- 女子アナ総合研究所 第八章
113 :昔人生参謀今経営参謀 ◆8INpJ9KATh9w []:2010/06/19(土) 22:57:10 ID:JBzmwyW90 - 2010年5月17日(月)日本経済新聞
中国、農産物に投機資金 ニンニク10倍/緑豆は2倍 不動産・株からシフト 金余りの新たな受け皿に ttp://www5.atpages.jp/jlabup/jlab-up/s/1276955083142.jpg 2010年5月17日(月)日本経済新聞 外食 農業参入広がる 本社調査 「はなまるうどん」など1割検討 自社生産で安全性確保 ttp://www5.atpages.jp/jlabup/jlab-up/s/1276955133698.jpg 2010年5月17日(月)日本経済新聞 飲料業売上高 マクドナルド首位 09年度本社調査 10.8%減も2年連続 ttp://www5.atpages.jp/jlabup/jlab-up/s/1276955159525.jpg
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114 :昔人生参謀今経営参謀 ◆8INpJ9KATh9w []:2010/06/19(土) 22:58:57 ID:JBzmwyW90 - 2010年5月13日(木)日本経済新聞
ゼンショー経常益8割増 前期 牛丼値下げ、客数増加 ttp://www5.atpages.jp/jlabup/jlab-up/s/1276955204581.jpg 2010年6月4日(金)日本経済新聞 ゼンショー黒字増加 純現金収支 今期60億円強 出店抑制 ttp://www5.atpages.jp/jlabup/jlab-up/s/1276955235655.jpg
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115 :昔人生参謀今経営参謀 ◆8INpJ9KATh9w []:2010/06/19(土) 23:00:08 ID:JBzmwyW90 - 【コメント】
農作物や外食産業の記事とは直接的には関係ありませんが。 書店に行くと、論理思考とか戦略思考とかフェルミ推定がキーワードとなっている本がたくさん並んでいます。 それらの用語の詳しい説明は本にまかせるとして、少しだけ経営分析をしてみましょうか。 すき家を経営しているゼンショーとご存知マクドナルドのケースです。 新聞記事を題材に考えてみます。 これらの分析の際には、新聞記事の内容と一般的な社会経験と常識的な知識しか使っていません。 インターネットで事前に何かを調べたとか業界特有の専門誌を読んだとか誰かに話を聞いたなどということは一切ありません。 あくまで論理的に考えて推定した、ただそれだけです。 フェルミ推定とか論理的に物を考えるというのはこういうことなのです。 (題材) 2010年5月12日(水)日本経済新聞 戦略分析 「すき家」運営のゼンショー 連結売上高、外食首位に 今年度3600億円超、マクドナルドを抜く スピード重視、直営に力 マクドナルド FC拡大、効率的に利益 ゼンショー 規模追求、コストを抑制 全店売上高ではマクドナルド 直営・FCの合計 ttp://www5.atpages.jp/jlabup/jlab-up/s/1276955460440.jpg
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116 :昔人生参謀今経営参謀 ◆8INpJ9KATh9w []:2010/06/19(土) 23:01:05 ID:JBzmwyW90 - マクドナルドの直営店店舗売上高をM(D)、フランチャイズ店店舗売上高をM(F)、
フランチャイズ店がマクドナルド本部に支払うロイヤルティーを売上高のa倍(0<a<1)、 ゼンショーの直営店店舗売上高をZ(D)、フランチャイズ店店舗売上高をZ(F)、 フランチャイズ店がゼンショー本部に支払うロイヤルティーを売上高のb倍(0<b<1)、 だとします。 記事に、連結売上高でゼンショーがマクドナルドを抜く見通しだとありますから、 M(D)+M(F)×a < Z(D)+Z(F)×b という関係式が成り立ちます。 左辺は3130億円、右辺は3600億円です。 一方で、直営店とフランチャイズ店のそれぞれの売上高の単純合計は依然としてマクドナルドが首位のままです。 M(D)+M(F) > Z(D)+Z(F) という関係式が成り立ちます。 左辺は5340億円、右辺は3840億円です。
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117 :昔人生参謀今経営参謀 ◆8INpJ9KATh9w []:2010/06/19(土) 23:02:15 ID:JBzmwyW90 - 左辺同士、右辺同士を引き算してマクドナルド、ゼンショーで整理しますと、
M(F)×(1−a)=2210 Z(F)×(1−b)=240 という関係式が成り立ちます。 売上高に対するロイヤルティーが占める比率は両社でほぼ同じだと仮定しますと、つまり、a≒bだと仮定しますと、 M(F)×c=2210 Z(F)×c=240 という関係式が成り立ちます。 cは共通です。 そうしますと、ゼンショーの連結売上高がマクドナルドを抜く見通しであるといっても、 それぞれのフランチャイズ店の店舗売上高を比較しますと、 マクドナルドのフランチャイズ店店舗売上高は、ゼンショーのフランチャイズ店店舗売上高の10倍近いことが分かります。 マクドナルドのフランチャイズ店は2006店舗、ゼンショーのフランチャイズ店は250店舗。 2210÷2006=1.10 240÷250=0.96 フランチャイズ店1店舗平均で見ますと、マクドナルドの方がゼンショーよりも若干売上高が大きいことが分かります。 具体的には、1.10÷0.96=1.146、つまり、 マクドナルドのフランチャイズ店1店舗平均の売上高は、ゼンショーのフランチャイズ店1店舗平均の売上高の1.146倍です。
