- 21世紀深夜アニメロワアイル 2
64 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[sage]：2010/10/04(月) 22:19:44 ID:apX5Ga7T - 投下乙
坂東がまさかの確変、いろいろな意味でw
永澄はそろそろ真実に気づくんだろうなあ……
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65 ：フォークト=カンプフ検査法 ◆MS8eAoJleg [sage]：2010/10/04(月) 23:01:19 ID:apX5Ga7T - 「はっ、あたしはなんつぅ、鬼畜なことを」
馬超は我に返り、草茂る小道で仰向けになった男を抱え起こす。
「別に悪気があった訳じゃないんだ。ただ、太くて硬くて、形がアレだから……
棒でガンガン突っつけば、早くいけるんじゃねえかなって」
「――音声ガイダンスに従って名前を入力して下さい」
「ごめん、本当にごめん。言い訳なんかしちゃ駄目だよな」
彼女は無意識のうちに、木の棒で彼を車輪のように転がしていたのだった。
「――パスワードを設定します。ここには生年月日など、 個人情報はなるべく使わないで下さい」
「……はあ、もう勘弁してくれ」
定期的に若い男から零れる女性の声。妙に冷たくて余所余所しくて、何度聞いても心臓に悪い。
同じ非難されるにしても、鈴々と食い物で下らない口喧嘩した頃が懐かしい。
「てめえ、何やってんだ？」
およそ３０歩ほど離れた場所から、大柄の男がぶっきら棒に声をかけてきた。
無頼漢の鋭い目つき、傲岸不遜な口元、いかにもな悪人面である。
彼はふてぶてしく、それでいて、隙のない足取りで近づいてくる。
馬超は病人を庇うように槍を構えると、男は歩を止めた。
「てめえはソイツをどうするつもりだ？」
「病院に連れて行く。もしかしたら、特効薬があるかもしれないだろ」
「それよか、工場にでも探した方が良いんじゃねえか。そいつはロ――」
「コウジョウだと。工場で強い武器を探してコイツをやれって言うのか」
彼女は瞳を警戒から敵意に変える。
この赤毛の男は重症の若者をまるでモノか何かのように見つめているのだ。
だが、相手も一歩も引かず、眉根を寄せて怒鳴り返してくる。
「あん、てめえの頭ん中はウジ虫でも沸いてんのか。俺が言いたいのはそういうことじゃねえ。
ソイツを病院で直せるわけねえだろ。んな形の人間なんざ世の中にいるかってんだ」
「そりゃ、普通の人間とはちょっと違う気もするけどさ。それには突っ込んじゃいけないだろ｣
馬超は筒っぽい男と遭遇したとき、花鳥仮面を初めて見たときのような既視感を覚えた。
あの自称・美と正義の使者はどう見ても趙雲、要するに星だった。だが、追求する気になれなかった。
彼の場合はそれよりも強烈で、心の中で疑問を持つことさえ、許されないような気がした。
だが、眼前の賊はそういう空気を読む能力を持っていないようだ。
「なあ、てめえとポンコツの関係はなんだ、ダチか？」
「今日始めて出会った。けど、コイツがおかしくなったのはあたしのせいかもしれないんだ」
「もし、そいつがとんでもない化け物だったとしたらどうするつもりだ」
「それでも一瞬で動き回れるようになったりはしないだろ。その時はその時で何とかする。
とにかく、敵だろうが味方だろうが、あたしには死にそうな人間を見捨てられない」
男は懐から筒状の紙を取り出して火をつける。そして、香のように煙を燻らせた。
「俺はてめえよりは機械の知識がある。もしかしたら、そいつを直せるかもしれねえぞ」
「治せるって、お前は医者なのか」
吉報を聞き、馬超の表情はわずかに和らぐ。
「んな、大層なもんじゃねえよ。車がエンスト起こした時に修理するくらいだ」
「車は戦車の馬のことで、お前は獣医ってことか。エンストって病名でいいんだよな」
「うっせえ、てめえの会話はどうも噛み合ってねえ。いいから黙って、俺に任せろ」
「そりゃ、専門用語を連発するからだろ。一応、信頼してやるが、変な真似したらすぐに止めるぞ」
