入れず、鉄が擦られる音を聴いた。 「・・・・・・・・・はい」 「・・・・・・・・・・・・どうも」 ほんの僅かに、自分の気が晴れていくのを感じた。 分厚い鉄の扉を開き、中身も見ずに、彼の方へと向き直った。 「・・・これでいいか。神く・・・」 ふぅっと、彼女の目蓋を風が凪いだ。 扉の内部より流れた、いささかの埃を含んだそれを鼻孔が捉えた刹那に、 彼女は、きゅうっという音を聴いた。 己の体内で鳴った、空気の、押し込められる音を。 崩れる身体を引っつかんだ手に、細い指が這った。 「・・・・・・・・・何・・・を・・・・・・・・・・・・」 その声に一瞬、彼の動きが止まった。 ぎゅうっと、異形の体液に塗れた腕を握る榊の指が、布地に大きな皺を造った。 「戸を開けておく趣味は無い」」 彼自身、この返答には心底、馬鹿馬鹿しいと思った。
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386 :ゲッターロボ+あずまんが大王 第7話-(2)[sage]:2011/02/08(火) 02:33:25 ID:boo7EzBm -
「・・・あれの仲間が来る」 「・・・・・・・・・」 遺骸から流れるものは、何時の間にか止まっていた。 白くなる視界の中、ぼんやりと、黒い亡骸が見えた。 「お前はここに入ってろ。邪魔になる」 「・・・・・・・・・」 ぎりりと、指が肉に食い込む。 反抗の意を、表すように。 「・・・そこの机と箪笥以外なら、漁ってもいいぞ」 「・・・・・・・・・」 少し緩んだことを見計らい、その身体を部屋の床へと座らせた。 入り口から見て、右側の壁面に横たえ、部屋の戸を閉めた。 取っ手を掴まず、ただ指を這わせて、放逐するように。 重々しい金属の塊が光を遮り、室内に闇を満たしていく。 残り五センチ足らずとなった光と闇の境目から這い出た白い指が、その侵攻を食い止めた。 相反するベクトルを持つ力によって、その境目が広がっていく。 「・・・・・・相変わらず、しぶとい奴だな」 「・・・君には言われたくない」 闇の中から、少女の声が、掠れた声とともに響いてくる。 「そろそろ視界が曇ってきたか?いい加減楽になれ」 「・・・そうはいかない」 ぎぃ、と、鉄が悲鳴を上げた。 彼女の周囲を取り囲む闇が、隙間から這入り込む光を吸っていた。 拡大した隙間から、彼女は、彼の眼を見据えた。 己を睨む冷淡な眼つきに、彼女は怯まなかった。
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387 :ゲッターロボ+あずまんが大王 第7話-(2)[sage]:2011/02/08(火) 02:34:13 ID:boo7EzBm -
「何をする気だ」 「・・・逃げはしないさ」 「・・・・・・それは、知ってる」 「・・・・・・・・・そりゃ、どうも」 拡大と縮小を繰り返す光と闇。 光の方が、やや強い。 「・・・・・・・・・私も」 僅かずつ狭まっていく光を受けながら、榊が呟いた。 隼人は背筋に、何かが奔っていくのを感じた。 脳髄が、氷と化した様な感覚を、彼は覚えた。 「榊」 それに続けて。 それに、いくつか足した言葉を、彼は言った。 呟くようにではなく、伝えるように。 そこを、抵抗の緩んだ扉の隙間を、彼の右腕が貫いた。 内側で、布が擦れる音が生じた後に、緩やかに、肉体の横たわる音が続いた。 それを確認した後に、彼は下方へと伸ばした腕を引き抜き、扉を閉めた。 脳と腕に絡みつく、それまでこの手が壊してきたものとは異なる、異質極まる柔らかさ。 それに衝撃を与えた際に、腕に籠もったこの感覚を。 気味が悪いと、彼は思った。 それを握りつぶすかのように拳を造り、ジャケットのポケットに手を突きこむ。 高望みはしていなかったが、せめて硬質なものがあればとは思っていた。 乾きかけた液体を隔てて、彼の爪が何かに触れた。 人差し指と親指でそれを引っつかみ、緩慢で、 気だるそうな動きで、目の前にまで引き上げる。
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388 :ゲッターロボ+あずまんが大王 第7話-(2)[sage]:2011/02/08(火) 02:35:15 ID:boo7EzBm -
「・・・・・・・・・・・・・・・」 それを再びポケットの中へと押し戻した。 取り出したときとは打って変わって、機械的かつ、作業的に、極めて手早く。 右のポケットへと埋没させるのを見届け、元の位置に戻した視界を。 鋭角に縁取られた灰色が覆った。 それが、秒に満たない時間の後に、ほぼ全てが根本から、 場所によっては根元ごと抉られて宙を舞った。 上と下でずれたアギトが壁面へとぶち当てられ、肉と鉄が大きく歪む。 本来――人間なら、壁面に当る前に、その身は屍と化している。 強大な力の前に、人間の頭蓋骨は耐えられない。 黒布の奥で、確実に半分近くが、抉れるように 潰れたはずの異形の腕と尾が、彼に向った。 異形の頭部を穿ちを放った右手の根元に、棘のような爪を携えた両手が、 その首には、尾軟体動物のように蠢く長い尾が絡みついた。 細い指に密集する力は肉に食い込み、ぬめぬめとした肌触りの尾は、 強靭な肉の筋を用いて、骨と気道を蝕んでいく。 小学生ぐらいの子供なら、握られた途端に、 ぐしゃりとやられるほどの力が、それらには課せられている。 「・・・狙いは俺か」 その異形の、頭部を覆う黒布の隙間から、 水が入り込むかのように、低い声が這入り込んだ。 その声色は普段と変わらず、些かも曇っていない。
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389 :ゲッターロボ+あずまんが大王 第7話-(2)[sage]:2011/02/08(火) 02:36:48 ID:boo7EzBm -
