- 小川麻琴応援スレ 第3回
135 :ねぇ、名乗って[sage]:2013/07/08(月) 17:11:09.13 ID:P+lffDl90 - 悪役レスラー小川にとって、人気最下位は定位置である。
そんな小川には 若くて可愛い新人レスラーがデビューして すぐ人気を得て 華々しく活躍する姿は許し難かった。 最近の小川が一番気に入らないのは、近頃台頭著しい真野 恵理奈である。 UFBでは大部分の選手が団体でデビューし、その中で人気を 競い合い、 勝ち残った者がエース格として抜擢されるのが 一般的である。 ところが真野はデビュー前、研修生のうちから 人気が出てしまったため、 始めからソロ&レギュラー出演という 破格の扱いでデビューを飾った。 「新人のくせに生意気。アタシの巨体で押し潰してやる!」 嫉妬に狂った悪役レスラー小川は、真野と対戦する機会を 虎視眈々と伺っていた。 数年前には当時日の出の勢いだった小春に真剣勝負を挑み 返り討ちで惨敗した事など もちろん忘れている。 都合の悪い事はすぐ忘れる才能が無ければ、人気最下位のまま レスラー稼業を続ける事は出来ないのだ。
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136 :ねぇ、名乗って[sage]:2013/07/08(月) 17:13:59.34 ID:P+lffDl90 - その日、真野は同年代の有原選手との試合が組まれていた。
ところが対戦相手が急遽「外反母趾」という冗談みたいな理由で欠場となり UFBは頭を抱えていた。観客の中には最近急上昇中の真野選手が目当てで チケットを買った者も多い。何とか代打を立てて試合させる必要があった。 いち早くこの情報を入手した悪役レスラー小川は、待ってましたとばかり 対戦相手に立候補した。 UFB「真野ちゃんと君じゃ体重もキャリアも違い過ぎる。期待の新人を今 壊すわけには行かないんだが・・・」 小川「こう見えても私はプロですから。悪役らしく大暴れするフリしながら 手加減して、最後はちゃんと勝ちを譲りますよ」 厚顔無恥な小川は、全力で叩き潰す気でいるにも関わらず、カラ約束を 連発すると、強引に対戦相手に収まった。 悪役の試合など見た事さえ無い真野は、対戦相手の変更を聞いても小川とやらが どんな選手なのかピンと来なかった。 いつもの通り、観客の声援に笑顔で手を振りながら入場した真野は、リング上で 仁王立ちになっている対戦相手を見て真っ青になった。 相撲取りかと思うような巨漢が、殺気のこもった目付きでこっちを睨んでいるのだ。 これまで同年代で軽量級の美少女レスラーとの対戦しか経験していなかった真野は 初めて間近に見る重量級の悪役レスラーが怖くて泣きそうになった。 「心配するな。奴は図体こそデカいが、練習しないし根性も無いから弱い。このところ 連戦連敗で勝ってるところなど見た事が無い。」セコンドがそう言うと真野は小さく頷き リングに入った。
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137 :ねぇ、名乗って[sage]:2013/07/08(月) 17:27:18.90 ID:P+lffDl90 - 試合開始のゴングとともに悪役レスラー小川は 丸太のような腕を振り回し
殴りかかって来た。破壊力だけはありそうだが、スピードはのろく、新人の 真野でも比較的余裕を持ってかわす事は出来た。 「悪役だから勝っちゃいけない筋書きなのかも」と真野は思った。 実際には当の小川は殴り倒す気満々で振り回しているのだが、肥満体ゆえ 軽量級の真野の動きに付いて行けないのである。真野のセコンドが言う通り 生来の怠け者ゆえ練習もしておらず、一層動きは鈍かった。 軽快なフットワークで悪役レスラー小川の突進をかわしながらサイドに回り込み 繰り出す真野のパンチやキックは面白いように当たった。ブ厚いゼイ肉の鎧に 守られている重量級の小川に大きなダメージは無かったが、試合は明らかに 真野が優勢だった。一段と高まる会場の真野コールに苛立った悪役レスラー 小川は ついに決心した。「反則をしてでも絶対に潰す」 小川のパンチをかわした真野は突如、粉が飛んで来るのが見えたかと思うと 視界が真っ暗になった。悪役レスラー小川が、隠し持っていた砂を撒いたのだ。 重量級レスラーの小川は、懸命に目をこする軽量級の真野を 難なく押し倒すと 馬乗りになった。
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