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67 ：フォークト=カンプフ検査法 ◆MS8eAoJleg [sage]：2010/10/04(月) 23:03:38 ID:apX5Ga7T - 彼女は不機嫌そうに、そして、感謝の色をこめて、男の様子を見守る。
「――音声ガイダンスに従って名前を入力して下さい」
「武装錬金じゃあねえようだな」
男は意味深な言葉を呟くと、病人のあちこちを叩いて、マッサージをし始めた。
肌の一部が目まぐるしく色を変えていく。馬超はこれを深く追求しないことにした。
「――入力の不適切な項目があります。戻るボタンを押して、初めからやり直してください」
「――入力の不適切な項目があります。戻るボタンを押して、初めからやり直してください」
「――入力の不適切な項目があります。戻るボタンを押して、初めからやり直してください」
「――入力の不適切な項目があります。戻るボタンを押して、初めからやり直してください」
「――入力の不適切な項目があります。戻るボタンを押して、初めからやり直してください」
「――入力の不適切な項目があります。戻るボタンを押して、初めからやり直してください」
「不条理だ、クソッ」
男は不思議な鞄から、棒状の金属を数本取り出した。
「先っぽが変わった形してるな。鍼灸でもするのか」
「ドライバーだ。これでコイツをいったんバラす」
「ちょっと待て、そんなことしたら、本当に死んじゃうだろ……な、ぬわぁーーっ」
男が彼女の束ねた髪を鷲づかみにしている。
ごつごつした大きな手で刷り込むように握り締めてくる。
一瞬、気が動転する。だが、今の状況を理解する。
彼のもう片方の手には一文字のドライバー、振るう軌道はこちらの頚動脈。
ﾎﾟﾆﾃﾌｪﾁ
――こいつはただの総髪偏狂者ではない、本気であたしを殺そうとしている。
馬超の目つきが乙女から武人のそれに代わった。
男の右手を払いのけ、バランスが崩れたところに蹴りを入れる。
「結構利いたぜ。ガキアマの癖になかなかやるじゃねえか」
相手は派手に後方に飛ぶことで、その衝撃を最小限に留める。
「やっぱり、殺し合いに乗っていたのか。一瞬でも信じたあたしが馬鹿だった」
男は走って間合いを広げ、２本のドライバーを投げつけてきた。
馬超は木の棒で叩き落す。だが、一本は後ろの病人に衝突し、金物のぶつかるような音がした。
少女は鉄のような男に駆け寄る。予想通りどこに傷ついていない。安堵の息を漏らした。
その時、彼女の髪の毛にネトネトした白い何かが絡み付いていることに気がついた。
払おうとするも絡み付いて取れない。頭の中に嫌な妄想が駆け巡り、全身に寒気が走る。
馬超は全力で男を追いかける。本当はすぐにでも、この不快物を念に念を入れて洗い流したい。
だが、あの変態殺人鬼を何とかするのが先決だ。見逃せば多くの犠牲者が出てしまう。
男が殺し合いに乗ったのは、生き残るためでも、優勝して願いを叶えるためでもない。
殺しと陵辱を快楽としているからだ。彼女はそのように結論付けた。
馬超が足を動かすごとに、殺人鬼の距離とはどんどん狭まっていく。
敵は投擲技術こそ高いものの、他の身体能力はいわゆる熟練兵の域を超えていない。
不意打ちさえ防げれば、西涼に名だたる武人たる馬超の敵ではない。
飛来する３本のドライバー、彼女はこれを紙一重で回避。
そして、投擲の主の隠れるイチョウの木を、棒を使って指し示す。
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68 ：フォークト=カンプフ検査法 ◆MS8eAoJleg [sage]：2010/10/04(月) 23:04:20 ID:apX5Ga7T -
「そこまでだ。あたしが不埒な賊に正義の鉄槌を下してやるぜ」
「てめえ、あのポンコツを置き去りにしてよかったのか――」
男の声を掻き消すかのように、馬超の後ろで何かが爆発する音がした。
その瞬間、世界のすべてが引き裂かれるような激痛が走る。
目の前が真っ白になり、何が起きたのか全く分からない。
感覚が麻痺して、すぐに痛みは引いていく。
浮かんでは消える、主君、戦友、友人、仲間達、
憧れだった父親の馬騰、妹のたんぽぽ、そして、鈴々のまっすぐな笑顔――
◇
少女背中の肉が吹き飛び、前にのろける。棒で辛うじて身体を支える。
ただ、己の強い意志だけで、ぼろぼろになった生命の糸を繋いでいる。