「応えろ」 ぎりりと、骨と肉を軋ませる感触が、尾と手からは伝わってくる。 それでも尚、涼しげと思えるほどに、声ははっきりとした質を保っていた。 上顎と下顎が、人間の掌の半分ほどの長さを以ってずれた異形の顔に、何かが押し付けられた。 掌であると分かったのは、顔の五つの場所で、鱗が裂けたのを感知してからだった。 「―――化け物め」 その声に、僅かに、彼の眉間が寄った。 直後に、指の間を、どす黒い体液と血肉が通り抜ける。 そして、左手の先で、ぐじゅぐじゅと泡を立てさせながら、その体を壁から 引き抜くように持ち上げると、その胸元を手刀で貫いた。 脳髄を潰された挙句、心臓を抉られた異形の手と尾は、 忌避するように、神隼人の体より離れた。 びくびくと反射を繰り返す肉の塊を、隼人は無造作に放った。 それまで接していた壁面と反対の方にぶつかった骸は、 彼らが部屋を目指して歩いてきた方へと落ちた。 落ちた拍子に、血肉が床面に、降り注ぐように広がった。 「・・・遅かったな」 独り言のように、伝えるように、彼は呟いた。 視線の先、血肉の溜りの僅か手前に、指の先に、爪を携えた足があった。 それがいくつも、いくつもいくつも連なっている。 下方から上方へと、視界が上がっていく。 その間も、爪が床を傷つける音と、床に肉がへばり付く音は増えていく。 上がるにつれて、隙間に見える、奥の空間が狭くなっていった。 「不死隊(イモータル)、とでも呼ぼうか?」 黒色に蠢く、異形の壁に向って、呟くように言い放つ。 目測にして、大きな部屋が一つほど。 夢の中で、自分がいた空間の長さと、ほぼ等しい。 その距離を隔てて。 彼の視界に映る限りの、通路の隙間を埋め尽くし、 頭部に黒布を纏った、異形達が群れていた。 つづく
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- 【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第17章【クロスSS】
390 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/08(火) 02:47:56 ID:boo7EzBm - 恐ろしく久々の投下になりました
なんか色々とごめんなさいです 書いてる途中、メモ帳を漁ったら 榊さんが危なげなセリフを言っている部分を発掘 どうやら、偽書のセリフを喋らせていたらしいけど、全く記憶に無い 一体、何があったんだろう アンチゲッター線か、ちよちゃんのお父さんの仕業だろうかと、思わず勘繰ってしまった 遅れてしまった分、なんとか取り返せるようにやってみます
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- 【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第17章【クロスSS】
397 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/08(火) 20:58:19 ID:boo7EzBm - 書いてる奴ですが、どうもです
何故か、>>393の返答に、ゴウの代わりにドヤ顔で返す智ちゃんが思い浮かびました あずまんがキャラって、スパロボでいう精神コマンドがやたら充実してそうな気がする ボンクラーズはヌケやムチャみたいなコマンドを覚えそう(強いコマンドを覚えるけど習得LVが狂気) >>396 柔らかく・・・・・・どんな感じですかね? 言い回しとか、もう少しクッション言葉を織り交ぜてみるとかでしょうか?
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- 【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第17章【クロスSS】
402 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/08(火) 21:31:14 ID:boo7EzBm - >>401
なるほど・・・どうもです 多分、書きやすかったのが新の口調だったので、そちらの方になったのかと思います 確かに口調とか変化ありそうですね、新だと途中でいくらか大人しくなったけど、基本的には冷たい感じ それだから、最終回のラストシーン近くでの隼人の顔付きが大きく変わったのが印象的ですな
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- 【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第17章【クロスSS】
404 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/08(火) 22:53:28 ID:boo7EzBm - >>403
腐乱衆の活躍はもっと見たかったですね 冒頭での、鯱に乗って敵艦に乗り込むところが好きです >>394 螺旋=∞を描くのかなぁ 早乙女博士がゲッターGを所持してるみたいだけど、 胴体の近くにライガーとポセイドンがあったりして、漫画版の真ドラゴンみたいになってそう ラミエルで思い出したけど、スパロボαだと光子力とゲッター線を合わせた光線がラミエルを葬ったような つまりは超強力なゲッタービーム+光子力ビームがラミエルを・・・・・・合唱
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