- 真夏の夜の淫夢
115 :名無しさん@├\├\廾□`/[sage]:2020/07/13(月) 23:40:52.98 ID:GibzBgoh - The Story 自分を変えた幸運のクレーム処理。 清野大地
■相手の心を知る感性と、相手の心に響く人間性と。 とある朝、1本の電話が始まりだった。大手鋼製家具メーカーで、毎年2億円以上の取引を 継続する大切なクライアントから、『自分たちの家具を設置する職場でシックハウスの症状が 出たが、建物が原因とは考えにくい。だから家具について検証しており、お宅の塗料について も調べてほしい』という要請だった。 『わかりました。現場にすぐに確認し、こちらからお電話させていただきます』。そう応対した清 野自身も最初は深刻に考えていなかった。ところが、客先で使われていた商品の製造記録と 納入記録から意外な事実が見つかった。使いやすさや性能など、ユーザーの新たな要望に 応える為に段階を追った改良が行われ塗料の性質が少しずつ変わっていたのである。調べ る検査データが増える。改良の理由やそこに至った経緯も報告しなければならない。これは 本腰を入れてやらないとダメだと確信し、何ヶ月かかっても必ず自分が解決してやると、清野 は腹をくくった。 「時間が経つとともに顧客からは『早く結果を報告して』と催促されるし、技術者からは『そう 簡単に出ない』と叱られるし。人と人の板挟みは、高校、大学のラグビー人生で散々経験し、 鍛えてきたんですけど」と苦笑する清野。体ではなく気持ちのぶつかり合いは、力だけでは解 決は難しい。相手の事情や感情を正しく理解する感性と、相手を説得し、納得させる人間性を 武器に、清野の奮闘が続く。
|
|