火渡は追い討ちをかけるように、彼女の後頭部を石で殴打した。
「搦め手の支給品ばかり用意しやがって。こういう戦い方はガラじゃねえ」
爆発の正体はＣ４、自由に形を変えられる白いプラスチック製の爆弾。
火渡赤馬はこれに時限信管をセットしたものを相手の髪の毛に擦り付け、爆発を起こしたのだ。
女は見ず知らずの人外に優し過ぎ、足手纏いになりかねなかった。
だから、彼女を殺すことにした。
女は近代兵器の知識も、卓越した分析能力も持ち合わせていなかった。
だから、彼女は死んでしまった。
水を掛ければ簡単に無効化できる。また、ポニーテールごとＣ４を切り捨てるという手もあった。
もしも、相手が爆発物をうまく処理していたならば、負けていたかもしれない。
彼女の予想外の武力のために、彼はロボットのデイパックを奪うのを諦めたのだから。
今の火渡にとって、最優先課題は誰も優勝させないこと。
邪な者の願いを聞き届けたのならば、どんな悪夢が起こるか想像もできない。
いや、あの中国風の男ならば、善良な望みも捻じ曲げて叶えそうだ。
火渡は于吉から吐き気をもよおすような『邪悪』を覚えていた。
加えて、ヴィクターや武藤カズキに至っては、元の世界に帰還するだけで、人類が滅亡しかねない。
幸いなことに、彼らにも首輪はつけられている。倒す方法はきっとあるはず。
できるだけ早く核鉄を手に入れ、他の錬金の戦士とも合流したいところだ。
そして、火渡は他にも厄災をもたらす参加者が存在してもおかしくないと考えていた。
会場には彼の知らない異能者が複数存在したからだ。人外はこの地で全て始末する。
当然、ドラム缶ロボのようなガラクタも例外にはしない。あれはどう考えても、誰が何を言おうと人間ではない。
火渡赤馬は忘れない。７年前、人に成りすましたホムンクルスが、集落ごと全滅させたあの惨劇を。
空気や暗黙の了解、お約束などと言った虚構で、彼の認識を狂わせることなどできるわけがない。
火渡は錬金戦団の中でも、過激な思想の持ち主に入る。
それでも、普段の彼であれば、善良な人間を殺害することなどありえなかっただろう。
だが、非常事態、目的のために人間であっても無能は殺す。己が悪役になることさえ厭いはしない。
「俺達は不条理の中で戦ってるんだ、なあ……そうか、名前を聞きそびれちまったか」
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70 ：フォークト=カンプフ検査法 ◆MS8eAoJleg [sage]：2010/10/04(月) 23:05:16 ID:apX5Ga7T - 少女の死体は一番の悪は于吉だろうと、訴えているようにも見えた。
火渡もあの男の顔面に、強烈なパンチをぶち込みたくてウズウズしている。
だが、敵は時空や次元を超越した存在。勝てる確率はゼロに等しい。
しかも、亡き少女はその男を倒したと言っていた。それなのに、彼は生きている。
下手をすると、背後に強大な黒幕のいる可能性さえある。今は打つ手なしだ。
ならば、自分が目指すのは参加者を救うことではない。まして、己の生還でもない。
人類滅亡という最悪の事態を避けることだけだ。後ろ向きな見方。彼もそれくらいは自覚している。
されど、不条理からは逃げるのではなく、受け止めるもの。お花畑を夢見ても現実は何も変わらない。
彼は死者の追悼もほどほどに、デイパックの中身を回収する。
先ほどの爆発で入れ物自体は壊れたものの、散乱した支給品は無事のようだ。
早速、携帯火炎放射器を装備する。核鉄ほどではないが相性のよい武器である。
そして、あのロボットのいた場所へと急ぐ。火渡はそこにもＣ４を仕掛けていた。
だが、爆発音が聞こえなかった。つまり、誰かが爆弾を無効化したということ。
「クソ、あのドラム缶どこ行きやがった。今まで狸寝入りでもしてたか、それとも仲間がいたか」
火渡の危惧した通り、ロボットの姿も、デイパックも跡形もなく消えていた。
アレを野放しにすれば、あの女を殺した意味がないではないか。
彼は苛立ちを抑えるように、タバコに火をつけた。世の中は不条理に満たされている。
◇
ここは地下世界。メカ沢の持っていた武装錬金、アンダーグラウンドサーチライトによって作られた亜空間。