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118 :昔人生参謀今経営参謀 ◆8INpJ9KATh9w []:2010/06/19(土) 23:03:42 ID:JBzmwyW90 - 来店客数はどうでしょうか。
客単価から考えてみましょう。一方はハンバーガーセットが中心、一方は牛丼が中心です。 マクドナルドの平均客単価を600円だとしましょう。 ゼンショーの平均客単価を400円だとしましょう。 1.10÷600=0.00183 0.96÷400=0.00240 このことから、フランチャイズ店の一日平均来店客数は、ゼンショーの方がマクドナルドよりも若干多いことが分かります。 具体的には、0.00240÷0.00183=1.31、つまり、 ゼンショーのフランチャイズ店1店舗平均の来店客数は、マクドナルドのフランチャイズ店1店舗平均の来店客数の1.31倍です。
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119 :昔人生参謀今経営参謀 ◆8INpJ9KATh9w []:2010/06/19(土) 23:05:18 ID:JBzmwyW90 - お客さんの立場から見ると、直営店もフランチャイズ店もありません。
「私は直営店でのみ食べる、フランチャイズ店では食べない」、 というお客さんはいません。 そうしますと、直営店だろうが、フランチャイズ店だろうが、 一店舗当たりの一日平均来店客数や客単価に違いはないと考えられます。 つまり、マクドナルドの場合もゼンショーの場合も、「全店舗の平均売上高=フランチャイズ店1店舗平均の売上高」ということです。 そうしますと、直営店とフランチャイズ店を合計した場合でも、結局1店舗平均で見ますと、 上で計算しましたように、マクドナルドの方がゼンショーよりも若干売上高が大きいと考えられます。 具体的には、1.10÷0.96=1.146倍、という計算式です。 すなわち、マクドナルドの全店舗の平均売上高は、ゼンショーの全店舗の平均売上高の1.146倍です。 以上を簡単にまとめますと、直営店、フランチャイズ店関係なく、 1店舗当たりの平均売上高は、マクドナルドの方がゼンショーの1.146倍、 1店舗当たりの来店客数は、ゼンショーの方がマクドナルドの1.31倍、 であろうと推測できます。 これが経営分析です。
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120 :昔人生参謀今経営参謀 ◆8INpJ9KATh9w []:2010/06/19(土) 23:06:44 ID:JBzmwyW90 - と、ここまでは調子よく分析できたのですが、本当にこの分析は正しいのでしょうか。
検証してみましょう。 記事によりますと、 マクドナルドの直営店とフランチャイズ店を合わせた全店舗数は3715店。 ゼンショーの直営店とフランチャイズ店を合わせた全店舗数は4200店。 1店舗当たりの平均売上高は、マクドナルドの方がゼンショーの1.146倍、です。 ゼンショーの1店舗当たりの平均売上高をsとしますと、マクドナルドの1店舗当たりの平均売上高は1.146sとなります。 すると、直営店とフランチャイズ店を合わせた全店舗の合計売上高は、 マクドナルドが、3715店×1.146s=4257s。 ゼンショーが、4200店×s=4200s。 となります。 分析の一番最初に戻りますが、記事によりますと、 マクドナルドの全店舗の合計売上高5340億円、ゼンショーの全店舗の合計売上高は3840億円です。 経営分析から導き出した推測値ですと全店舗の合計売上高はほぼ同じくらいとなったのですが、 実際の売上高には大きな差があります。 残念ながら、この経営分析は間違っていたようです。
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121 :昔人生参謀今経営参謀 ◆8INpJ9KATh9w []:2010/06/19(土) 23:09:43 ID:JBzmwyW90 - 分析が間違っていた理由は複数あるでしょう。
本部に支払うロイヤルティーを単純に売上高のa倍などと仮定してしまった点は大きな間違いなのでしょう。 実際には店舗の粗利の何パーセントを本部に支払うといった複雑な契約形態になっていると思います。 そして、a≒bと仮定したことも間違いでしょう。 また、マクドナルドの方はハンバーガーショップという一業態のみであるのに対し、 ゼンショーの方は牛丼店(すき家)だけでなく、ハンバーグ、スパゲティ、焼肉、しゃぶしゃぶ、寿司と、 非常に数多くの業態を経営しています(ゼンショーグループ:ttp://www.zensho.co.jp/jp/group/)。 牛丼店と寿司店とでは、来店頻度も来店客数も客単価も大きくことなるでしょう。 ゼンショーの場合は来店客数も客単価も多業態過ぎて外部からは正確な数値は分かりませんし、 牛丼店と寿司店を足して2で割って数値計算しただけの平均の数値には何の意味はないでしょう。 さらに、今ゼンショーのホームページ(ttp://www.zensho.co.jp/jp/)を見ますと、 >グループ店舗数:4,003店(2010年5月末) とあります。 上の分析では記事に従って、ゼンショーの全店舗数は4200店舗で計算しました。 4200店舗というのは、現在ゼンショーは猛出店中で、2011年3月末までに4200店舗という意味です。 実際には4003店舗ですから4200店舗で計算すれば確かに間違った分析となるでしょう。 また、2011年3月に開店した店舗は2011年3月期への連結売上高への寄与はどうしても少なくなるでしょうし、 2011年3月期の決算に限って言えば、数値上は平均売上高の足を引っ張ることになります。 マクドナルドの方も、出店と閉店と店舗改装を同時並行的に進めている最中です。 正確に何店舗とは言えません。
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122 :昔人生参謀今経営参謀 ◆8INpJ9KATh9w []:2010/06/19(土) 23:12:12 ID:JBzmwyW90 - そういうわけでして、結果だけを言えば上の経営分析は間違っていたということになります。
しかし、だからといって、経営分析が何の役にも立たないということはありません。 この記事のようにマクドナルドやゼンショーの場合は、 直営店にせよフランチャイズ店にせよ、来店客数にせよ客単価にせよ、本部は正確な数値をもちろん把握しているでしょう。 ゼンショーは数多くの業態を経営していますが、 牛丼、ハンバーグ、スパゲティ、焼肉、しゃぶしゃぶ、寿司、どの店舗であっても、来店客数も客単価も正確に把握していることでしょう。 マクドナルドやゼンショーの場合は聞けば教えてくれるかもしれません。 しかし、教えてくれなかったらどうしましょうか。 何を言いたいのか分かりづらいですね。言い方を変えましょう。 マクドナルドの場合もゼンショーの場合も、来店客数や客単価の答えはあるわけです。 しかし、これから新しい業態の店舗を開発したり出店しようとする場合は答えはありません。 あるわけがありません。未来の話をしているわけですから。 ないならどうするか。自社で正確な推論をするしかありません。 推論の際は確かに過去のデータを用いるわけですが、経営分析の主眼はあくまで将来の予測にあるということです。 過去のデータの積み重ねから物事を論理的に考えていって将来を予測する、これが経営分析です。 正確な数値が分かるに越したことはないのですが、将来のことです、厳密な数字は分かりません。 しかし、大まかな傾向であるとか大体こうなりそうだ、ということが分かるというのは経営において非常に大切なことなのです。 人生においても同じではないでしょうか。
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123 :昔人生参謀今経営参謀 ◆8INpJ9KATh9w []:2010/06/19(土) 23:13:40 ID:JBzmwyW90 - 財務分析も同じです。
確かに財務諸表は過去の情報しか表しません。 しかし、その過去の情報から将来を予測するのです。 財務諸表は過去の情報しか表さないのは当たり前のことです。 財務諸表が将来の情報を表していたらそれはただの捏造決算です。 過去の情報を表している財務諸表からどう将来を予測するのか、それは外部の投資家の分析手腕にかかっているわけです。 財務諸表に将来の情報を表すことを要求するのは、今日の新聞に明日起こった出来事の記事を載せろというようなものです。 過去の情報を表すのが財務諸表です。 昨年一年間の経営成績はこうでした、と企業の本当の姿を正確に報告することが財務諸表の役割です。 将来を表す必要などどこにもありません。 将来を見るのは、外部の投資家の役割です。
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124 :昔人生参謀今経営参謀 ◆8INpJ9KATh9w []:2010/06/19(土) 23:17:28 ID:JBzmwyW90 - 2010年6月3日(木)日本経済新聞
会計基準の国際化 「単体」への反映 課題多く 包括利益、企業側が難色 ttp://www5.atpages.jp/jlabup/jlab-up/s/1276955720261.jpg 2010年6月18日(金)日本経済新聞 揺れる時価会計 上 欧米、厳格適用巡り溝広がる ttp://www5.atpages.jp/jlabup/jlab-up/s/1276955748858.jpg 2010年6月19日(土)日本経済新聞 揺れる時価会計 下 適用巡り、日本企業に戸惑い ttp://www5.atpages.jp/jlabup/jlab-up/s/1276955770323.jpg IFRSは会計基準としての質が悪い。 私はIFRSを、Generally Accepted Accounting Principles(GAAP:一般に公正妥当と認められた会計基準)だとは認めたくありません。 IFRSはせいぜい、Gambler's Appendix Accounting Principles(GAAP:鉄火場用の付録)程度だと思います。
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