所有者がここから出ようとしない限り、誰の干渉を受けることもない。鉄壁の防衛基地だ。
そこで、１４歳の少年が一冊の書物を片手に、メカ沢に取り付けられたキーデバイスを叩き続けている。
この本はメカ沢改造マニュアル、のプログラムについて分かりやすく、なおかつ大雑把に書かれた説明書だ。
春日井甲洋がキーの入力を終える時、このロボ……もといサイボーグはニューメカ沢として蘇るであろう。
【馬超＠真・恋姫†無双 死亡】
【一日目 C-4 病院付近の林 黎明】
【火渡赤馬＠武装錬金】
[状態]：健康
[装備]：携帯放射器(ゲル化油燃料付き)
[道具]：基本支給品×1、BLOCK DEMOLITION M5A1 COMPOSITION C4(時限信管 残り３個)＠現実
ランダム支給品0〜1（確認済み）、セブンスター＠現実、工具セット＠現実
[思考]
基本：優勝を目指す人間と人外を皆殺し
１：上記の参加者を庇う足手まといの人間も場合によっては殺害
２：中村剛太や津村斗貴子との合流および核鉄の回収
備考：メカ沢がちゃんとロボットに見えます。
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71 ：フォークト=カンプフ検査法 ◆MS8eAoJleg [sage]：2010/10/04(月) 23:06:03 ID:apX5Ga7T - 【一日目 C-4 亜空間の地下 黎明】
【春日井甲洋＠蒼穹のファフナー】
[状態]健康
[装備]チェーンソー＠現実
[道具]基本支給品×２、メカ沢改造マニュアル＠オリジナル、ドライバー＠現実×２
ランダム支給品0〜1(確認済) 、アンダーグラウンドサーチライト＠武装錬金
グレネード詰め合わせ@現実 爆薬、閃光、チャフが2個づつの6つ、チャフ一つ消費済み
[思考]
基本：羽佐間翔子を優勝させる
１：真壁一騎、皆城総士を殺す
２：出会った人間に翔子のことを聞いて、情報を得た後に殺す
３：竜宮島の他の仲間は……
４：メカ沢を自分の都合のよいように記憶操作する
【メカ沢新一@魁!!クロマティ高校】
[状態]：記憶操作中
[装備]：なし
[道具]：なし
[思考]
基本：意識不明
備考：基本的にメカ沢は神山、林田以外には普通の人間、シリアス系にはサイボーグに見えます。
【携帯放射器＠現実】
陸上自衛隊に配備されている火炎放射器、米軍から供与されたM2火炎放射器の改良型である。
点ではなく面の制圧に威力を発揮する。ゲル化油式なので射程は４０ｍ。
【BLOCK DEMOLITION M5A1 COMPOSITION C-4＠現実】
米軍御用達のプラスチック爆薬C4のM5A1ブロック。
どんな形状にも変形できる使い勝手の良さと、信管による起爆以外ではまず爆発しない信頼性を持ち合わせる。
逆に言えば、信管がなければ火をつけても普通に燃えるだけなので燃料程度にしか使えない。
【アンダーグラウンドサーチライト＠武装錬金】
地下に広い空間を作り、そこに避難することができる。
そこは亜空間であり通常の方法では出入りすることはできない。
ここでは制限により、入り口を作った場所からしか出られず、連続で３０分以上留まると首輪が爆破される。
また、いったん地上に出てから４時間は使用不可能になる。
【携帯放射器＠現実】
陸上自衛隊に配備されている火炎放射器、米軍から供与されたM2火炎放射器の改良型である。
点ではなく面の制圧に威力を発揮する。ゲル化油式なので射程は４０ｍ。
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73 ：フォークト=カンプフ検査法 ◆MS8eAoJleg [sage]：2010/10/04(月) 23:07:13 ID:apX5Ga7T - 投下終了です
遅れてしまい申し訳ありませんでした
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76 ： ◆MS8eAoJleg [sage]：2010/10/04(月) 23:45:50 ID:apX5Ga7T - すみません。
死亡表記の後に
【残り５１人】
も追加で
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